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eBay在庫管理の朝のルーティン|毎日見る3つの数字と、見ないもの

この記事の3行要約

  • 毎朝見るのは3つだけ。新しく欠品したもの、止め切れていないもの、利益が消えたもの
  • 評価指標や表示回数は日次で見ても判断できない。週次か月次に回す
  • 見る対象を絞れば時間は縮む。時間を目標にすると、見落としのほうが増える
目次

はじめに

eBay の在庫管理を、朝いちばんに何から始めていますか。

決まっていないと、その日の気分で見る場所が変わります。売上を眺めて、メッセージを開いて、出品一覧をスクロールして。気がつくと 1 時間経っていて、肝心の欠品には気づいていない、ということが起きます。

決まっていない状態で困るのは、時間だけではありません。今日は確認したのかどうかが、自分でも分からなくなります。 見る対象が決まっていれば、見たか見ていないかもはっきりします。

この記事では、在庫管理の朝のチェックで見る対象を 3 つに絞ります。そして、毎朝は見なくていいものも同じくらいはっきり決めます。

在庫切れをどう検知するかという仕組みの話は、別の記事で扱っています。ここは「毎朝の手順」だけの話です。

朝に見る理由は、記録が残るから

先に、在庫管理をなぜ毎朝やるのかを整理します。

在庫が無いままキャンセルすると、取引不良率(Defect Rate)に算入されます。公式の定義に「出品者が予期せず注文をキャンセルした場合(在庫がなかった、他の人に販売したなど)」と書かれています。

この記録は、あとから取り消せません。 評価は毎月 20 日に行われ、取引が少ないうちは過去 12 か月がまとめて対象になります。1 件の記録が 1 年近く残るということです。

一方、在庫が消えたことに早く気づけば、記録は作られません。注文が入る前に出品を止めれば、キャンセルは発生しないからです。

朝のチェックは作業ではなく、取り返しのつかない記録が作られる前に手を打つための時間です。

基準を正確に押さえておく

ここで、日本語の記事に多い誤りを訂正しておきます。

「Defect Rate を 0.5% 未満に維持することが求められ、超えると Below Standard と判定される」という説明を見かけます。公式の基準と食い違っています。

数字何の基準か
取引不良率 2% 以下標準以下にならないための最低限。 かつ 4 人以上の異なる購入者に関連する場合にのみ判定される
取引不良率 0.5% 以下(3 人以下の異なる購入者)最高評価出品者になるための要件
未解決のケース 2 件(または 0.3%)以下標準以下にならないための最低限

0.5% は最高評価の線であって、標準以下の線ではありません。

措置の内容も正確に書いておきます。公式は、標準以下になったときについて「パフォーマンスが向上するまで、落札手数料の追加請求など出品状況に関する制限が課される場合があります」と書いています。「検索順位が大幅に低下する」とは書かれていません。

それでも避けたい結果であることは変わりません。 手数料が上がり、出品に制限がかかる状態です。

もうひとつ押さえておきたいのは、戻すのに時間がかかることです。評価は毎月 20 日に行われ、過去の取引をさかのぼって計算します。今日から気をつけても、すでに積み上がった件数は分母が入れ替わるまで残ります

だから、悪くなってから対策するのでは遅いという話になります。朝のチェックは、まだ何も起きていないうちにやる作業です。効果が見えにくいのは、防いだ事故が記録に残らないからでもあります。

在庫管理の朝のルーティンで見る数字は3つ

在庫管理で毎朝見るものを 3 つに絞ります。役割で分けると、すぐに覚えられます。

#見る数字役割
1新しく欠品したものの数気づく
2欠品と分かっているのに、まだ出品を止めていない数止める
3仕入れ値が上がって、利益が出なくなっているものの数損を止める

1 と 2 はセットです。 気づいても止めていなければ、リスクは残ったままだからです。3 は少し性質が違って、こちらは記録ではなく利益を守るための数字になります。

なぜこの 3 つなのか。共通しているのは、放っておくと今日中に損が確定し得るという点です。今日注文が入れば、1 と 2 はキャンセルの記録に、3 は赤字の発送になります。

逆に、今日中に何も起きない数字は朝に入れません。「緊急かどうか」だけで選んでいると考えてもらえれば、他の数字を足したくなったときの判断もできます。

数字1 ── 新しく欠品したもの

前の日の朝から今朝までの間に、仕入れ先で在庫切れになった商品の数です。

見るときのコツは、仕入れ先ごとに開かないことです。サイトを 1 つずつ回ると、どこまで確認したかが曖昧になります。全部の仕入れ先を横断した一覧として見られる状態を作ってください。

ゼロなら、次の数字へ進みます。1 件でもあれば、その商品を止める対象に入れます。

なお、新しく欠品したものだけを見るのが要点です。すでに止めた商品まで毎朝見直すと、対象が減らないので時間が縮みません。

手作業でやる場合は、前日との差分を作る形にしてください。全件のリストを毎朝作り直すと、どれが新しく消えたのかが分かりません。前日の状態を記録しておいて、変わったものだけを見る。記録がないと差分は取れないので、ここは仕組みの問題になります。

差分が取れない状態で全件を見ると、件数が増えたときに真っ先に破綻します。確認の時間は件数に比例しますが、差分を見る時間は変化の数に比例します。 この違いが、続くかどうかを分けます。

数字2 ── まだ止めていないもの

欠品に気づいていても、eBay の出品を止めていなければ、売り越しは起きます。

この数字は 1 件も残さないでください。 残したまま一日を始めると、その日ずっと注文を受け付ける状態が続きます。

数字 1 と違って、この数字は自分の作業の残りです。仕入れ先の都合ではなく、こちらの都合でゼロにできます。だからこそ、ゼロにする基準を緩めない意味があります。

「3 件までなら大丈夫」といった線は、作らないほうがいいです。1 件残るなら 3 件残るからです。残っている理由を潰すほうが早く終わります。

残る理由は、だいたい次のどれかです。

  • 気づいた時点で作業する時間がなく、あとでやろうとして忘れた
  • 判断に迷って保留にした(取り寄せ表示、価格が微妙、など)
  • 気づいたこと自体を記録していない

3 つ目がいちばん厄介です。頭の中にしかない「あとで止める商品」は、翌朝には存在しません。 気づいた時点で止めるか、止める対象として記録するか。どちらかにしてください。

2 つ目については、迷ったら止めるを既定にしておくと処理が速くなります。止めすぎた損は戻せますが、見逃した損は記録に残ります。

止め方は、在庫なし(Out of Stock)オプションを使うのが基本です。数量を 0 にすると出品は進行中のまま維持され、検索結果には表示されなくなります。数量を戻せば再表示されます。

出品を終了させるのは、二度と扱わないと決めたときだけにしてください。終了させると、その出品に積み上がっていた販売履歴は新しい出品に引き継がれません。

数字3 ── 利益が消えたもの

在庫があっても、仕入れ値が上がっていれば売ってはいけない状態になります。

昨日まで利益が出ていた商品が、今日は赤字になっている。フリマやオークションのように価格が動く仕入れ先では、これが日常的に起きます。

見るのは「自分で決めた下限を割った商品の数」です。何%を下限にするかは、扱う商材と自分の損益で決めてください。他人の閾値をそのまま使う意味はありません。

下限を決めるときは、率ではなく金額で考えるほうが実務的だと思っています。手数料と送料を引いたあとに何円残るのか。その金額で、仕入れて検品して梱包して発送する手間が見合うのか。率が同じでも、単価が違えば残る金額は違います。

決めた下限は、書き出して固定してください。毎回その場で考えると、「今回は特別に」が増えます。判断を都度やらないために閾値を決めるわけなので、決めた線を守るところまでが設計です。

対応は 3 つあります。

対応使う場面
eBay の販売価格を上げる相場に余裕があり、上げても売れる見込みがある
出品を止める上げられない。赤字で売るよりは止める
仕入れ先を変える同じ商品を別の場所で安く調達できる

いずれも、その日のうちに決めてください。翌日に持ち越した商品に注文が入ると、赤字で発送するか、キャンセルして記録を作るかの二択になります。

価格の見直しそのものの考え方は、価格設定の記事にまとめています。

毎朝は見ないものを決める

在庫管理の朝のチェックが長時間化する原因は、見なくていいものを見ているからです。

ここを決めておかないと、3 つに絞った意味がなくなります。

見るもの頻度理由
表示回数・クリック数週次〜月次1 日の変動には偶然が混ざる。日単位では判断できない
取引不良率・発送遅延率週次〜月次評価は毎月 20 日。毎朝見ても動かない
未解決のケース週次発生したら通知が来る。数字として追う必要はない
売上・手数料の集計月次期間で見る数字。日次で見ても意味を取れない
出品一覧を眺める決めた日に目的なく眺める時間が、いちばん長くなる

評価指標を毎朝見るのは、いちばんありがちな時間の使い方です。 動かない数字を毎日開いても、判断は増えません。

見てしまう理由も分かります。気になるからです。 アカウントの状態は、悪くなっていないか毎日確かめたくなります。ただ、毎朝見て安心する時間は、その日にできることを 1 つも増やしていません。悪くなっているなら原因は 3 つの数字の側にあるので、そちらを潰すほうが早く効きます。

同じ理由で、売上を毎朝眺めるのも外しています。伸ばすための行動は朝のチェックの外にあるので、朝に見ても手は動きません。

これらは出品者ハブの画面で確認できます。画面の使い方そのものは、別の記事にまとめています。

週に一度だけ見るもの

毎朝から外したものを、どこで見るか。曜日を決めて週に一度にするのが扱いやすい形です。

  • 評価の指標が悪い方向に動いていないか
  • 表示回数が落ちている出品はないか
  • 長く動いていない出品はないか

この時間を取らないと、毎朝の 3 つが「作業」になります。 朝は緊急のものだけを処理して、方向を決めるのは週に一度。この分け方なら続きます。

週次で見るときのコツは、前の週と比べることです。単月の数字だけを見ても、良いのか悪いのかが分かりません。「先週より悪くなっているか」だけを見れば、判断は 1 分で済みます。

月に一度は、もう少し引いて見る時間も要ります。扱っている商材が全体としてどうなっているか、仕入れ先の構成が偏っていないか。 この時間は在庫管理というより、事業の方向の話になります。

頻度で分ける — 毎朝 3 つの数字と、その場での対応(今日中に損が確定し得るものだけ。緊急かどうかで選ぶ)、週に一度 評価の指標と、動いていない出品(前の週と比べる。悪くなっているかだけ見れば 1 分で済む)、月に一度 商材の構成と仕入れ先の偏り(在庫管理というより、事業の方向を決める時間)、毎月 20 日 eBay 側が出品者の基準を評価する(3 か月で 400 件未満なら、過去 12 か月がまとめて対象になる)、朝は緊急のものだけ。方向を決めるのは週に一度

見たあとに何をするか

数字を見るだけでは終わりません。3 つそれぞれについて、その場で完了させる行動を決めておきます。

数字 1 で見つけたもの → そのまま数字 2 の対象になります。止めるところまでやってから次へ進んでください。「あとで止める」は、翌朝の数字 2 に残ります。

数字 2 で残っていたもの → 数量を 0 にします。すでに注文が入ってしまっている場合は、別の仕入れ先で調達できるかを確認し、できなければ買い手に早めに連絡します。

数字 3 で見つけたもの → 価格を直すか、止めるか、仕入れ先を変えるか。保留にしないでください。 判断を翌日に送ると、その日のうちに注文が入る可能性があります。

3 つに共通するのは、朝のうちに完了させることです。「見る」と「やる」を分けると、やるほうが翌日に流れます。件数が少ない日ほど、その場で終わらせやすくなります。

逆に、件数が多くて朝のうちに終わらない日もあります。その場合は、止めるところまでは全件やって、価格の判断だけ後回しにするという優先順位にしてください。止めていない商品は注文を受け付けますが、価格の判断待ちの商品は、少なくとも赤字と分かった状態で止められます。

キャンセルするときに注意すること

在庫が無いのでキャンセルして返金する場合、知っておく必要のある挙動があります。

返品またはキャンセルされた注文に対して購入者に返金を行うと、その商品は自動的に再出品されます

返金したら、出品が復活します。 在庫が無いのでキャンセルしたのに、また買える状態に戻るということです。返金の操作をするときに、「商品を再出品」のチェックを外してください。

朝に見る意味は、時差からも来ている

なぜ朝なのか、という点にも触れておきます。

日本の仕入れ先の在庫は、日本時間で動きます。夜のうちに売れた商品は、朝の時点で消えています。朝一番に見れば、前の晩の変化をまとめて拾えます。

もうひとつ、朝に見ることの利点があります。その日のうちに対応できる時間が残っていることです。夜に確認すると、止める作業はできても、代替の仕入れ先を探したり、仕入れ先へ問い合わせたりする動きは翌日になります。

一方、買い手の多くは海外にいます。日本時間の朝は、たとえば米国の西海岸なら前日の午後にあたります。買い手が活動している時間と、こちらが確認できる時間はずれています。

このずれは、どうやっても消えません。だから「何時が最適か」を突き詰めるより、確認と確認の間隔を短くするほうが効きます。朝だけ見るなら、夜のうちに動いた分は拾えますが、日中に動いた分は翌朝まで残ります。

毎朝見るもの、見ないもの — 毎朝見る: 新しく欠品したもの、まだ止めていないもの、利益が消えたもの、毎朝は見ない: 取引不良率・発送遅延率(評価は毎月 20 日)、表示回数・クリック(日単位では判断できない)、売上・手数料の集計(期間で見る数字)、動かない数字を毎朝開いても、その日にできることは増えない

3つの数字を、どこで見るか

数字の定義は決まりました。次は、実際にどこを見れば分かるのかです。

手作業で回す場合は、次の 3 つを自分で作ることになります。

数字手作業での見方
新しく欠品したもの出品中の商品と仕入れ先の URL を一覧にして、前日の状態と比べる
まだ止めていないもの欠品として記録したもののうち、出品を止めた印が付いていないもの
利益が消えたもの仕入れ値を記録しておき、現在の価格と比べて下限を割ったもの

3 つとも、前の状態が記録されていることが前提です。記録がないと差分は取れず、毎朝すべてを最初から確認することになります。

この「前の状態」は、思っているより多くの項目が要ります。仕入れ先の URL、その時点の在庫、その時点の価格、eBay の出品 ID、止めたかどうか。1 つでも欠けると、その商品については差分が取れません。

表計算ソフトで回している方も多いと思います。件数が少ないうちは十分機能しますが、手で入力している限り、入力を忘れた行は永久に古いままです。破綻の仕方は「時間が足りなくなる」より「記録がずれていく」という形で来ることが多いと感じています。

仕組みに任せる場合は、上の 3 つが画面に出ている状態になります。ただし、その仕組みが何をもって欠品としているかは、自分で決めることになります。この点は検知の記事で扱っています。

3つの数字を手作業で作るには — 新しく欠品したもの(出品と仕入れ先の URL を一覧にして、前日の状態と比べる)、まだ止めていないもの(欠品として記録したうち、止めた印が付いていないもの)、利益が消えたもの(仕入れ値を記録しておき、現在の価格と比べて下限を割ったもの)、前の状態が要る(記録がないと差分は取れず、毎朝すべてを最初から確認することになる)、確認の時間は件数に比例し、差分を見る時間は変化の数に比例する

朝のルーティンを続く形にする

見る対象を決めても、続かなければ意味がありません。続けるための工夫を 3 つ書いておきます。

開く場所を 1 つに固定する。 毎朝どこを開くかを決めておくと、そこにたどり着くまでの迷いが消えます。複数の画面を渡り歩く形にすると、順番が日によって変わり、抜けが出ます。

ゼロだった日を記録する。 3 つの数字がすべてゼロだった日も、確認したことを残しておいてください。やったかどうかを覚えていない状態が、いちばん取りこぼします。

対応まで含めて 1 セットにする。 「見る」と「やる」を分けないでください。見つけたものはその場で片付けるところまでが 1 回のルーティンです。分けると、やるほうが翌日に流れます。

この 3 つは、どれも道具の話ではありません。やり方を決めておくだけで済む部分です。仕組みに寄せる話は、そのあとで考えても間に合います。

逆に言えば、やり方が決まっていない状態で仕組みだけ入れても、続き方は変わりません。毎朝どこを開くかも、見つけたものをその場で片付けるかも、道具が決めてくれる部分ではないからです。まず手で回る形を作って、そのうえで負荷の高い部分を寄せる。この順番が結局いちばん早いはずです。

在庫管理に使える時間から、回せる範囲を決める

朝のチェックにかかる時間は、単純な掛け算で決まります。見に行く先の数 × 確認の頻度。

  • 出品数が増える → 見に行く先が増える
  • 仕入れ先を分散する → 見に行く先が増える
  • 動きの速い商材を扱う → 頻度を上げる必要がある

どこで回らなくなるかは、扱う商材と使える時間で変わります。 他人の品数を基準にしても意味がありません。1 周にかかった時間を測って、必要な頻度を掛けてみてください。

回らなくなったときに起きるのは、時間が延びることではありません。省略が始まります。 「今日は忙しいから明日まとめて」を繰り返すと、止めていない商品が積み上がり、その間ずっと注文を受け付ける状態が続きます。

そして、まとめて対応する日は判断が雑になります。数十件を一度に処理すると、1 件ずつ価格を見て利益を計算する余裕はなくなり、機械的に止めるか、機械的に残すかになります。溜めた分だけ判断の質が下がるという形で、二重に損をします。

時間を目標にすると、この省略が起きます。 「10 分で終わらせる」を目標にすると、見るべきものを見ないで終わらせることになります。目標にすべきなのは時間ではなく、見る対象を絞ることです。

対象が絞れていれば、時間は結果として縮みます。逆に、対象を絞らないまま時間だけ短くすると、見落としが増えます。

3つの数字のもとになる情報を集める

「見に行く先の数 × 頻度」という掛け算のうち、見に行く部分は仕組みに寄せられます。

私たちが開発している Trade Force は、商品・在庫・出品・注文・発送・売上をひとつの画面で管理する定額制の OMS(受注管理システム)です。

仕入れ先のサイトを定期的に巡回するのが在庫監視ツールで、在庫と価格の変化を検知して取り込みます。数字 1 と数字 3 のもとになる情報が、見に行かなくても集まる形になります。取り込んだ在庫と、その変化した履歴が同じ場所に残るので、いつ何が変わったのかも後から追えます。

売れた注文は自動で取り込まれ、入荷と出荷のタスクとして並びます。売上の計上や出荷の処理結果は Slack へ通知できるので、朝に画面を開く前に、何かが起きたかどうかは分かる状態にできます。

一方で、数量を 0 にするのか、価格を直すのか、止めるのかを決めるのはセラーです。 在庫切れを検知して eBay の出品を自動で取り下げる機能は提供していません。数字 2 は、人の作業として残ります。

この記事の構成でいえば、数字 1 と 3 の材料が集まる状態を作り、数字 2 は毎朝の作業として残るという分担です。3 つとも消えるわけではありません。ただ、探しに行く時間は消えます

まとめ

朝のルーティンは、絞るほど続きます。

見るのは 3 つだけです。 新しく欠品したもの、まだ止めていないもの、利益が消えたもの。役割は順に、気づく・止める・損を止めるです。

数字 2 は 1 件も残さないでください。 気づいていても止めていなければ、リスクは残ったままです。止め方は在庫なしオプションが基本で、出品を終了させるのは二度と扱わないと決めたときだけです。迷ったら止める、を既定にしておくと処理が速くなります。

毎朝は見ないものを決めてください。 評価指標は毎月 20 日に評価されるので、日次で見ても動きません。表示回数も日単位では判断できません。週次か月次に回してください。

基準は正確に持っておいてください。 取引不良率 0.5% は最高評価の要件で、標準以下の線は 2% です。標準以下になったときの措置は、落札手数料の追加請求など出品状況に関する制限です。

そして、時間を目標にしないでください。 対象を絞れば時間は縮みます。時間だけ短くすると、見落としが増えます。

最後に、この記事で扱わなかったことを書いておきます。在庫切れをどう検知するかという仕組みの中身は書いていません。 何を観測して、何をもって欠品とするか。この部分は別の記事の担当です。

そして、在庫管理という業務の全体像も別の話になります。この記事は日次の運用だけを扱いました。仕入れから出品、在庫、発送までをどう設計するかは、もう一段引いた視点が要ります。

よくある質問

Q1.

3つの数字がいつもゼロなら、確認をやめてもいいですか

A1.

やめないほうがいいです。ゼロが続くのは、その期間に変化が無かったということであって、これから変化しないという意味ではありません

ただし、頻度は下げられます。動きの遅い商材だけを扱っていて、数か月ゼロが続いているなら、毎日でなくてもよいかもしれません。

判断の材料は、確認の間隔の中で注文が入る確率です。週に 1 件しか売れない商材なら、確認と確認の間に注文が入る確率も低くなります。扱う商材が変わったら、頻度も見直してください。

Q2.

朝以外の時間に確認してもいいですか

A2.

構いません。大事なのは時刻より間隔です。

ただし、日本の仕入れ先の在庫は日本時間で動くので、夜のうちの変化をまとめて拾える朝には利点があります。逆に、買い手の多くは海外にいるので、こちらが寝ている間にも注文は入ります。

このずれは消せません。何時に見るかを突き詰めるより、確認と確認の間隔を短くするほうが効きます。

Q3.

土日も確認する必要がありますか

A3.

買い手は曜日に関係なく注文しますし、仕入れ先の在庫も土日に動きます。確認しない日が続くほど、その間のリスクは積み上がります。

一方で、毎日欠かさず確認するのが現実的でない場合もあります。その場合は、確認しない日があることを前提に設計するほうがいいと考えています。動きの速い商材だけ出品を絞る、確認できない期間は特定の仕入れ先の商品を止めておく、といった形です。

「本当は毎日やるべきだができていない」という状態が、いちばん取りこぼします。

Q4.

取引不良率は毎朝見なくていいのですか

A4.

見なくて構いません。評価は毎月 20 日に行われるので、毎朝見ても数字はほとんど動きません。

週に一度、曜日を決めて確認するくらいで十分です。悪い方向に動いている週だけ、原因を追ってください。

なお、取引が少ないうちは過去 12 か月がまとめて対象になります。数字が動きにくいのは、母数が大きいからでもあります。 動いたときには、すでに何件か積み上がっていると考えてください。

Q5.

利益率の下限は何%にすればいいですか

A5.

自分で決めてください。扱う商材、送料、作業にかけている時間によって変わります。

決め方としては、「この率を割ったら、売る意味がない」と言える線を探すことになります。手数料と送料を引いたあとに何円残るか、その金額で梱包と発送の手間が見合うか。ここから逆算してみてください。

他人が使っている閾値をそのまま持ってきても、自分の損益とは関係ありません。

Q6.

旅行や出張で数日確認できないときはどうすればいいですか

A6.

確認できない期間があること自体は避けられません。その期間に注文を受け付ける出品を減らしておくのが現実的な備えです。

具体的には、動きの速い商材や、在庫が消えやすい仕入れ先の商品を、出発前に数量 0 にしておきます。戻ってから数量を戻せば、出品そのものは残ります。

出品を全部止める必要はありません。在庫が安定している商材は、そのままでも問題が起きにくいからです。どの商材が安定しているかは、普段の記録から判断できます。

なお、eBay には販売を一時的に止める設定もあります。長期間の不在なら、そちらも選択肢になります。

Q7.

朝のチェックで見つかった問題を、記録しておく必要はありますか

A7.

記録しておくと、同じことが繰り返し起きているかどうかが分かります。

特定の仕入れ先で欠品が続いているなら、その仕入れ先の扱いを見直す材料になります。特定の商材ばかり価格が動くなら、扱う商材の方を考え直すことになります。

毎朝の対応だけをしていると、その場は片付くけれど原因が残ります。週に一度の見直しで使うために、何が起きたかは残しておいてください。

Q8.

表計算ソフトで管理していますが、限界を感じています

A8.

破綻の仕方は 2 つあります。時間が足りなくなるのと、記録がずれていくのとです。

前者は、1 周にかかる時間を測れば見えます。後者のほうが厄介で、入力を忘れた行はそのまま古い状態で残り続けます。気づかないまま「確認済み」に見えている行が増えていくのが、いちばん危ない状態です。

まず、記録の更新を作業の一部にしてください。止めたら止めたと書く、価格を見たら見たと書く。ここが自動的に残る形にできれば、表計算のままでも当分は回ります。

Q9.

止め忘れた商品に注文が入ってしまいました

A9.

まず、別の仕入れ先で調達できるかを確認してください。調達できて利益が出るなら、そのまま発送するのがいちばん損が小さくなります。

調達できない、あるいは赤字になる場合は、買い手に早めに連絡してからキャンセルします。連絡が早いほど印象は悪くなりにくくなります。

そのうえで、返金するときに「商品を再出品」のチェックを外してください。外し忘れると、在庫が無いままその出品が復活します。

参照リンク

本記事で参照した eBay 公式のページです。基準や仕様は変更されることがあるため、実際の運用にあたっては最新の内容をご確認ください。

この記事を書いた人

Trade Force 運営チーム

Trade Force 運営チーム

越境EC向け販売管理ツール「Trade Force」の運営チーム。自らも eBay で日本のトレーディングカードを販売しており、現場の実体験に基づく情報を発信しています。

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