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eBay無在庫販売の始め方|欠品を前提に組む出品と在庫確認の手順

更新 公開約18分在庫・仕入れ

この記事の3行要約

  • 在庫リスクが消えるのではなく、欠品と遅延というリスクに置き換わっている
  • 発送準備期間には、予約商品のポリシーと同じく、商品を取得する時間を含めて設定する
  • 欠品したらまず在庫なしにする。キャンセルは最後の手段として順番を決めておく
目次

はじめに

在庫を買わずに出品する。売れてから仕入れる。

初期資金がほとんど要らないので、eBay 輸出の入口として選ばれやすい形です。実際、始めるだけなら難しくありません。

難しいのは続けることです。在庫を持たない分のリスクは消えているわけではなく、別の場所に移っています。移った先を分かったうえで組めば回りますし、分からないまま件数を増やすと、あるところで一気に崩れます。

崩れ方にも特徴があります。少しずつ悪くなるのではなく、ある時期にまとめて欠品が出て、記録が一気に傷むという形になります。出品数が増えた直後や、扱う商材を広げた直後に起きやすい形です。

この記事では、無在庫販売の仕組みと有在庫との違いを整理したうえで、起きるリスクの構造、始めるための手順、向いている商品と仕入れ先の選び方までを扱います。

なお、規約上どこまで許されるかは、別の記事にまとめてあります。始める前に一度読んでおいてください。

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規約の結論だけ 3 行で書いておきます。無在庫という売り方が全面的に禁止されているわけではありません。 許可されているのは卸売サプライヤーからの直送で、他の小売業者やマーケットプレイスから購入して購入者へ直接配送する形は許可されていません。自分の手元を経由して発送する形は、この禁止行為には当たりません。

無在庫販売の仕組みと、有在庫との違い

無在庫販売は、手元に在庫を持たない状態で出品し、注文が入ってから仕入れて発送する売り方です。「受注仕入れ」と呼ばれることもあります。

出品する場所(eBay)と仕入れる場所が分かれていて、その 2 つが注文のタイミングで接続されます。接続されるまでの間、2 つの状態がずれ続けているというのが、この売り方の本質的な性質です。出品は動かないまま、仕入れ先の在庫と価格だけが動いていきます。

無在庫販売有在庫販売
資金が出ていくタイミング売れてから仕入れたとき
売れ残りのリスクほぼ無いある
欠品のリスク高い。仕入れ先の在庫に依存する低い。手元にある分だけ出す
発送までの工程仕入れが挟まるぶん長い手元から出せる
在庫の状態を知る方法外に見に行く必要がある手元を見れば分かる

無在庫販売は在庫リスクを消す方法ではありません。売れ残りのリスクを、欠品と遅延のリスクに置き換える方法です。

置き換えたリスクのほうが小さいなら、この形は合理的です。扱う商材と、在庫を確認できる仕組みがあるかどうかで、どちらが小さいかが決まります。

もうひとつ、見落とされやすい違いがあります。売れ残りのリスクは自分の判断で減らせますが、欠品のリスクは他人の在庫で決まります。 仕入れを絞れば売れ残りは減りますが、仕入れ先が商品を売り切るのを止める手立てはありません。コントロールできる範囲が狭くなるという意味では、無在庫のほうが難しい側面もあります。

無在庫販売のやり方 ── 基本の流れ

動きとしては 5 段階です。

  1. 出品する ── 仕入れる前に eBay へ出す
  2. 注文が入る ── ここまでは資金を使わない
  3. 仕入れる ── 仕入れ先で調達する
  4. 発送する ── 自分の手元を経由して送る
  5. 追跡番号を登録する ── 発送準備期間の内側で

4 番目には「仕入れ先から購入者へ直接送る」形もありますが、仕入れ先が小売業者やマーケットプレイスの場合、それは許可されていません。詳しくは規約の記事を参照してください。

5 番目は、無在庫かどうかに関係なく必要な工程です。

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無在庫販売で起きる欠品・価格変動・発送の遅れを、前提として置く

無在庫販売で問題になることは、欠品・価格変動・発送の遅れの 3 種類にだいたい収まります。始める前に構造を把握しておくと、対策の順番が決まります。

1. 仕入れ先で在庫が消える

いちばん頻度が高いのがこれです。出品したまま、仕入れ先で商品が売れてしまう、または出品が終了する。

注文が入ってから在庫切れに気づくと、選択肢は 2 つしかありません。別の仕入れ先で調達するか、キャンセルするか。

キャンセルすると、eBay の記録に残ります。公式は取引不良の定義にこう書いています。

eBay は以下のいずれかの場合に取引不良としてカウントします。出品者が予期せず注文をキャンセルした場合(在庫がなかった、他の人に販売したなど)。

最低限の要件は取引の 2% 以下です。ただし条件が付いていて、4 人以上の異なる購入者に関連する取引不良がある場合にのみ標準以下と評価されます。

無在庫の欠品は別々の買い手にばらけて起きるので、この条件はあまり保護になりません。数値の詳細は規約の記事にまとめてあります。

2. 仕入れ値が動く

出品した時点の仕入れ値と、注文が入った時点の仕入れ値が違うことがあります。

フリマやオークションのように価格が動く場所では、これが日常的に起きます。上がった分だけ利益が減り、上がりすぎれば赤字で発送することになります。

対策は 2 つです。価格の変動が小さい仕入れ先を選ぶか、価格の見直しを定期的にかけるか。どちらも、仕入れ先の価格を継続的に見ていることが前提になります。

赤字と分かってからキャンセルするのは、いちばん高くつく選択です。取引不良として記録されるうえ、利益も出ません。

判断としては、少額の赤字なら発送するほうが安く済むことが多いはずです。取引不良の記録は数か月から 1 年残りますが、数百円の赤字はその 1 件で終わります。どこまでの赤字なら飲むかを、先に金額で決めておくと迷いません。

3. 発送が遅れる

手元に在庫がある場合と比べて、仕入れという工程が 1 つ多い構造です。そのぶん発送までの日数が伸びます。

伸びること自体は問題ではありません。問題になるのは、伸びた日数を発送準備期間に織り込んでいないときです。

有在庫のつもりで短い日数を設定したまま無在庫を始めると、注文が入るたびに間に合わなくなります。しかも、間に合わなかったことは 1 件ずつ記録に残ります。

もうひとつ、無在庫特有の事情があります。仕入れ先の配送が遅れても、遅れたのはセラーの責任として扱われます。 公式は「出品に記載されている期限内に安全に商品が配送されること、購入に関する購入者の全体的な満足度に責任を負う」と明記しています。仕入れ先を挟んでも、買い手との約束はセラーがしています。

無在庫で起きる3つのこと — 仕入れ先で在庫が消える(注文後に気づくと、代替調達かキャンセルの二択になる)、仕入れ値が動く(出品時の想定より上がれば利益が減り、上がりすぎれば赤字になる)、発送が遅れる(仕入れという工程が 1 つ多い。織り込んでいないと期限を割る)、責任は移らない(仕入れ先が遅れても、期限内の配送はセラーの責任と明記されている)、売れ残りのリスクが、欠品と遅延のリスクに置き換わっている

eBay無在庫販売の始め方は4つの手順

始め方は、仕入れ先の業態を決める → 扱う商品を決める → 発送準備期間を決める → 欠品したときの順番を決める、の 4 つです。この順番に意味があります。

手順1. 仕入れ先の業態を決める

最初に決めるのは、どこから仕入れるかです。サイト名ではなく、業態で考えてください。

業態在庫の安定性価格の安定性向いている扱い方
EC モール・通販サイト在庫数が表示されることが多いセールで動くことがある定番品を継続して扱う
中古専門店在庫数が表示されることが多い比較的安定状態別に在庫が分かれている商材
フリマ売れたら消える値下げ交渉で動く一点物。数を追わない
オークション終了で消える入札で上がる相場が読める商材に限る
卸売サプライヤー継続供給が前提取り決めによる規約上いちばん安全な位置

一番下の行が、公式に「許可されています」と名指しされている形です。ただし取引を結ぶ相手が要るので、始めたばかりの段階で選べるとは限りません。

上の 4 つから選ぶ場合、在庫の安定性と利益の出やすさは、だいたい逆を向きます。在庫が安定している場所は相場も知られていて、価格差が薄くなります。逆に一点物や早い者勝ちの商材は価格差が出やすい代わりに、消える確率が高くなります。

無在庫を始めるなら、まず安定側から入ることをおすすめします。欠品の対応に慣れる前から、消えやすい商材で数を出すと、記録が先に傷みます。

仕入れ先の業態ごとの性質は、別の記事で詳しく扱っています。

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手順2. 扱う商品を決める

無在庫では、在庫が安定して供給される商品ほど扱いやすくなります。

  • 定番品・ロングセラー ── 継続して生産されているので、在庫が途切れにくい
  • 新品・未開封品 ── 個体差がないので、どこから仕入れても同じものになる。代替の仕入れ先を持ちやすいという意味でも扱いやすくなります
  • 状態の区分が明確な中古品 ── 状態ごとに在庫が分かれているので、指定して仕入れられる。ただし、届いた個体の状態が出品の記載と合っているかは自分で確認することになります

逆に、扱いにくいのは次のような商品です。

  • 一点物 ── 消えたら代替がない。1 件の欠品がそのままキャンセルになる
  • 早い者勝ちで動く商品 ── 出品と注文の間に消える確率が高い
  • 発売直後の人気商品・予約品 ── 供給が読めない

3 つ目については、公式に予約商品ポリシーがあります。予約商品として出品するなら、購入後 40 日以内の出荷を保証し、発送可能日を出品時に明記し、タイトルと説明に予約商品であることを明記する必要があります。この条件を満たせないなら、出さないほうが安全です。

何を売るかの選び方そのものは、別の記事にまとめています。

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なお、セルスルーレートが高い商品ほど、出品してから注文が入るまでが短くなります。出品と注文の間が短いほど、その間に在庫が消える確率も下がります。 無在庫では、この点でも回転の速い商材のほうが扱いやすくなります。

手順3. 発送準備期間を、仕入れの時間を含めて決める

ここが、有在庫との最大の違いです。

eBay の予約商品ポリシーに、そのまま使える一文があります。

発送準備期間の詳細には、出品者が商品を取得するのにかかる時間と、出品者が配送業者に荷物を引き渡すのにかかる時間を含める必要があります。

商品を取得するのにかかる時間を含める。 無在庫販売の発送準備期間は、この考え方で決めます。

何日にすべきかという目安は書きません。仕入れ先によっても商材によっても変わるからです。代わりに、測るべきものを挙げます。

  • 注文を見てから発注するまでの時間(自分の作業時間)
  • 発注してから手元に届くまでの日数(仕入れ先の配送)
  • 検品して梱包するまでの時間
  • 配送業者に引き渡すまでの時間

平均ではなく、遅かったときの日数で決めてください。 平均で設定すると、半分の確率で遅れます。

測るときは、土日と祝日を数えるのを忘れないでください。金曜の夜に注文が入った場合、発注が月曜になり、届くのが火曜以降になります。営業日ベースで考えているつもりが、実際には暦日で進んでいることがあります。

長めに設定することの不利は、配達予定日が後ろにずれて、買い手から見た魅力が下がることです。それでも、短く設定して守れないよりは有利です。守れなかった記録は残りますが、長めに設定して守った記録は何も残りません。

なお、期限内に発送していれば保護されます。公式は、商品の到着が遅れても発送準備期間内に発送したことが配送業者のスキャンで確認された場合、発送遅延率の調整が自動的に行われるとしています。

手順4. 欠品したときの順番を、先に決めておく

無在庫では欠品が起きます。起きないようにするのではなく、起きたときに何をするかを先に決めておくほうが現実的です。

順番はこうなります。

フロー図: 仕入れ先で在庫が消えた / 入っているか / 出品は残り、検索から外れる / 入荷したら数量を戻す / 調達できるか / 利益が出るか / 調達して発送する / 買い手へ早めに連絡する / 合意のうえキャンセルする

左の経路に入れるかどうかが、この売り方の成否を決めます。 注文が入る前に気づけば、キャンセルは発生しません。注文が入ってから気づくと、どう転んでも損が出ます。

右の経路に入ってしまったときは、買い手への連絡の速さが結果を分けます。届かないまま待たされてからキャンセルされるのと、早い段階で事情を説明されるのとでは、同じキャンセルでも受け止められ方が違います。

始めるための4つの手順 — 仕入れ先の業態を決める(サイト名ではなく業態で。卸売サプライヤーが規約上いちばん安全)、扱う商品を決める(定番品・新品・状態区分が明確な中古品。一点物と予約品は難しい)、発送準備期間を決める(商品を取得する時間を含める。平均ではなく遅かったときの日数で)、欠品時の順番を決める(在庫なし → 代替調達 → 早めの連絡 → 合意のうえキャンセル)、注文が入る前に気づけば、キャンセルは発生しない

無在庫で欠品したら、まず出品を在庫なしにする

欠品に気づいたら、出品を終了せず、在庫なしオプションで数量を 0 にします。前節の図の左の経路を、もう少し詳しく書きます。

固定価格の出品には在庫なし(Out of Stock)オプションがあります。数量が 0 になっても出品は進行中のまま維持され、検索結果には表示されなくなります。数量を戻すと、また表示されます。

無在庫運用では、これが第一手になります。

出品を終了させる必要がないのが利点です。公式は「出品の販売履歴は、ベストマッチ検索結果での位置を決定する要因の 1 つ」と書いています。終了させて出し直すと、その積み上げは新しい出品には引き継がれません。在庫なしなら、出品そのものが生き残ります。

制約は 3 つあります。

  • 設定は既存および今後のすべての一括出品に適用される(無効にするまで)
  • 数量が 180 日間連続でゼロなら、eBay 側で出品を終了する
  • 数量を 0 にする操作も、戻す操作も、自分でやる必要がある

3 つ目が実務の本体です。在庫が消えたことに気づかなければ、0 にできません。 無在庫販売の作業量は、ほとんどここに集中します。

なお、在庫なしにするかどうかの判断には、入荷の見込みがあるかどうかが関わります。定番品で在庫がすぐ戻る商材なら、在庫なしにして待つのが合理的です。二度と入らない一点物なら、出品を終了させたほうがすっきりします。

戻す操作を忘れると、せっかく在庫が復活しても検索に出ません。0 にした商品の一覧を、定期的に見に行く必要があります。止めるほうだけ仕組みにして、戻すほうを忘れる。無在庫運用でよくある取りこぼしです。

在庫の表示が残っていても、買えないことがある

欠品を見に行くとき、たいていは仕入れ先の在庫の表示を見ています。ただし、表示が残っているのに発注できない形がいくつかあります。

  • 出品そのものが取り下げられた。個人が出品する場所では、売れる前に出品者が下げることがあります。売り切れとは別の消え方です
  • 購入数に制限がかかった。人気商品では、1 人あたりの上限が後から付くことがあります。1 件目は買えても、2 件目で止まります
  • 支払いや配送の条件が変わった。使っていた支払い手段が選べなくなる、特定の配送方法が外れる。商品は残っていますが、こちらの手順が通りません

共通しているのは、在庫の有無だけを見ていると素通りすることです。前の節で挙げた仕入れ値の上昇も、同じ形の見落としでした。

だから、観測する対象は在庫の有無ではなく、いまの条件で発注できるかどうかに置いてください。この置き換えをすると、見るものが 1 つ増えるのではなく、判定の基準が 1 段はっきりします。

そして、注文が入ってから発注するまでの間に、購入手続きの直前まで一度進めてみるのが確実です。在庫の表示では分からない条件は、たいていそこで出てきます。手間に見えますが、注文 1 件ごとの作業なので、出品数が増えても比例して重くはなりません。

無在庫の在庫確認の頻度をどう決めるか

確認の頻度は、商材の動きの速さに合わせて決めます。「毎日確認しましょう」で終わらせると実行されないので、構造として考えます。

確認にかかる負荷は、見に行く先の数と確認の頻度の掛け算で決まります。1 回の確認にかかった時間を測って、必要な頻度を掛けてみてください。 それが週に何時間になるかで、続けられるかが分かります。

続けられない量になっているなら、出品数か仕入れ先か商材のどれかを減らすか、確認のやり方を変えるかのどちらかです。

現実的な進め方としては、次のどれかになります。

やり方向いている状況
全件を毎日見る出品数が少なく、商材が限られている
動きの速いものだけ毎日、他は週次商材の性質にばらつきがある
在庫の変化を検知する仕組みを持つ出品数が増えて、全件を見るのが現実的でなくなった

3 つ目については、仕入れ先の在庫監視という考え方があります。見に行くのではなく、変わったときに知る形へ寄せるということです。

頻度を決めるときは、確認の間隔と、その間に売れる確率を並べて考えてください。週に 1 回しか見ない商材で、週に何件も注文が入るなら、確認と確認の間に欠品する余地が大きく残っています。逆に、月に 1 件しか動かない商材を毎日見ても、得られるものは多くありません。

動きの速さと確認の頻度を合わせるのが基本です。全部を同じ頻度で見ようとすると、速いものに追いつかず、遅いものに時間を使いすぎます。

確認の頻度をどう決めるか — 頻度を上げるべき: 売れるまでが短い商材、一点物・早い者勝ちのもの、価格が入札で動くもの、頻度を下げてよい: 月に数件しか動かない商材、継続供給される定番品、価格が安定している仕入れ先、負荷は見に行く先の数 × 頻度。全部を同じ頻度で見ない

無在庫で出品数を増やすと、先に出品限度に当たる

無在庫は、在庫を買わずに出品を増やせる形です。そのぶん、資金より先に eBay の出品限度が上限になることがあります。

公式ヘルプ(出品限度)の説明は次のとおりです。

  • eBay は出品者のアカウントを毎月確認し、売上高と購入者からのフィードバックに基づいて限度を自動的に調整する
  • 進行中の出品と販売済みの出品は、月間限度に含まれる
  • 月間限度に近づくとメッセージで知らせる。そのメッセージや、ヘルプのボタンから引き上げをリクエストできる
  • 特定のカテゴリに初めて出品するときは、販売数を制限することがある
  • 限度に達したからといって、商品を間違ったカテゴリに出品してはならない(検索の改ざんに関するポリシーの違反になる)

無在庫で効いてくるのは 2 つ目です。在庫なしで数量を 0 にした出品も、出品は進行中のまま残ります。止めた出品を大量に抱えていると、それだけで限度の中の枠を使い続けることになります。入荷の見込みが無くなった商品は、180 日を待たずに自分で終了させて枠を空けてください。

4 つ目と 5 つ目は、商材を広げるときに効きます。無在庫で新しいカテゴリを試そうとして、そのカテゴリで数を出せないことがあります。空いている別のカテゴリへ逃がすのは違反なので、そのカテゴリの制限が外れるのを待つことになります。

出品限度の上げ方そのものは、出品限度の記事で扱っています。この記事で押さえておきたいのは、無在庫の上限は、確認できる件数と出品限度の小さいほうで決まるということです。

無在庫を、ずっと無在庫のまま続けなくていい

始めたあとの話も、少しだけ書いておきます。ここが、この記事でいちばん実務的な部分かもしれません。

無在庫販売には、売れる商品を資金リスクなしで探せるという性質があります。実際に注文が入った商品は、需要があることが確認できた商品です。

この性質を使うなら、こういう進め方があります。

  1. 無在庫で幅広く出して、実際に売れるものを見つける
  2. 売れると分かった商品だけ、在庫を持つ形に切り替える
  3. 在庫を持った商品は、欠品も遅延も起きなくなる

無在庫をリサーチの手段として使い、確かめられたものから有在庫へ移すという形です。無在庫のままでいる限り、欠品と遅延のリスクは扱う件数に比例して増え続けます。移せるものから移していけば、その分は消えます。

ここで効いてくるのが記録です。移す判断は、無在庫で売った実績からしか出せません。 売れたという事実だけが手元に残っていて、いつ・いくらで仕入れたかが消えていると、移せるかどうかを確かめようがありません。始めた時点から残しておいてください。

もちろん、全部を有在庫にする必要はありません。回転の読めない商材は無在庫のまま、読めた商材は在庫を持つという使い分けができれば、両方の性質を使えます。

どちらの形を選ぶのか、そして何が揃ったら移すのかという判断そのものは、別の記事にまとめてあります。

このあと紹介している記事 (3 本)

毎日の巡回をやめられる部分

無在庫販売の作業量は、そのほとんどが「仕入れ先の状態を確認すること」に集中しています。

私たちが開発している Trade Force は、商品・在庫・出品・注文・発送・売上をひとつの画面で管理する定額制の OMS(受注管理システム)です。

在庫監視ツールが仕入れ先のサイトを定期的に巡回して、在庫と価格の変化を検知し、取り込みます。この記事で扱った「注文が入る前に気づく」を、見に行かずに成立させるための部分です。

価格の変化も同じ扱いで届きます。在庫が残っていても、仕入れ値が上がっていれば利益は消えます。 在庫と価格を同時に見ておく必要があるのは、無在庫販売の性質そのものです。

どの商品をどこからいくらで仕入れたのかも記録として残ります。前節の「移す判断の材料」にあたる部分が、運用の副産物として溜まる形です。

売れた注文は自動で取り込まれ、入荷と出荷のタスクとして並びます。無在庫では注文のたびに仕入れが挟まるので、どの注文がどの段階にあるかが一覧で見えるのは効いてきます。

ただし、eBay の出品をどうするかを決めるのは人です。在庫なしにするのか、価格を直すのか、キャンセルするのか。ツールが引き受けているのは、判断に必要な変化を届けるところと、仕入れから出荷までの記録を残すところまでです。出品価格を自動で追従させる機能も、規約に適合しているかを判定する機能もありません。

在庫を持たない売り方は、気づく速さがそのまま成績になります。気づく部分を仕組みに寄せて、判断に時間を使えるようにする。この記事で扱った内容を運用に落とすと、だいたいそういう形になります。

まとめ

始める前に押さえておきたいことを、順番に並べ直します。

在庫リスクは消えていません。 売れ残りのリスクが、欠品と遅延のリスクに置き換わっています。置き換えた先のほうが小さいかどうかは、商材と確認の仕組み次第です。しかも、売れ残りは自分の判断で減らせますが、欠品は他人の在庫で決まります。

規約の線は、仕入れ先の種類と配送の経路で引かれています。 卸売サプライヤーからの直送は許可されていて、他の小売業者やマーケットプレイスからの直送は許可されていません。詳しくは規約の記事を参照してください。

発送準備期間には、商品を取得する時間を含めます。 これは公式が予約商品ポリシーで明記している考え方です。平均ではなく、遅かったときの日数で決めてください。

欠品したら、まず在庫なしにします。 注文が入る前に気づければ、キャンセルは発生しません。キャンセルは最後の手段として、順番を先に決めておいてください。どこまでの赤字なら発送するかも、金額で決めておくと迷いません。

見るのは在庫の有無ではなく、いまの条件で発注できるかどうかです。 表示が残っていても、出品が取り下げられたり購入数に上限が付いたりして買えないことがあります。

確認の負荷は、見に行く先の数 × 頻度で決まります。 出品数と仕入れ先を同時に増やすと、手作業で追える範囲を超えます。動きの速さと確認の頻度を合わせて、全部を同じ扱いにしないでください。

もうひとつの上限は、eBay の出品限度です。 在庫なしで止めた出品も進行中のまま月間限度に含まれるので、入荷の見込みが無くなった商品は自分で終了させて枠を空けてください。

そして、無在庫のまま続ける必要はありません。 売れると分かった商品から在庫を持つ形に移していけば、リスクは扱う件数に比例して増え続けなくなります。

よくある質問

Q1.無在庫販売は規約違反ではないのですか
A1.

無在庫という売り方が全面的に禁止されているわけではありません。公式は「卸売サプライヤーから直接注文を配送するドロップシッピングは、eBay で許可されています」と明記しています。

許可されていないのは「eBay で商品を出品し、他の小売業者やマーケットプレイスから商品を購入して購入者に直接配送すること」です。自分の手元を経由して発送する形は、この禁止行為には当たりません。

判断の材料になる条文と、日本語圏に広まっている誤解については、冒頭で挙げた規約の記事にまとめています。条文は短いので、一度は原文に目を通しておくことをおすすめします。

Q2.発送準備期間は何日に設定すればいいですか
A2.

日数の目安は出せません。仕入れ先によっても商材によっても変わるためです。

公式の予約商品ポリシーには「発送準備期間の詳細には、出品者が商品を取得するのにかかる時間と、出品者が配送業者に荷物を引き渡すのにかかる時間を含める必要があります」と書かれています。この考え方で、自分の実績から決めてください。

測るのは、発注から手元に届くまで、検品と梱包、引き渡しまでの 3 つです。平均ではなく、遅かったときの日数を基準にしてください。

Q3.注文が入ってから仕入れ先の在庫切れに気づきました
A3.

まず、別の仕入れ先で同じ商品を調達できるかを確認してください。調達できて、その価格でも利益が出るなら、そのまま発送するのがいちばん損が小さくなります。

調達できない場合、あるいは調達すると赤字になる場合は、買い手へ早めに連絡してください。連絡が早いほど、印象が悪くなりにくくなります。

そのうえで、合意を取ってキャンセルします。在庫切れによるキャンセルは取引不良として記録されるので、避けられないものとして受け止め、同じ仕入れ先の他の出品も見直してください。

Q4.欠品したら出品は終了させるべきですか
A4.

終了させる前に、在庫なしオプションを確認してください。有効になっていれば、数量を 0 にした時点で検索結果から外れ、出品自体は進行中のまま残ります。

無在庫運用では、同じ商品が何度も切れて何度も戻ります。そのたびに終了と再出品を繰り返すと、積み上がった販売履歴を毎回捨てることになります。数量の上げ下げで済ませられるなら、そのほうが有利です。

ただし、数量が 180 日間連続でゼロの場合は eBay 側で出品が終了されます。入荷の見込みが無くなった商品は、自分で整理してください。

Q5.出品数はどれくらいまで増やせますか
A5.

品数の上限を他人の数字で決めることはできません。決めるのは、自分が在庫を確認できる範囲です。

確認にかかる負荷は「見に行く先の数 × 確認の頻度」で決まります。出品数を増やし、仕入れ先を分散し、動きの速い商材を扱う。この 3 つを同時に進めると、どこかで追いつかなくなります。

1 回の確認にかかる時間を測って、必要な頻度を掛けてみてください。週にどれくらいの時間になるかが分かれば、続けられる量が見えます。

もうひとつの上限が、eBay の出品限度です。進行中の出品は月間限度に含まれるので、在庫なしで止めている出品も数に入ります。限度は毎月の見直しで自動的に調整され、近づくと届く案内から引き上げをリクエストできます。

Q6.無在庫の出品が売れたら、何日以内に発送すればいいですか
A6.

出品に記載した発送準備期間の内側です。無在庫でも、この日数の数え方は変わりません。公式のドロップシッピングのページは、出品に記載されている期限内に安全に商品が配送されることにセラーが責任を負う、と書いています。

発売前の商品を予約商品として出している場合は、購入後 40 日以内(英語版では 40 営業日)の発送を保証する必要があります。どちらの場合も、仕入れ先から手元に届くまでの日数を含めて約束できているかが先に問われます。

Q7.仕入れ先はいくつ持つべきですか
A7.

数の正解はありませんが、1 か所だけに依存しないことは意味があります。同じ商品を複数のルートで調達できれば、片方が切れても注文をさばけます。

一方で、仕入れ先を増やすほど確認する先が増えます。在庫を確認できる範囲を超えて増やすと、欠品に気づけなくなるので逆効果です。

自分が回せる確認の量から逆算して決めてください。

Q8.無在庫と有在庫はどちらから始めるべきですか
A8.

どちらが正しいということはありません。無在庫は資金が要らない代わりに欠品と遅延を引き受け、有在庫は資金が要る代わりにその 2 つが消えます。

現実的な進め方としては、無在庫で売れる商品を見つけ、確かめられたものから在庫を持つ形に移していくという組み合わせがあります。無在庫を需要の確認に使い、利益の柱は在庫を持った商品で作る形です。

ただし、無在庫で確かめるには記録が要ります。何回売れたか、どれくらいの間隔だったか、仕入れ値がどう動いたか。記録が残っていないと、移す判断ができません。

Q9.最初はどれくらいの品数から始めればいいですか
A9.

品数の正解はありませんが、最初は在庫の確認が確実に回る範囲にしてください。慣れないうちに件数を増やすと、欠品の対応に追われて出品どころではなくなります。

目安としては、1 周の確認を毎日続けても苦にならない量から始めてください。慣れてくると、同じ時間で見られる件数も増えていきます。そこから増やしていって、回らなくなったところが自分の上限になります。

増やす前に確認しておきたいのは、欠品が起きたときの手順が決まっているかです。手順が決まっていない状態で件数だけ増やすと、最初の欠品でつまずきます。

Q10.手数料や利益の計算はどこで確認できますか
A10.

手数料の内訳と率は、手数料の記事にまとめています。無在庫かどうかで手数料が変わることはありません。

ただし無在庫では、注文が入った時点の仕入れ値で利益が決まります。出品時に計算した利益がそのまま残るとは限らない、という点だけ有在庫と違います。

Q11.在庫ありの表示だったのに、発注できませんでした
A11.

在庫の表示が残っていても発注できない形は、いくつかあります。出品そのものが取り下げられた、購入数に上限が付いた、支払いや配送の条件が変わった。どれも在庫の有無だけを見ていると素通りします。

対処としては、注文が入ってから発注するまでの間に、購入手続きの直前まで一度進めてみるのが確実です。在庫の表示では分からない条件は、たいていそこで出てきます。

そのうえで発注できないと分かったなら、扱いは在庫切れと同じです。別の仕入れ先で調達できるかを確認し、できなければ買い手へ早めに連絡してください。

参照リンク

本記事で参照した eBay 公式のページです。ポリシーや仕様は変更されることがあるため、実際の運用にあたっては最新の内容をご確認ください。

この記事を書いた人

Trade Force 運営チーム

Trade Force 運営チーム

越境 EC セラーのための、AI ネイティブな次世代 OS「Trade Force」の運営チーム。自らも eBay で販売しており、現場の実体験に基づく情報を発信しています。

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仕入れ、出品、値付け、注文、出荷、英語での返信。このブログを書いている私たちは、その仕事を届くところまで支える Trade Force を作っています。

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