eBay偽物の見分け方|仕入れ時の5つの確認と、真贋保証が止めるもの
この記事の3行要約
- 公式の原則は「正規品と確信できるものだけ出品する。確認できないなら出品しない」
- 保管すべき証拠は公式に列挙されている。請求書・シリアル・グレーディングレポート・COA
- 対象カテゴリは真贋保証が自動で付く。オプトアウトはできず、鑑定を通らないと届かない
目次
- 1.はじめに
- 2.偽造品ポリシーが求めているのは、確信が持てるものだけ
- 2-1.何が偽造品にあたるか
- 2-2.無許可の複製とレプリカ
- 2-3.「dupe」「inspired by」という書き方
- 3.偽物が混ざったときに失うもの
- 4.仕入れ時の5つの確認
- 4-1.1. 仕入れ元を見る
- 4-2.2. 相場と照らす
- 4-3.3. 型番とシリアルの整合を見る
- 4-4.4. 現物を至近距離で見る
- 4-5.5. 付属品と書類を見る
- 5.保管しておく証拠は、公式に書かれている
- 6.カテゴリごとの勘所
- 7.真贋保証は、対象なら自動的に働く
- 7-1.対象カテゴリと金額の線
- 7-2.鑑定を通らないと、届かない
- 8.出してしまったときにやること
- 9.出品数が増えても、例外を作らない
- 10.1点見つかったときに、他を辿れるか
- 11.まとめ
- 12.よくある質問
- 13.参照リンク
はじめに
本物のつもりで仕入れた 1 点が、実は偽物だった。
これは、注意深さの問題として片付けられない領域です。届いた買い手が申し立てをすれば返金になり、繰り返せばアカウントの状態に響きます。しかも、出品したあとに取り返す手段がほとんどありません。
だからこの記事は、偽物を出品したあとの対応ではなく仕入れの時点に寄せて書きます。eBay の偽造品ポリシーが何を求めているかを条文で確認し、仕入れのときに見る 5 つの観点、残しておくべき証拠、そして対象カテゴリで自動的に働く真贋保証の仕組みまでを扱います。
なお、本物なのに出品が削除されるケース(画像の無断使用、タイトルのブランド名、並行輸入)は、知的財産権の申し立ての話で、偽造品とは別の枠組みです。そちらは別の記事にまとめてあります。
偽造品ポリシーが求めているのは、確信が持てるものだけ
まず、eBay が何を禁止しているのかを条文で見ます。
出品者は、正規品であり、本ポリシーおよび知的財産に関するポリシーに準拠していると確認できる商品のみ出品できます。
確認できる商品のみです。公式の FAQ には、もっと直接的な問答が載っています。
商品が正規品かどうか 100% 確信が持てない場合、出品できますか? いいえ。正規品であると確信できる商品のみを出品しましょう。真贋が確認できない場合は、出品しないでください。
判断に迷ったものを出さない、というのは精神論ではありません。eBayの公式ポリシーがそのまま同じことを求めています。
何が偽造品にあたるか
ポリシーの定義はこうです。
偽造品とは、正規品ではないにもかかわらず、購入者に正規品、認定品、規格に準拠していると信じ込ませる商品のことです。商標(ブランド名やロゴなど)、著作権、保護された意匠、トレードドレスを悪用して、ブランドによる制作、またはブランドから許可を受けたような印象を与える商品が含まれます。
トレードドレスまで含まれている点に注意してください。ロゴが付いていなくても、そのブランドだと分かる形状や配色を真似ていれば対象になり得ます。
公式が挙げている例も、思っているより広い範囲です。
- 商標が表示されているが、商標権所有者による製造ではない腕時計
- 商標ラベルが貼付されているが、商標所有者による製造・包装ではない香水
- 許可なく商標で販売された電子機器(スマートフォン、ヘッドホン、充電器、充電ケーブルなど)
- 許可なくチームロゴが表示されているジャージ
- 偽造または無効な適合マーク(CE・UKCA・UKNI・UL など)がある商品
最後の適合マークは、日本のセラーが見落としやすいところです。規格に準拠していると偽ること自体が、偽造品の定義に入っています。 商品が本物であっても、表示している認証が実際には取得されていなければ、この定義に触れる可能性があります。
もうひとつ、地金についての例も挙がっています。「999ファイン」と記載されているにもかかわらずメッキである、あるいは正確な純度・重量・ミント・鮮明な写真が欠落しているもの。表示と中身が違うことが一貫した基準になっているのが分かります。
無許可の複製とレプリカ
ポリシーは 3 つの類型を分けています。偽造品、無許可の複製、未承認のレプリカです。
無許可の複製として挙がっているものに、コレクション商材を扱うセラーが注意すべき項目があります。
- 海賊版や自作の録音、書き込んだ音楽・映画・ソフトウェア
- アートのスキャン、リッピング、再版
- トレーディングカードや切手の無許可の再版
- 許可されていない情報源によって発行されたサインや COA/LOA のコピー
トレーディングカードの再版が名指しで入っています。ここは扱う人が多い商材なので、押さえておいてください。
未承認のレプリカは、レプリカと明示していれば何でも売れるわけではない、という点が要注意です。ポリシーは「無許可のレプリカとは、正規品ではない詐欺商品のこと」と定義しており、レプリカコイン・レプリカ切手・レプリカ紙幣・ノーブランドやメッキのレプリカ地金を例に挙げています。
コインと切手と紙幣には、細かい規定があります。レプリカ紙幣は次の条件をすべて満たす場合に限って許可されます。
- 片側のみで、元の 75% 未満または 150% 以上にサイズ変更されている
- タイトルと説明に「レプリカ」と表示されている
- 写真に実際の商品がはっきり写っている
レプリカ切手は、恒久的にマーク(FACSIMILE、模写 など)を入れたうえで、タイトル・説明・写真で開示する必要があります。レプリカコインは許可されていません。
「dupe」「inspired by」という書き方
比較的新しい規定として、スラングへの言及があります。
"dupe(複製、だましの意味)"という用語とブランド名の組み合わせは許可されていません。
「dupe」という言葉自体は許可されていますが、商品が本物である、あるいは特定のブランドに由来すると誤解させる形で使うことはできません。公式は「dupe」や「inspired-by [ブランド名]」を使った出品で、ブランドを連想させるロゴ・商標・保護されたデザインを伴うものを例に挙げています。
日本語で言えば「◯◯風」「◯◯タイプ」に近い書き方です。本物ではないと分かるように書いたつもりでも、ブランド名を検索語として使っている限り、対象になり得ます。

偽物が混ざったときに失うもの
ポリシー違反の措置について、公式はこう書いています。
こうした措置には、出品その他のコンテンツの削除、警告、アクティビティの制限、またはアカウント停止などが例として挙げられます。
削除で済むこともあれば、停止まで行くこともあるという書き方です。どこまで行くかは書かれていません。「1 件で必ず永久停止になる」と断定した記事も見かけますが、公式がそう書いているわけではありません。
とはいえ、軽い話でもありません。出品違反が積み重なったときにアカウントがどうなるかは、別の記事で扱っています。
金銭面でも損が出ます。買い手から商品説明と違うという申し立て(INAD)が入れば、eBay の返金保証の枠組みで処理されます。偽物であることを立証されれば、返金して、なおかつ商品が戻ってこないこともあります。
そして仕入れ値も戻りません。1 件の損失が、仕入れ値と売上と手数料の 3 つ分になる構造だと考えてください。
見えにくい損失もあります。1 点でも問題が出れば、同じ仕入れ元から入ってきた在庫を全部止めて確認することになります。止めている間、その在庫は売れません。1 件の事故が、仕入れ 1 回分の在庫を丸ごと止める形になります。
この波及を計算に入れると、仕入れ時の確認にかける時間は安く見えてきます。1 点あたり数分の確認で、仕入れ 1 回分のリスクを下げているという見方ができます。
仕入れ時の5つの確認
出品してからでは遅いので、仕入れの時点で見る観点を整理します。
数値の基準は意図的に置いていません。「評価が何件以上なら安全」といった線は、扱う商材と仕入れ先によって変わるからです。代わりに、何を見て、何を説明できれば納得できるかという形で書きます。
1. 仕入れ元を見る
まず、誰から買おうとしているのか。
- 評価の件数と内容。件数だけでなく、何を売ってきたアカウントか
- 登録からの期間。作られたばかりのアカウントか
- 取扱の一貫性。脈絡なくハイブランドが並んでいないか
- 商品画像。公式サイトの画像をそのまま使っていないか
最後の項目が効きます。実物を持っていないから公式画像を使う、という理屈は成り立ちます。現物の写真が 1 枚もない出品から、真贋の確認が必要な商材を買うのは避けてください。
仕入れ先の業態ごとの性質については、別の記事にまとめています。
2. 相場と照らす
同じ商品がいくらで取引されているかを見て、目の前の価格との差を確認します。
大事なのは「何%以下なら危ない」という線ではなく、安い理由を自分の言葉で説明できるかです。
- 状態が悪いから安い → 写真と説明で確認できるか
- 付属品が欠けているから安い → 何が欠けているか書かれているか
- 出品者が相場を知らないから安い → その出品者は他に何を売っているか
説明が付かない安さは、まだ気づいていない理由があるということです。掘り出し物だと思った瞬間が、いちばん立ち止まるべきタイミングになります。
3. 型番とシリアルの整合を見る
商品本体、箱、保証書、タグ。それぞれに書かれている番号が一致しているかを確認します。
一致していないものは、少なくとも一式として揃っていないことになります。本体は本物でも、別の個体の書類が付いている状態です。
ブランドごとの番号の読み方については、この記事では扱いません。間違った判定基準を持つほうが、基準を持たないより危険だからです。扱うブランドが決まっているなら、そのブランドの正規の情報源を自分で確認してください。
4. 現物を至近距離で見る
写真ではなく、手元に来た現物を見ます。
見る場所は商材によって変わりますが、共通するのは加工の精度です。縫製のピッチが揃っているか。印字がにじんでいないか。刻印の深さが一定か。金具の仕上げが均一か。
「何か違う」という感覚が言葉にできないときもあります。その感覚は、たいてい何かを見ています。言葉にできないまま出品するより、そこで止めるほうが安いです。
なお、状態そのものの表現については別の話です。商品の状態の選び方と状態の説明文の書き方は、真贋とは別の軸で正確さが求められます。
5. 付属品と書類を見る
箱、保証書、取扱説明書、タグ。これらは真贋の判断材料であると同時に、それ自体が偽造される対象でもあります。
- 用紙の質と印字の状態
- 記載されている番号と本体の番号の一致
- フォント、印字位置のずれ
そして、ここは組み合わせにも注意が必要な領域です。本体は本物でも、別の商品の箱や保証書を付けて「フルセット」として売るのは、本体だけを売るのとは違う話になります。説明文に「箱は別商品のもの」と書いたとしても、書けば済むとは限りません。

保管しておく証拠は、公式に書かれている
偽物を見分けることと同じくらい大事なのが、見分けた根拠を残しておくことです。
これについては、eBay の公式 FAQ に答えがあります。
信憑性を示すためにどのような証拠を保管しておく必要がありますか? ブランドまたは正規販売代理店からの請求書、シリアル番号、グレーディングレポート、承認された COA/LOA、アッセイカードなどの明確な文書を保管してください。
列挙されているものを並べ直すと、こうなります。
| 証拠 | どこで手に入るか |
|---|---|
| ブランドまたは正規販売代理店からの請求書 | 仕入れ時。仕入れ先を選ぶ段階で決まる |
| シリアル番号 | 現物。撮影して残す |
| グレーディングレポート | 鑑定を通した商品 |
| 承認された COA/LOA | 正規の発行元から |
| アッセイカード | 地金など |
1 行目が重要です。 請求書が出る仕入れ先を選んでいるかどうかで、あとから証明できるかが変わります。個人間の取引が中心の仕入れ先では、この形の証拠は残りません。
証拠は、申し立てを受けてから集めるものではありません。仕入れの時点で残るようにしておくものです。この点は、追跡番号や発送前の写真と同じ考え方になります。
なお、中古品を仕入れて売る場合は古物商許可の話も関わってきます。取引の記録を残す義務がある形なので、証拠を残す運用とも噛み合います。
カテゴリごとの勘所
偽物が集まりやすい商材には、傾向があります。ここは公式のポリシーではなく、扱う商材の性質から言えることを整理します。
| カテゴリ | 難しいところ | 実務的な線引き |
|---|---|---|
| 腕時計 | 内部機構まで見ないと分からない。外観の再現度が上がっている | 書類とシリアルが揃わないものは扱わない |
| バッグ・財布 | 目視での判別が年々難しい | 正規のリペア履歴がある個体は情報が多い |
| スニーカー | 同型番でも生産国や工場で細部が違う | 鑑定を通った個体を仕入れる |
| カメラ | 外観だけを真似た個体がある | 本体とレンズのシリアル整合を見る |
| トレーディングカード | 再版そのものがポリシーで名指しされている | 鑑定済みか、出所がたどれるもの |
| 電子機器・充電器 | 適合マークの偽造がポリシーの例に入っている | マークの有無ではなく出所で判断する |
共通するのは、自分の目だけで決めないということです。書類、鑑定、仕入れ元の記録。目以外の材料が 1 つも無い状態で判断しているなら、それが一番危ない状態です。
判断の材料が揃っている状態と、揃っていない状態を並べてみます。
扱ってよい状態
- 請求書か、それに準じる仕入れの記録がある
- 本体・箱・書類のシリアルが一致している
- 相場との差に説明が付く
- 判断できない点があれば、それを書き出せる
扱うべきでない状態
- 出所を示すものが何もない
- 書類が無い、または番号が合わない
- 安い理由が「掘り出し物だから」しかない
- 「たぶん本物だと思う」で止まっている
右側に 1 つでも当てはまるなら、その商品は仕入れないという判断が最も安いと考えています。仕入れなければ失うのは機会だけですが、出品して外すと仕入れ値と売上と信用の 3 つを失います。
なお、そもそも出品できない商品もあります。偽造品とは別の枠で、出品が禁止・制限されている商品のリストがあるので、扱う前に確認してください。
真贋保証は、対象なら自動的に働く
日本語の記事ではあまり触れられていない仕組みがあります。
eBay には真贋保証(Authenticity Guarantee) というプログラムがあります。対象になった商品は、購入者に届く前に専門家の物理的な検査を通ります。
そして、セラーにとって重要な事実がこれです。
出品者の商品が真贋保証の対象となる場合は、プログラムに無料で自動的に追加されます。オプトインまたはオプトアウトのオプションはありません。
選べません。 対象カテゴリで対象の金額なら、自動的に検査が入ります。
対象カテゴリと金額の線
現在の対象は、腕時計、スニーカーとシューズ、アパレル、ハンドバッグや高級アクセサリー、トレーディングカード、ジュエリーです。
| カテゴリ | 対象になる目安 |
|---|---|
| 腕時計 | $2,000 以上。スマートウォッチ・部品・付属品とカスタマイズ済みは対象外 |
| スニーカー | $100 以上。カスタマイズ済みは対象外 |
| スニーカー以外のシューズ | $500 以上 |
| アパレル | 対象ブランドの $200 以上 |
| ハンドバッグ・高級アクセサリー | 対象ブランドの $500 以上 |
| トレーディングカード | シングルカードで $250 以上 |
| ジュエリー | 対象ブランドまたはノーブランドで $500 以上 |
トレーディングカードのグレード済みカードには、認められる鑑定機関の指定があります。Beckett、PSA、Certified Collectibles Group、SGC。公式は対象外の例として GMA、HGA、KSA、WCG、GBA を挙げています。
日本のセラーにも関係します。腕時計は日本の対象出品者が eBay.com で販売する場合に対象となり、シューズとハンドバッグは日本の一部の出品者からの購入が米国とオーストラリアの買い手に対して可能とされています。ジュエリーも日本の一部の出品者が含まれます(ルースダイヤモンドとダイヤモンドジュエリーは除く)。
「一部の出品者」という書き方なので、自分が該当するかは出品時の表示で確認することになります。対象になっていれば、青色の真贋保証の確認マークが検索結果や商品ページに表示されます。買い手からも見える形です。
また、購入者側が任意で真贋保証を買えるケースもあります。腕時計は $500〜$1,999.99 で $80(税別)、ハンドバッグやジュエリーは $200〜$499.99 で $40(税別)。金額の線を下回っていても、買い手の選択で検査が入ることがあるということです。
鑑定を通らないと、届かない
流れはこうなります。
止まる条件が 2 つあります。説明と一致しない場合と、真贋を判断できない場合。どちらでも購入者には送られず、返金されます。
さらに、こう書かれています。
商品の真贋を証明できない場合は、その商品をマーケットプレイスの流通から削除することにご協力いただきます。
戻ってくるとは限らないという意味です。ここまで来ると、仕入れ値と売上の両方を失います。
もうひとつ、状態の記載についても明記があります。鑑定機関が「商品の状態が出品の記載と一致しない」と判断した場合、eBay から購入者に返金され、商品は出品者に返品されます。真贋だけでなく、状態の書き方も検査されているということです。
なお、$750 以上で販売された商品は、出品者から鑑定機関へ発送する際に署名の確認が必要です。市場の需要によって、一部の注文は 7 日以上遅れる場合があるとも注記されています。

出してしまったときにやること
それでも、後から気づくことはあります。順番が大事です。
1. 該当の出品を止める。 申し立てや通知を待たず、自分で終了させます。
2. 同じ仕入れ元の商品をすべて見直す。 1 点だけ混ざるより、同じ仕入れ元にまとめて混ざっているほうが自然です。他の出品も止める判断が要ります。
3. すでに売れているなら、買い手に連絡して返金する。 隠して発送するのは、状況を悪くする方向にしか働きません。
4. 仕入れ元に事実を伝える。 返品交渉ができるかどうかは別として、伝えなければ次も同じものが来ます。
5. 再販売しない。 戻ってきた商品を別の経路で売るのは、問題を移動させているだけです。
この 5 つのうち、2 番目を飛ばす人が多い印象があります。1 点だけ返金して終わらせると、同じ仕入れ元から来た他の商品が出品されたまま残ります。1 件見つかった時点で、その仕入れ元から入ったものは全部疑うのが順当な判断です。
なお、偽造品ポリシーには報告の経路も書かれています。権利所有者は VeRO プログラムから、権利所有者でない第三者は eBay のコンテンツ報告の窓口から報告できる仕組みです。つまり、申し立ては権利者だけから来るとは限りません。同じ商品を扱う他のセラーや、買い手からも入り得ます。
知的財産権の申し立てを受けた場合の手順は、既存の記事のほうが詳しいのでそちらを参照してください。偽造品ポリシーの側で報告されるルートもあり、権利所有者でない第三者からも報告できる仕組みになっています。
出品数が増えても、例外を作らない
ここまでの確認は、1 点ずつやれば守れます。守れなくなるのは、扱う点数が増えたときです。
現実的な落としどころは、確認の深さを商材で分けることでしょう。
- 真贋保証の対象になる価格帯の商材 → 全点、書類とシリアルまで確認する
- 真贋が問題になりにくい商材 → 仕入れ元の確認と相場の確認まで
- 判断がつかないもの → 扱わない
3 番目を残しておくのが大事です。「よく分からないが安いから買う」を選択肢から外すだけで、事故の大半は防げます。
商材を絞るのも、有効な手です。扱うブランドとカテゴリを限定すれば、その範囲の正しい情報だけを深く持てます。手広く扱うほど、1 つあたりの判断精度は落ちます。 真贋の判断が要る商材では、この関係がそのまま事故率に出ます。
逆に、真贋の判断がほとんど問題にならない商材もあります。そちらに寄せるという選択も、立派なリスク管理です。「どの商材を扱うか」の決定に、真贋確認のコストを入れて考えてみてください。
そして、確認したことを記録に残してください。仕入れ元、仕入れ日、価格、シリアル。この 4 つが残っていれば、あとから同じ仕入れ元の商品をまとめて洗い出せます。1 点見つかったときに、他の何点を見ればいいかが分かる状態にしておくということです。
1点見つかったときに、他を辿れるか
記録に残すと決めたあと、次に出てくるのは「どこに残すか」という問題です。
私たちが開発している Trade Force は、商品・在庫・出品・注文・発送・売上をひとつの画面で管理する定額制の OMS(受注管理システム)です。
どの商品をどこからいくらで仕入れ、どの注文で売れたのかが 1 か所に残ります。1 点に問題が見つかったとき、同じ仕入れ元から入ってきた商品を辿れるのは、この記録があるからです。出品文とコンディション説明をテンプレートとして持てるので、状態の書き方を商材ごとに揃えることもできます。
在庫監視ツールは、仕入れ先のサイトを定期的に巡回して在庫と価格の変化を検知します。極端な安値が出たときに気づけるという意味では、この記事の 2 番目の確認とつながる部分です。
真贋を判定する機能はありません。判断するのはセラーで、引き受けているのは、その判断の材料と履歴を残しておくところまでです。ポリシーの照合や禁止商品の検知も行いません。仕入れの判断そのものは、この記事に書いた観点で人が行うことになります。
まとめ
偽物を扱わないための考え方は、公式のポリシーがほとんど言い切っています。
確信が持てないものは出品しない。 これが偽物を扱わないための原則です。判断に迷った時点で、答えは出ています。
証拠は仕入れの時点で決まる。 請求書、シリアル、グレーディングレポート、COA/LOA。公式が列挙しているものは、あとから作れません。仕入れ先の選択が、そのまま証拠の有無になります。
禁止されている範囲は思っているより広い。 商標だけでなくトレードドレス、適合マーク、トレーディングカードの再版、「dupe」やブランド名を連想させる書き方まで含まれます。
対象カテゴリでは、自分で止めなくても検査が入ります。 真贋保証はオプトアウトできず、説明と一致しない場合も真贋を判断できない場合も、購入者には届きません。
そして、記録を残してください。 1 点見つかったときに、同じ仕入れ元の他の商品を辿れるかどうかで、被害の広がりが変わります。
最後にひとつ。この記事では、ブランドごとの真贋の見分け方を書いていません。間違った判定基準を持つことは、基準を持たないことより危険だと考えているからです。扱うブランドを絞り、そのブランドについて正規の情報源から学ぶ。遠回りに見えますが、記事で読んだ簡易な見分け方に頼るより確実です。
よくある質問
Q1.鑑定書が付いていれば安全ですか
鑑定書そのものが偽造されることがあります。公式のポリシーも、無許可の複製の例として「許可されていない情報源によって発行されたサインや COA/LOA のコピー」を挙げています。
書類のシリアル番号と本体のシリアル番号が一致しているか、発行元が正規のものかまで確認してください。
なお、eBay の真贋保証で認められるトレーディングカードのグレーダーは Beckett、PSA、Certified Collectibles Group、SGC です。それ以外のグレーダーによるカードは対象外とされています。
Q2.出品したあとに、他のセラーから報告されることはありますか
あります。偽造品ポリシーには報告の経路が 2 つ書かれていて、権利所有者は VeRO プログラムから、権利所有者でない第三者は eBay のコンテンツ報告の窓口から報告できます。
つまり、申し立ては権利者からだけ来るとは限りません。同じ商品を扱う他のセラーや、買い手からも入り得ます。
「見つからなければ大丈夫」という前提では組めない、ということです。出所を説明できる状態を保っておくほうが、結果的に手間が少なくなります。
Q3.真贋保証を使わない設定にできますか
できません。公式は「出品者の商品が真贋保証の対象となる場合は、プログラムに無料で自動的に追加されます。オプトインまたはオプトアウトのオプションはありません」と明記しています。
対象カテゴリで対象の金額なら、売れた時点で鑑定機関への発送が発生します。この前提を織り込んで仕入れの基準を決めてください。
Q4.鑑定で説明と違うと判断されたらどうなりますか
商品は購入者に送られず、購入者に返金されます。商品の状態が出品の記載と一致しないと鑑定機関が判断した場合は、eBay から購入者に返金され、商品は出品者に返品されます。
一方、真贋を証明できない場合については、その商品をマーケットプレイスの流通から削除することへの協力を求められると書かれています。手元に戻るとは限りません。
Q5.「ブランド名 風」と書けば問題ありませんか
書き方だけで安全にはなりません。公式は「dupe」という用語とブランド名の組み合わせを許可していないと明記し、「inspired-by [ブランド名]」を使った出品でブランドを連想させるロゴ・商標・保護されたデザインを伴うものを例に挙げています。
本物ではないと分かるように書いたつもりでも、ブランド名を検索語として使っていれば対象になり得ます。タイトルでのブランド名の扱いは、VeRO の記事で詳しく整理しています。
Q6.本体は本物ですが、箱が別の商品のものです
本体と付属品の出所が違う場合、「一式」として売るのは本体だけを売るのとは別の話になります。説明文に書いたとしても、書けば済むとは限りません。
真贋保証の対象商品では、返品時に鑑定機関が「商品が同じ状態であり、付属品がすべて揃っていること」を確認する仕組みになっています。付属品は検査の対象に含まれています。
Q7.真贋保証の鑑定にはどれくらいかかりますか
公式は、鑑定機関で商品を受領後、通常は 2 営業日以内に検査が行われると案内しています。検査に合格すると 2 日で購入者へ配送され、トレーディングカードの場合は 4 日です。
ただし、市場の需要の高まりにより一部の注文は 7 日以上遅れる場合がある、という注記も付いています。
自分の発送準備期間とは別に、この期間が乗ることになります。買い手への到着予定は、そのぶん先になると考えておいてください。
Q8.仕入れ先で偽物をつかまされた場合、eBayは考慮してくれますか
ポリシーは出品者に対して「正規品であると確認できる商品のみ出品できる」と求めています。仕入れ先に騙されたかどうかは、この要件とは別の話として扱われます。
だからこそ、仕入れの時点で止めるしかありません。請求書が出る仕入れ先を選ぶ、シリアルを記録する、判断がつかないものは扱わない。この 3 つが実質的な防御になります。
参照リンク
本記事で参照した eBay 公式のページです。ポリシーや対象範囲は変更されることがあるため、実際の運用にあたっては最新の内容をご確認ください。
- eBay ポリシー 偽造品に関するポリシー — 偽造品・無許可の複製・未承認のレプリカの定義と例、「dupe」の扱い、保管すべき証拠、措置の内容
- eBay ヘルプ eBay 真贋保証で販売する — 対象カテゴリと金額、自動適用とオプトアウト不可、鑑定の流れ、不合格時の扱い、日本の出品者の対象範囲
この記事を書いた人
Trade Force 運営チーム
越境EC向け販売管理ツール「Trade Force」の運営チーム。自らも eBay で日本のトレーディングカードを販売しており、現場の実体験に基づく情報を発信しています。
Trade Force について詳しく見るTrade Force へのお問い合わせはこちら!
eBay輸出の販売管理に関するご相談・ご質問など、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせする









