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米国向け関税の前払い(Zonos Prepay)|一律10%は2026年7月に終了

この記事の3行要約

  • 郵便小包に適用されていた一律10%のサーチャージは2026年7月24日に失効した
  • いまは郵便にも商業貨物と同じ関税構造が適用され、HTS分類と原産国で税率が決まる
  • 日本郵便は2026年4月14日に米国宛てを再開。100ドル超は指定郵便局のみで、Zonosでの前払いが必要
目次
この記事は2026年8月16日時点の情報です

米国の関税制度は、2025 年から 2026 年にかけて何度も変わっています。半年前の情報がすでに古い、という状況が続いています。

この記事は調査時点の内容をまとめたものです。実際に発送する前に、必ず日本郵便・Zonos・eBay の公式の案内で最新の扱いを確認してください。

はじめに

米国向けの発送は、この 1 年で完全に別物になりました。

かつては 800 ドル以下なら実質的に無税で通っていました。だから「米国向けは関税を気にしなくていい」という前提で価格を決められました。

その前提は、もうありません。いまは価格にかかわらず輸入関税の対象で、しかも関税は発送前に払うという運用になっています。

さらに厄介なのは、制度が短い間隔で変わっていることです。検索して出てくる記事の多くが、すでに古い料率を前提にしています。

この記事では、いま何がどうなっているのかを時系列で整理し、日本郵便で送るときの手順まで落とします。

de minimis 撤廃から、何がいつ変わったのか

まず全体像です。日付で押さえるのが一番確実です。

時期何が起きたか
〜2025 年 8 月800 ドル以下は少額免税(de minimis)で実質無税
2025 年 8 月 29 日〜少額免税が使えなくなった。価格にかかわらず課税の対象に
2026 年 2 月 24 日〜郵便小包に一律 10% のサーチャージ(Section 122)が適用された
2026 年 4 月 14 日〜日本郵便が指定する郵便局で米国宛ての引受を再開
2026 年 7 月 24 日〜一律 10% が失効。郵便にも商業貨物と同じ関税構造が適用されるように
「郵便は一律10%」という説明は、2026年7月24日をもって過去のものになりました。

いま検索すると、この一律 10% を現行として書いている記事がまだ多く残っています。その前提で価格を組むと、想定と実際の関税がずれます。

米国向けの関税は、いつ何が変わったのか — 〜2025年8月 少額免税(de minimis)が使えた(800 ドル以下は実質無税だった)、2025年8月29日 少額免税が撤廃された(価格にかかわらず課税の対象に)、2026年2月24日 郵便小包に一律 10% が適用された(Section 122 のサーチャージ)、2026年4月14日 日本郵便が米国宛ての引受を再開(指定の郵便局のみ)、2026年7月24日 一律 10% が失効した(郵便にも商業貨物と同じ関税構造が適用されるように)、「郵便は一律 10%」と書いている記事はこの日より前の情報

いまの料率は「一律」ではない

2026 年 7 月 24 日以降、郵便小包にも商業貨物と同じ関税の構造が適用されています。

つまり、HTS(関税分類)と原産国によって税率が決まります。商品ごとに違う、ということです。

これは実務上、大きな変化です。

1 つ目。 商品ごとに 10 桁の HTS コードでの分類が求められるようになりました。「衣類」「おもちゃ」といった大まかな区分ではなく、細かい分類です。

2 つ目。 関税は発送地ではなく原産国で決まります。日本から送っても、その商品の製造国が別の国なら、扱いはそちらに従います。中古品を扱うセラーほど、ここは意識する必要があります。

3 つ目。 一律だった頃と違い、商品によって関税額が読みにくくなりました。価格を決めるときは、実際に前払いのアプリで計算してみるのが確実です。

HTS コードは何を見て決まるのか

いきなり「10 桁の分類」と言われても困る、というのが正直なところだと思います。

HS コードにひもづく分類は、商品の材質・形状・用途で決まります。同じ「バッグ」でも、革製と繊維製では違う分類になります。同じ「おもちゃ」でも、対象年齢や仕組みで分かれることがあります。

実務としては、次の順で進めるのが現実的です。

  1. 前払いのアプリに商品情報を入力する。 分類の候補が提示される仕組みになっていることが多い
  2. 提示された分類が商品と合っているかを確認する。 素材と用途が説明どおりか
  3. 同じ商品を繰り返し送るなら、分類をメモしておく。 2 回目からは迷わない
  4. 判断がつかない高額品は、通関業者に相談する。 迷ったまま送るより確実です
分類を適当に決めない

分類は税率に直結します。安い分類を選べば関税は下がりますが、実態と違う申告は許されません。

「よく分からないから、それらしいものを選んだ」という状態が続くと、いずれ問題になります。扱う商品の分類は、最初の 1 回だけ丁寧に調べて、以後は使い回す。これが手間と正確さの両立点です。

前払いが必要な金額の線

もうひとつ変わったのが、前払いが必要になる金額です。

以前は 800 ドル未満、いまは 2,500 ドル未満の郵便小包について、発送元で関税を徴収する(前払いする)必要があります。

2,500 ドル以下の郵便小包については、所有者・購入者、または米国の免許を持つ通関業者による申告が必要とされています。個人セラーが扱う多くの荷物は、この範囲に入ります。

日本郵便で Zonos Prepay を使う手順

米国宛ての引受は 2026 年 4 月に再開した

日本郵便は、2026 年 4 月 14 日以降、指定する郵便局で米国宛ての全ての郵便物の引受を再開しました。

持ち込む郵便局に注意

100 米ドル以下の書状・はがき・印刷物・EMS(書類)、および個人間の贈答品は、全局で受け付けられます。

一方、100 米ドルを超えるものは、全種別が指定郵便局のみの取り扱いです。いつもの窓口に持って行って断られる、ということが起こり得ます。事前に確認してください。

Zonos Prepay で前払いしてから発送するまで

順に見ていきます。

1. 認証された事業者のアプリを使う。 利用者は、CBP(米国税関国境警備局)が認証した事業者のうち、日本郵便が推奨する事業者のアプリケーションを使って手続きします。現在推奨されているのは Zonos 社です。

2. 関税を事前に支払う。 商品情報を入力すると関税額が計算され、それを米国税関へ支払います。アプリの利用には料金がかかります。

3. 申告番号を得る。 支払いが済むと、DDP + 13 桁の申告番号が宛名ラベルに表示される形で発行されます。これが前払いの証明として米国税関へ連携されます。

4. ラベルを作る。 宛名ラベルは、Zonos Prepay のアプリで作成する必要があります。普段のラベル作成の流れとは変わる部分です。

なお、日本郵便はこれらの手続きそのものには関与しないとしています。手続きの疑問は Zonos 側に確認する、という切り分けになります。

申告番号(Declaration ID)は荷物ごとに必要

申告番号は、荷物 1 つにつき 1 つです。使い回しはできません。

つまり、発送のたびに「前払いして番号を取る」という作業が発生します。取引が増えるほど、この手間はそのまま時間になります。発送作業の手順に、最初から組み込んでおいてください。

DDP と DDU、どちらで見せるか

関税を誰がいつ払うかの取り決めです。

DDP(関税元払い)DDU(関税着払い)
誰が払うかセラーが発送前に前払いするバイヤーが到着時に払う
バイヤーの体験購入時に総額が分かる。追加請求がない到着時に想定外の請求が来る
トラブル起きにくい受け取り拒否・低評価が起きやすい

米国向けの郵便は前払いが前提の運用になっているため、実務上は DDP(前払い)で考えるのが基本です。

セラーが関税を負担するといっても、その分は商品価格に織り込めます。大事なのは金額そのものより、支払いのタイミングです。購入時に総額が見えていれば、バイヤーは納得して買います。届いてから請求されると、同じ金額でも不満になります。

eBay 側の表示と、クーリエとの違い

eBay の表示価格には、原則として関税は含まれません。一部の管理された配送プログラムを除き、関税は到着後にバイヤーへ請求される形が基本の設計です。

日本から直送する場合、購入時に総額を見せる仕組みは自分で作ることになります。郵便なら前払い、クーリエなら各社の元払いのサービスです。

クーリエ便(FedEx・DHL・UPS など)は郵便とは別のルールで扱われます。前払いの仕組みも各社のサービスによるので、郵便の手順をそのまま当てはめないでください。発送方法を決めてから、その方法の手続きを確認するのが正しい順序です。

価格にどう織り込むか

関税を前払いする以上、その分は価格に反映することになります。ここで判断が要ります。

全額を上乗せする。 総額は上がりますが、利益は守れます。同じ商品を出している他のセラーも同じ条件なので、極端に不利にはなりません。

一部を自分で持つ。 価格競争が激しい商品では、売れなくなるくらいなら利益を削るという判断もあります。

扱う商品を見直す。 単価が低い商品ほど、関税と手続きの手間が相対的に重くのしかかります。米国向けに送る商品の下限単価を上げる、という対応も現実的です。

どれを選ぶにしても、関税を含めた利益計算をやり直すことが先です。以前の計算のままだと、売れているのに残らない状態になります。

前払いしたあとにキャンセルされたら

ここが、いまの制度で一番痛い部分です。

関税を前払いしてから取引がキャンセルになると、支払った関税と手続きの手間がそのまま無駄になります。

とくに起きやすいのが、仕入れ先で在庫が切れているのに気づかず売れてしまい、発送できずにキャンセルする流れです。以前なら「キャンセルして再出品」で済んだものが、いまは前払いの費用まで乗ります。

つまり、確実に発送できる商品だけを出品している状態を保つことの価値が、以前より上がっています。

発送できる在庫だけを出品する

関税の前払いが加わったことで、発送作業の手数は確実に増えました。だからこそ、その前段でつまずかないことが以前より効きます。

私たちが開発している Trade Force は、商品・在庫・出品・注文・発送・売上をひとつの画面で管理する定額制の OMS(受注管理システム)です。

売れた注文は自動で取り込まれ、出荷のタスクとして並びます。いま何を発送すべきかが一覧で分かるので、前払いの手続きを含む発送作業を順に片付けられます。

商品と在庫は一元管理され、仕入価格・購入日・追跡番号といった仕入れの記録も残ります。関税の申告で商品の情報を入力する場面でも、探し回らずに済みます。

仕入れ先の在庫と価格の変化を見張る在庫監視ツールもあります。発送できない商品を出品したままにしないことが、そのまま前払いの無駄を減らすことにつながります。

まとめ

  • 少額免税は 2025 年 8 月 29 日に使えなくなった。価格にかかわらず課税の対象
  • 一律 10% のサーチャージは 2026 年 7 月 24 日に失効した
  • いまは郵便にも商業貨物と同じ関税構造が適用され、HTS 分類と原産国で税率が決まる
  • 関税は原産国で決まる。日本から送ることと、日本製であることは別
  • 前払いが必要な線は 2,500 ドル未満に上がった
  • 日本郵便は 2026 年 4 月 14 日に再開。100 ドル超は指定郵便局のみ
  • 前払いは Zonos Prepay のアプリで行い、DDP + 13 桁の申告番号を得てラベルを作る。申告番号は荷物ごと
  • 前払い後のキャンセルは二重の損失。発送できる在庫だけを出品する

よくある質問

Q1.

「一律 10%」と書いてある記事を見ました。どちらが正しいですか

A1.

一律 10% は、2026 年 2 月 24 日から 7 月 24 日まで適用されていた扱いです。7 月 24 日に失効しています。

この領域は情報の更新が追いついていないことが多いので、記事の公開日と更新日を確認する習慣をつけてください。この記事も同じです。発送前には公式の案内で確かめてください。

Q2.

関税の分だけ値上げすべきですか

A2.

前払いした関税は、価格に織り込むのが基本です。ただ、丸ごと乗せると売れなくなる価格帯もあります。

判断の材料になるのは、同じ商品を出している他のセラーがどう見せているかです。総額で比べられる以上、関税を含めた着地の金額で勝負することになります。利益の計算は、関税を含めた形でやり直してください。

Q3.

中古品でも関税はかかりますか

A3.

かかります。少額免税がなくなった以上、中古かどうかで扱いは変わりません。

むしろ中古品では原産国の確認が難しいことがあります。関税は原産国で決まるので、ここは商品ごとに確認が必要です。

Q4.

手続きが面倒で、米国向けをやめようか迷っています

A4.

気持ちは分かります。ただ、米国は eBay で最大の市場です。やめる前に、手続きを日常の作業に組み込めるかを検討してみてください。

現実的なのは、発送のタイミングをまとめることです。毎日ばらばらに送るより、曜日を決めてまとめて処理するほうが、前払いとラベル作成の手間は軽くなります。取引の数が増えてきたら、管理の仕組みを整えるほうが先です。

この記事を書いた人

Trade Force 運営チーム

Trade Force 運営チーム

越境EC向け販売管理ツール「Trade Force」の運営チーム。自らも eBay で日本のトレーディングカードを販売しており、現場の実体験に基づく情報を発信しています。

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