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eBay在庫切れの自動取り下げ|検知の仕組みと、取り下げる前の選択肢

この記事の3行要約

  • 検知は「観測・定義・遅延・反映先」の4つに分解できる。どれも自動化しても消えない
  • 誤検知は2方向あり、止めすぎる損より見逃す損のほうが重い
  • 在庫切れ = 出品終了ではない。数量0で検索から外せば、積み上げは残る
目次

はじめに

仕入れ先で商品が売り切れた。でも eBay の出品はそのまま残っている。

この状態を放っておくと、いつか注文が入ります。仕入れられないのでキャンセルすることになり、それは記録に残ります。在庫を持たずに売る形では、この経路が構造的に開いています。

在庫を持っている場合でも、同じことは起きます。複数の場所で同じ在庫を売っていれば、片方で売れた分がもう片方に反映されるまでの間、売り越しの余地が残ります。手元に在庫があるかどうかではなく、出品と実在庫がずれる余地があるかどうかの問題です。

だから「在庫切れを検知して、自動で取り下げる」という発想が出てきます。方向としては正しいのですが、実際にやろうとすると、決めなければいけないことがいくつも出てきます。何を見て、何をもって在庫切れとするのか。検知したら何をするのか。間違えたときはどうなるのか。

この記事では、この仕組みを構成要素に分解します。ツールを使うにしても手でやるにしても、同じ問いに答えることになるからです。そのうえで、「取り下げる」以外の選択肢が公式に用意されていることを説明します。

先に断っておくと、特定のツールの機能紹介はしません。 仕組みとして何が起きているかが分かれば、どのツールを使うにしても設定の意味が読めるようになります。逆に、仕組みを知らないまま設定を触ると、なぜ止まったのか、なぜ止まらなかったのかが分からなくなります。

放置したときに、実際に何が記録されるのか

先に、避けたい結果のほうを正確にしておきます。ここは日本語の記事で誤って書かれていることが多い部分です。

在庫が無いままキャンセルすると、取引不良率(Defect Rate)に算入されます。公式の定義はこうです。

eBay は以下のいずれかの場合に取引不良としてカウントします。出品者が予期せず注文をキャンセルした場合(在庫がなかった、他の人に販売したなど)。購入者が問題を報告したが、出品者が解決しない場合。

そして、基準は次のとおりです。

項目最低限の要件
出品者が解決せずに終了したサポート案件2 件(または取引の 0.3%)以下
取引不良率取引の 2% 以下
キャンセル率1%・2%という独立した基準はありません

「セラー都合のキャンセル率が 2% を超えると Below Standard」という説明を見かけますが、現行の公式基準にキャンセル率という独立した項目はありません。在庫切れによるキャンセルは取引不良率に算入されます。あわせて、4 人以上の異なる購入者に関連する取引不良がある場合にのみ標準以下と評価される、という条件が付いています。

もうひとつ、段階を混ぜないでください。

  • 取引不良率 0.5% 以下(3 人以下の異なる購入者) ── 最高評価出品者になるための要件
  • 取引不良率 2% 以下 ── 標準以下にならないための最低限
  • 標準以下になったとき ── パフォーマンスが向上するまで、落札手数料の追加請求など出品状況に関する制限が課される場合がある

出品者のレベルがどう決まるか、制限を受けたあとにどうなるかは、別の記事にまとめています。

「0.5% を超えると最終的にアカウント停止」という書き方を見かけますが、最高評価を失うことと、標準以下になることと、アカウントが止まることは、それぞれ別の段階です。

分母が小さいうちは、1件が重い

評価の対象期間には規定があります。

過去 3 ヶ月の取引が 400 件以上である場合は、すべての取引をカウントします。過去 3 ヶ月の取引が 400 件未満である場合は、過去 12 ヶ月のすべての取引をカウントします。

評価は毎月 20 日です。取引が少ないうちは過去 12 か月がまとめて対象になるので、数件のキャンセルでも率が跳ねます。しかも、その 1 件は 1 年近く残り続けます。

在庫切れの検知は、作業を減らすための仕組みではありません。取り返しのつかない記録を作らないための仕組みです。

見逃したときに記録されること — 取引不良に算入される(在庫がなくてキャンセルした注文が対象。基準は取引の 2% 以下)、4 人以上でのみ標準以下(同じ買い手からの複数注文だけでは判定されない)、評価は毎月 20 日(3 か月で 400 件未満なら、過去 12 か月がまとめて対象になる)、標準以下になると制限が付く(落札手数料の追加請求など、出品状況に関する制限)、記録は消せない。分母が入れ替わるまで残る

欠品の検知は、4つの問いに分解できる

「自動で検知して取り下げる」を実際に組もうとすると、決めることが 4 つ出てきます。ツールを使う場合も、その中で誰かがこれを決めています。

1. 何を観測するか

見るのは仕入れ先のページです。ただし、ページの何を見るかで結果が変わります。

  • 在庫の表示 ── 在庫数が出ているサイトなら、それが最も素直
  • 購入できるかどうか ── カートに入るか、購入ボタンが生きているか
  • 価格 ── 在庫があっても、価格が上がっていれば売ってはいけない状態になり得る

3 つ目が抜けている運用をよく見かけます。在庫の有無だけを見ていると、仕入れ値が上がった商品を売り続けることになります。検知する対象に価格を入れるかどうかは、最初に決めておいてください。

観測できないものもあります。その商品が「いつまであるか」は、ページからは分かりません。 残り 1 個と表示されていても、次の瞬間に売れるかもしれませんし、明日も残っているかもしれません。観測できるのは現在の状態だけで、未来は推測になります。この限界は、どんな仕組みでも同じです。

2. 何をもって在庫切れとするか

これがいちばん難しい部分です。「売り切れ」の表れ方は、サイトによっても状況によっても違います。

状態欠品として扱うか
商品ページそのものが消えたほぼ確実に欠品
在庫数が 0 と表示された欠品
カートに入らなくなったおそらく欠品。ただし数量制限のこともある
取り寄せ・入荷待ちの表示に変わった判断が分かれる。 発送準備期間に間に合うかによる
ページが開かない欠品とは限らない。 サイト側の一時的な問題かもしれない

下 2 つが厄介です。取り寄せ表示を欠品として扱えば止めすぎ、扱わなければ発送が遅れます。 ページが開かないだけで止めると、サイトのメンテナンスのたびに出品が止まります。

実務的な逃げ方として、「同じ状態が続いたら欠品として扱う」という時間の条件を足す方法があります。1 回の観測で判断せず、何回か続けて同じ結果なら止める、という形です。一時的な表示の揺れを吸収できる代わりに、本当に売り切れたときの反応が遅くなります

ここでも、決めるのは自分です。どちらの誤りをより避けたいかで条件が変わります。

この定義を決めるのは、ツールではなくセラーです。 扱う商材と、自分の発送準備期間から決めることになります。ツールの設定画面に並んでいる項目は、この判断を書き込む場所であって、答えではありません。

3. いつ気づくか

観測には間隔があります。1 時間おきに見るなら、最悪で 1 時間気づきません。1 日 1 回なら 1 日です。

「検知した瞬間に取り下げる」という表現をよく見ますが、変化から検知までの時間は必ず残ります。 この間に注文が入る可能性は、ゼロにはできません。

間隔を短くすれば遅延は減りますが、見に行く回数が増えます。仕入れ先のサイトに負荷をかける形でもあるので、際限なく短くはできません。

現実的には、商材の動きの速さに合わせることになります。1 日に何度も在庫が動く商材と、月に数件しか動かない商材を、同じ間隔で見る必要はありません。

もうひとつ考えたいのが、自分の側の反応の速さです。検知が 1 時間おきでも、通知を見るのが 1 日 1 回なら、実質の遅延は 1 日です。検知の間隔だけ短くしても、その先が詰まっていれば意味がありません。

4. 気づいたら何をするか

ここで選択肢が分かれます。次の章で詳しく扱いますが、「終了させる」だけが答えではありません

誤検知は2方向あり、コストが非対称

検知の仕組みを考えるとき、いちばん大事な観点がこれです。

間違え方は 2 つあります。

見逃す ── 在庫が無いのに気づかない

  • 注文が入り、仕入れられない
  • キャンセルすると取引不良に算入される
  • 記録は評価期間のあいだ残り続ける
  • 買い手にも迷惑がかかる

止めすぎる ── 在庫があるのに止める

  • その間、売れる商品が売れない
  • 検索結果から外れる
  • 気づけば戻せる
  • 記録には何も残らない

左のほうが重いです。 右は機会損失で、時間が経てば取り返せます。左は記録に残り、消えるまで待つしかありません。しかも、取引数が少ないうちは 1 件の重みが大きく、その記録は過去 12 か月にわたって残ります。

だから、検知の設計は左に倒すのが基本になります。判断に迷う状態(取り寄せ表示、ページが開かない)は、欠品側に寄せて止めておくほうが安全です。

ただし、止めすぎにもコストはあります。頻繁に止めては戻すを繰り返すと、その出品はほとんど検索結果に出ません。バランスは商材によって変わるので、「安全側に倒す」を絶対のルールにはしないでください。

商材の単価でも判断が変わります。単価が高い商品ほど、見逃したときの損が大きくなります。キャンセル 1 件の記録は単価に関係なく同じですが、失う売上は違います。逆に、単価の低い商品を止めすぎても、失うものはそれほど大きくありません。

単価が高いものは安全側へ、低いものは緩めに。 同じ条件を全商品に当てるより、この分け方のほうが実態に合うことが多いです。

取り下げる前に、在庫なしという選択肢がある

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。

在庫が切れたときに「出品を終了する」以外の方法が、eBay 側に用意されています。在庫なし(Out of Stock)オプションです。

出品の数量がゼロになった場合でも(すべての商品が売れた場合、または数量を調整した場合)、出品は変わらず進行中で維持されますが、検索結果には表示されなくなります。販売可能な商品の数量を増やすと、出品は検索結果に再度表示されます。

買えない状態にすることと、出品を消すことは別です。 在庫なしなら、数量を 0 にするだけで買われなくなります。出品そのものは残ります。

公式も、この設定について次のように案内しています。

GTC(継続)出品で在庫なしオプションを使用すると、在庫なしによる取引上の不具合を避けるのに役立ちます

終了させると何が失われるか

出品を終了させて、在庫が戻ってから出し直すと、それは新しい出品になります。前の出品に積み上がっていたものは付いてきません。

公式は「出品の販売履歴は、ベストマッチ検索結果での位置を決定する要因の 1 つです」と明記しています。終了と再出品を繰り返す運用は、在庫が戻るたびに積み上げをゼロに戻していることになります。

手数料もかかります。手動で再出品すると、公式は元の出品と手動再出品の両方に基本出品料を請求すると書いています(再出品した商品が売れた場合は返金を申請できます)。加えて、再出品されてからサイトに表示されるまで数時間かかることがあるとも明記されています。

在庫なしで残す運用の制約

万能ではないので、制約も押さえておいてください。

  • 設定は既存および今後のすべての一括出品に適用される(無効にするまで)
  • 数量が 180 日間連続でゼロなら、eBay 側で出品を終了する
  • 在庫なしを有効にして請求期間全体で数量ゼロなら、基本出品料などの返金対象になる場合がある
  • GTC 出品は、売れるか終了するまで毎月基本出品料が請求される
  • 販売中の出品は出品限度に含まれる

入荷の見込みがあるなら在庫なし、二度と扱わないなら終了。 この線引きが素直です。

なお、出品を終了させることと再出品することが検索評価にどう関わるかは、別の記事で扱っています。

止め方で、戻し方が決まる — 在庫なしで数量 0 にする: 出品は進行中のまま、検索から外れる、数量を戻すだけで再表示される、積み上がった販売履歴が残る、出品を終了する: 戻すには再出品が必要になる、販売履歴は引き継がれない、元の出品と再出品の両方に出品料、入荷の見込みがあるなら在庫なし。二度と扱わないなら終了

在庫が戻ったときに、何をするか

検知の仕組みは、止めるところだけでは完成しません。戻すところまでが対になっています。

在庫なしで残していた場合は、数量を戻すだけです。出品の修正から数量を編集すれば、検索結果に再表示されます。積み上げも残っています。

終了させていた場合は、再出品することになります。このとき販売履歴は引き継がれません。止め方の選択が、戻し方のコストを決めているということです。

戻すときに確認したいことが 2 つあります。

仕入れ値が変わっていないか。 在庫が戻ったからといって、同じ価格とは限りません。戻す前に価格を見ないと、赤字の出品を自分で再開することになります。

同じ商品を戻しているか。 型番違いや状態違いが同じ棚に並ぶ商材では、戻ってきたものが同一とは限りません。中古品では特に、同じページに別の個体が並ぶことがあります。

戻す判断は、止める判断より雑になりがちです。止めるときは損を避ける意識が働きますが、戻すときは「元に戻すだけ」と感じるからです。戻すのは、新しく出品するのと同じ判断だと考えてください。

意図しない復活に注意する

もうひとつ、知らないと事故になる挙動があります。

返品またはキャンセルされた注文に対して購入者に返金を行うと、その商品は自動的に再出品されます。 自動再出品を希望しない場合は、返金を行う際に「商品を再出品」または「キャンセル後に商品を再出品」ボックスのチェックを外してください。

在庫が無いのでキャンセルして返金したら、その出品が復活する。 在庫切れの文脈では、これは避けたい動きです。返金の操作をするときに、チェックを外してください。

キャンセルの理由の選び方によって記録のされ方が変わる点は、別の記事で扱っています。

検知の精度は、あとから測れる

仕組みを組んだあと、それがうまく動いているかをどう確かめるか。2 つの数字を見れば分かります。

止めたのに在庫があった件数。 止めすぎの方向です。これが多いなら、判定の条件が厳しすぎます。取り寄せ表示やページ不通を欠品として扱っている場合に増えます。

止められないまま注文が入った件数。 見逃しの方向です。これが出ているなら、観測の間隔か判定の条件のどちらかが合っていません。

どちらもゼロにはなりません。 目指すのは、2 つの合計が許容できる範囲に収まっていることです。そして、前に書いたとおりコストは非対称なので、後者を優先して減らすことになります。

数字を取っていないと、この調整ができません。条件を変えたときに良くなったのか悪くなったのかが分からないからです。検知の仕組みを持つなら、結果を記録するところまでを含めて考えてください。

手でやるか、仕組みに任せるか

ここまでの 4 つの問いは、自動化しても消えません。ツールを使う場合、これらは設定として現れます。

問い手でやる場合仕組みに任せる場合
何を観測するかページを開いて見る何を取得するかの設定
何をもって欠品とするかその場で判断する判定の条件として事前に決める
いつ気づくか見に行ったとき巡回の間隔
気づいたら何をするかその場で操作する動作の設定

違いは「判断を先に決めるか、その場で決めるか」です。 自動化は判断を消すのではなく、前倒しにします。

この見方をすると、「自動化すべきかどうか」という問いの立て方が変わります。判断を条件として書き出せるかどうかが分かれ目になるからです。書き出せるなら任せられますし、書き出せないなら、いま自分が何を見て決めているのかがまだ言語化できていない、ということになります。

手でやることの利点は、その場の状況を見て決められることです。取り寄せ表示に変わった商品を、発送準備期間と照らして「今回は間に合う」と判断できます。仕組みに任せると、この判断は条件として固定されます。

一方、手でやることの限界もはっきりしています。見に行かなければ気づけません。 夜間も休日も在庫は動きますし、見に行く先が増えるほど 1 周に時間がかかります。

負荷の構造は単純です。見に行く先の数 × 頻度。出品数を増やし、仕入れ先を分散し、動きの速い商材を扱う。この 3 つを同時に進めると、どこかで追いつかなくなります。

どこで追いつかなくなるかは、扱う商材と使える時間で変わります。 他人の品数を目安にしても意味がありません。1 周にかかる時間を測って、必要な頻度を掛けてみてください。

もうひとつ、見落とされやすい点があります。手でやる運用は、件数が増えると精度も落ちます。 時間がかかるだけなら我慢できますが、急いで見た 1 周は、丁寧に見た 1 周と同じ結果になりません。時間が足りない状態で回数を維持しようとすると、見落としが増えるという形で表れます。

検知したあとの操作は、誰かがやることになる

もうひとつ、設計上の分かれ目があります。検知した結果を、誰が eBay に反映するかです。

在庫の変化を知ることと、eBay の出品を変えることは、別の動作です。前者は仕入れ先側の話で、後者は eBay 側の話になります。この 2 つをつなぐ部分が在庫の連動と呼ばれます。

つなぎ方は 3 通りあります。

  1. 人が見て、人が操作する ── 最も柔軟。件数が増えると回らない
  2. 仕組みが知らせて、人が操作する ── 気づく部分だけ任せる。判断は残る
  3. 仕組みが知って、仕組みが操作する ── 手はかからない。判断が条件に固定される

3 番目が理想に見えますが、判断を条件に落とし切れるかどうかが前提になります。前述の「取り寄せ表示をどう扱うか」のような、商材ごとに答えが変わる部分を条件化できていないと、止めすぎか見逃しのどちらかが増えます。

2 番目を選ぶセラーは多いと思います。 気づく部分は人力では限界があり、判断は人が持っていたい。この分け方は現実的です。

3 番目を目指すなら、まず 2 番目で運用してみて、自分がどう判断しているかを記録するのが順当な進め方です。判断の条件は、机の上では書けません。実際に迷った場面を集めないと、条件として何を書けばいいかが分かりません。

逆に、1 番目のまま件数を増やすのはおすすめしません。気づく部分は集中力で解決する種類の問題ではないからです。疲れていれば見落としますし、休んでいる間も在庫は動きます。

検知と操作の分け方 — 人が見て、人が操作する(最も柔軟。ただし見に行かなければ気づけず、件数で精度も落ちる)、仕組みが知らせて、人が操作する(気づく部分だけ任せる。判断は手元に残る)、仕組みが知って、仕組みが操作する(手はかからない。判断を条件に落とし切れることが前提)、条件は、迷った場面から作る(机の上では書けない。実際の判断を記録してから条件にする)、自動化は判断を消さない。前倒しにするだけ

気づくところと、判断するところを分ける

前節の 2 番目にあたる形について、私たちが作っているものを紹介します。

私たちが開発している Trade Force は、商品・在庫・出品・注文・発送・売上をひとつの画面で管理する定額制の OMS(受注管理システム)です。

在庫監視ツールが仕入れ先のサイトを定期的に巡回し、在庫と価格の変化を検知して取り込みます。この記事の 4 つの問いでいえば、1 番目(何を観測するか)から 3 番目(いつ気づくか)までを引き受ける部分です。取り込まれた在庫は画面と履歴で追えるので、いつ何が変わったのかも残ります。

4 番目 ── 気づいたあとに eBay の出品をどうするかは、人が決めます。 在庫なしにするのか、価格を直すのか、出品を止めるのか。在庫切れを検知して eBay の出品を自動で取り下げる機能は提供していません。

取り込まれた在庫と、eBay の出品と、売れた注文が同じ画面に並ぶので、判断に必要な材料は 1 か所に集まります。どの商品がどの仕入れ先から来ていて、いま何が変わったのか。これが分かれば、あとの操作は難しくありません。

この記事の主題からすると物足りない答えかもしれません。ただ、判断の条件化がいちばん難しい部分だというのが、ここまで書いてきた内容でもあります。気づく部分を仕組みに寄せて、判断は手元に置く。いまはその形です。

まとめ

在庫切れの検知は、道具の話に見えて、決めごとの話でした。

放置したときの記録を正確に知っておいてください。 在庫切れのキャンセルは取引不良率に算入され、基準は 2% 以下、4 人以上の異なる購入者に関連する場合に標準以下となります。キャンセル率という独立した基準はありません。

検知は 4 つに分解できます。 何を観測するか、何をもって欠品とするか、いつ気づくか、気づいたら何をするか。自動化しても、この 4 つは消えません。 設定として現れるだけです。

誤検知は 2 方向あり、コストが非対称です。 見逃す損は記録に残り、止めすぎる損は取り返せます。判断に迷う状態は、欠品側に寄せるほうが安全です。

在庫切れ = 出品終了ではありません。 在庫なしオプションを使えば、数量 0 で検索から外しつつ出品を残せます。終了させると積み上げが消え、再出品には手数料もかかります。

止め方が、戻し方のコストを決めます。 在庫なしなら数量を戻すだけ。終了させていれば、再出品して積み上げ直すことになります。

そして、返金すると出品が自動的に再出品されます。 在庫が無いままキャンセルするときは、チェックを外すのを忘れないでください。

最後に、この記事で扱わなかったことを書いておきます。具体的なツールの比較はしていません。 どのツールを使うにしても、この記事の 4 つの問いは設定として現れます。設定項目を見て何を決めているのか分かる状態になっていれば、比較の軸は自分で作れます。

そして、毎日どう回すかも別の話です。この記事は仕組みの側の話で、日々の運用に落とすところは扱っていません。

よくある質問

Q1.

在庫切れの商品は、すぐに出品を終了させるべきですか

A1.

入荷の見込みがあるなら、終了させないほうが有利です。在庫なしオプションを有効にしていれば、数量を 0 にするだけで検索結果から外れ、出品は進行中のまま残ります。

終了させると、その出品に積み上がっていた販売履歴は新しい出品には引き継がれません。手動で再出品すると、元の出品と再出品の両方に基本出品料が請求されます(売れた場合は返金を申請できます)。

二度と扱わない商品なら、終了させて枠を空けるほうがすっきりします。

Q2.

キャンセル率が何%を超えると危ないですか

A2.

「キャンセル率」という独立した基準は、現行の公式の出品者基準にはありません。在庫切れによるキャンセルは取引不良率に算入され、その最低限の要件は取引の 2% 以下です。

あわせて、4 人以上の異なる購入者に関連する取引不良がある場合にのみ標準以下と評価される、という条件が付いています。

なお、取引不良率 0.5% 以下(3 人以下の異なる購入者)は最高評価出品者の要件です。最高評価を失うことと、標準以下になることは別の段階です。

Q3.

取り寄せ表示に変わった商品は、欠品として扱うべきですか

A3.

商材と自分の発送準備期間によります。取り寄せの日数を足しても発送準備期間の内側に収まるなら、そのまま出しておけます。収まらないなら、止めておくほうが安全です。

判断が付かないときは、止める側に寄せることをおすすめします。止めすぎた場合の損は機会損失で取り返せますが、見逃した場合の損は記録に残ります。

Q4.

在庫が戻ったら、すぐ再開していいですか

A4.

戻す前に価格を確認してください。在庫が戻ったからといって、仕入れ値が同じとは限りません。上がっていれば、赤字の出品を自分で再開することになります。

在庫なしで残していた場合は、数量を戻すだけで再表示されます。終了させていた場合は再出品になり、販売履歴は引き継がれません。

Q5.

キャンセルして返金したら、出品が復活していました

A5.

仕様どおりの動きです。公式は「返品またはキャンセルされた注文に対して購入者に返金を行うと、その商品は自動的に再出品されます」と書いています。

在庫が無いままキャンセルする場合は、返金の操作をするときに「商品を再出品」または「キャンセル後に商品を再出品」のチェックを外してください。

外し忘れて復活した出品は、そのまま置いておくとまた注文が入ります。気づいた時点で数量を 0 にするか、終了させてください。

Q6.

どれくらいの間隔で確認すればいいですか

A6.

商材の動きの速さに合わせてください。1 日に何度も在庫が動く商材と、月に数件しか動かない商材を、同じ間隔で見る必要はありません。

判断の材料は、確認と確認の間に注文が入る確率です。週に何件も売れる商材を週 1 回しか確認しないなら、その間に欠品する余地が大きく残ります。

もうひとつ、自分の側の反応の速さも間隔のうちです。検知が 1 時間おきでも、通知を見るのが 1 日 1 回なら実質の遅延は 1 日です。検知だけ速くしても、その先が詰まっていれば意味がありません。

Q7.

価格の変動も検知の対象にすべきですか

A7.

入れておくことをおすすめします。在庫があっても、仕入れ値が上がっていれば売ってはいけない状態になり得るからです。

在庫の有無だけを見ていると、値上がりした商品を売り続けることになります。この場合、注文が入った時点で赤字と分かるので、赤字で発送するかキャンセルするかの二択になります。

どちらも避けたいので、在庫と価格は同じ扱いで見ることになります。どこまでの値上がりを許容するかは、自分の下限から決めてください。

Q8.

複数の仕入れ先から同じ商品を仕入れている場合はどうなりますか

A8.

どれか 1 つで在庫が切れても、他で調達できるなら止める必要はありません。逆に言えば、「どの仕入れ先が切れたら止めるのか」を決めておく必要があります

素直な形は、優先する仕入れ先を決めておいて、そこが切れたら次を見る、という順番にすることです。すべてが切れたときだけ止めるという条件にすれば、止めすぎは減ります。

ただし、代替の仕入れ先の価格が高ければ、在庫があっても売ってはいけない状態になり得ます。在庫の有無だけでなく、価格も条件に入れる必要が出てくるのはこの場面です。

Q9.

自動化すれば在庫切れの見落としはゼロになりますか

A9.

なりません。観測には間隔があるので、変化から検知までの時間は必ず残ります。その間に注文が入る可能性はゼロにできません。

また、「何をもって在庫切れとするか」の定義は、自動化しても誰かが決める必要があります。条件を決めるのはセラーで、仕組みはその条件どおりに動くだけです。

自動化で変わるのは、見に行かなくても気づけるようになることと、判断を事前に決めておくことになることの 2 点です。

参照リンク

本記事で参照した eBay 公式のページです。仕様やポリシーは変更されることがあるため、実際の運用にあたっては最新の内容をご確認ください。

この記事を書いた人

Trade Force 運営チーム

Trade Force 運営チーム

越境EC向け販売管理ツール「Trade Force」の運営チーム。自らも eBay で日本のトレーディングカードを販売しており、現場の実体験に基づく情報を発信しています。

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