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eBay Promoted Listingsの使い方|一般と優先の違いと料率

この記事の3行要約

  • 呼び名が変わっている。いまの公式は一般キャンペーン戦略と優先キャンペーン戦略の2つ
  • 一般は売れたときだけ課金。ただし対象は販売価格ではなく、送料や税を含む売上金額
  • 使うにはセラーレベルの条件がある。まず出品の質を整えないと、広告費だけが出ていく
目次

はじめに

出品が検索結果の下のほうに沈んでいるとき、選択肢は 2 つあります。出品そのものを改善するか、露出をお金で買うかです。

この記事は後者、eBay の広告機能についてのものです。ただ、先に言っておくと、順番としては前者が先です。 理由は最後のほうで書きます。

そのうえで、広告の話には整理しておくべきことがいくつもあります。呼び名が変わっていること、課金の対象が思っているものと違うこと、そもそも使えないセラーがいること。このあたりを知らずに始めると、想定と請求がずれます。

出品そのものの改善については、別の記事で扱っています。

通常、検索結果に並ぶ順番は eBay が決めます。ベストマッチと呼ばれる並べ替えで、販売実績や商品の情報など複数の要素から順位が決まります。

Promoted Listings は、その外側に広告としての表示枠を用意する仕組みです。eBay 公式ヘルプには、こう書かれています。

出品に広告を付けると、eBay内の数十億の出品からお客様の商品を際立たせ、より多くの購入者にリーチして売り上げを伸ばすことができます。

入口は、出品者ハブ(Seller Hub)の広告タブです。

呼び名が変わっている

ここでつまずく人が多いところです。日本語の情報の多くが、旧称のまま書かれています。

いまの eBay 公式ヘルプは、キャンペーンの種類を次の 2 つで説明しています。

いまの呼び方よく見る旧称
一般キャンペーン戦略(Promoted Listings – General)Standard
優先キャンペーン戦略Advanced

検索して出てくる解説記事が「Standard と Advanced の選び方」と書いていても、画面の表記と一致しないことがあります。画面で迷ったら、公式ヘルプの呼び方を基準にしてください。

呼び名の変化は、単なる言い換えではありません。旧称の時代に書かれた記事には、当時の推奨料率や当時の課金の条件がそのまま載っています。仕様が変わっている部分を、古い数字のまま読んでしまうのがいちばん危ないところです。この記事でも具体的な率を書かないのは、同じ理由です。

判断のしかたは覚えられますが、数字は覚えないでください。数字は毎回、自分の画面で確認するものです。

一般と優先は、課金のされ方がまったく違う

2 つの戦略の差は、置かれる場所よりお金の出ていき方に出ます。

一般キャンペーン戦略優先キャンペーン戦略
課金されるとき広告経由で売れたとき有効なクリックが起きたとき
売れなかったら費用は発生しないクリックのぶんは発生する
何を設定するか広告費率入札額(キーワードの指定もできる)
表示される場所一般的な広告枠優先的な広告枠
同時に使えるキャンペーン1 つの出品につき 1 つ複数可

一般キャンペーン戦略が向く場面

  • 広告を初めて使う
  • 売れる見込みが読めていない商品がある
  • 出品数が多く、まとめて設定したい
  • 費用が読める形で始めたい

優先キャンペーン戦略が向く場面

  • 競合が多く、上の枠を取りに行きたい
  • 特定の検索語で見せたい商品がある
  • クリック単価を管理した経験がある
  • クリックが購入につながる自信がある

優先キャンペーンについて、公式は課金の非対称性をはっきり書いています。

そのクリックが売上に貢献したとみなされるかどうかにかかわらず、有効なクリックが生じると常に課金されます。

クリックされて、買われなくても払います。 ここが一般キャンペーンとの決定的な違いです。

なお、クリック単価はセカンドプライスオークションの方式で決まると説明されていて、出品の品質、キーワードとの関連性、入札額、他の出品者の入札額などから算定されます。設定した上限額がそのまま毎回引かれるわけではありません。

同じ出品を両方の戦略で宣伝することもできます。ただし、優先は複数のキャンペーンで宣伝できる一方、一般は同時に 1 つのキャンペーンでしか宣伝できません。

課金の仕組みを、正確に押さえる

一般キャンペーンの課金には、知らないと必ずずれる点が 3 つあります。

1. クリックから30日以内なら、課金の対象になる

eBay Japan の案内には、こう書かれています。

広告がクリックされてから30日以内に、いずれかのバイヤーがその出品商品を購入した場合に広告費が発生します。対象アイテムは、クリック時と購入時の両方のタイミングでキャンペーン対象である必要があります。

条件が 2 つあることに注意してください。クリック時と購入時の両方でキャンペーンの対象になっている必要があります。途中でキャンペーンから外した商品は、対象になりません。

2. クリックした人と、買った人が違ってもよい

これは意外に思われるところです。

クリックしたバイヤーと購入したバイヤーが異なっていても、その売上は広告経由の売上として計上され、広告費が発生します。

さらに、クリックした商品と違う商品が買われた場合も課金されます。公式はこれをヘイロー販売と呼んでいて、その場合の広告料は購入された商品の販売時点の広告費率で計算されます。

つまり、広告経由の売上として計上される範囲は、感覚より広いということです。「広告からは売れていないはずなのに広告費が出ている」と感じるときは、たいていこの仕組みによるものです。

3. 課金の対象は「販売価格」ではない

いちばん実務に効く点です。公式ヘルプの記載はこうなっています。

商品の売上金額(商品価格、送料、税金、その他手数料を含む)の一定割合

広告費の計算に使われるのは、商品価格ではなく、送料や税を含めた売上金額です。送料を価格に含める設計にしているほど、同じ広告費率でも支払う額は増えます。

送料込みの価格設定をしているセラーは、ここを見落とすと計算が合いません。落札手数料の全体像とあわせて把握しておいてください。

使うための条件がある

意外と書かれていないのですが、Promoted Listings は誰でも使えるわけではありません。

eBay Japan の案内には、一般キャンペーンの利用条件としてこう書かれています。

セラーレベルがAbove StandardかTop Ratedである必要があります。そしてアカウントに十分な動きがあり、eBay上で販売活動をして取引実績を重ねていること

条件を満たしていない場合、広告のページにキャンペーンを作るボタンそのものが出ません。「見当たらない」ときは、探し方ではなく条件を疑ってください。

セラーレベルは、取引の実績と不良の割合から決まります。上位の Top Rated Seller であれば、この条件で止まることはありません。広告を使いたいなら、その前に評価を落とさない運用が先に必要だということです。

もう 1 つ、対象外のカテゴリもあります。車両、不動産、その他(Everything Else)、一部の旅行カテゴリでは利用できません。

始め方は、小さく作って動かす

いきなり全出品にかける必要はありません。公式の案内によれば、広告は 1 点から設定できます。 期間も自分で決められ、キャンペーンの開始・中止・変更はいつでもできます。

だから、最初にやることは決まっています。

  1. 需要が確認できている商品を数点だけ選ぶ
  2. その商品の上限を計算しておく
  3. 出品者ハブの広告タブからキャンペーンを作る
  4. 率を決めて動かす
  5. 1 週間後に、表示回数・クリック・売上・広告費を見る

この 5 番目までを 1 周してから、対象を広げてください。 一度に広げると、効かなかったときに原因が分かりません。

出品形式の制約も、思っているより緩いです。一般キャンペーンはオークション形式の出品にも対応しています。固定価格だけの機能ではありません。

一方で、止めるときの注意が 1 つあります。キャンペーンから外した商品は、クリック時と購入時の両方で対象である必要があるという条件から外れます。 動かしている途中で対象を入れ替えると、効果の測定が難しくなります。測っている期間は、対象をいじらないほうがきれいなデータが取れます。

広告料率をどう決めるか

一般キャンペーンで設定するのが広告費率、いわゆる ad rate です。

推奨率か、自分で決めた率か

設定のしかたは 2 つあります。eBay が推奨する率を使う方法(Dynamic ad rate)と、自分で決めた率を入れる方法(Fixed ad rate)です。

推奨率については、公式にこう書かれています。

「Dynamic ad rate」(eBayが推奨する広告費用率)と同率またはそれ以上に設定すると広告が表示される可能性が高まります。

推奨率はカテゴリや競争状況で動くので、この記事では具体的な数字を書きません。 自分の画面に出ている値を見てください。他の記事に出ている率は、別のカテゴリの、別の時期の値です。

赤字にならない上限を、先に計算する

推奨率をそのまま使うかどうかを決めるには、自分の上限を知っておく必要があります。計算は難しくありません。

赤字にならない広告費率の上限(%)
 = (売上金額 − eBay の手数料 − 仕入価格 − 送料) ÷ 売上金額 × 100

この値は「ここまでなら赤字にならない」という境界であって、目標ではありません。境界いっぱいで運用すると、利益がゼロになるまで広告費を払うことになります。

実際に設定する率は、そこから「いくら利益を残したいか」を引いて決めます。

残したい利益設定できる上限
売上金額の 10% を残したい上限 − 10 ポイント
売上金額の 20% を残したい上限 − 20 ポイント

この計算をしておくと、推奨率が出てきたときに「その率は自分にとって高いのか安いのか」がその場で判断できます。

広告料率を決める 4 ステップ — 赤字にならない上限を計算する((売上金額 − eBay の手数料 − 仕入価格 − 送料) ÷ 売上金額 × 100)、残したい利益のぶんを引く(上限は境界であって目標ではない。いっぱいで運用すると利益がゼロになるまで払う)、画面に出ている推奨率と比べる(推奨率はカテゴリと時期で動く。他の記事の数字は別のカテゴリの別の時期の値)、利幅が近いものをグループにする(上限は商品ごとに違う。全出品に同じ率を置くと利幅の薄い商品で赤字が出る)、課金の対象は販売価格ではなく、送料や税を含む売上金額

商品によって、上限は違う

全部の出品に同じ率を設定するのは、管理としては楽です。ただ、上の式から分かるとおり、上限は商品ごとに違います。

仕入価格が高い商品ほど上限は低く、利幅の大きい商品ほど上限は高くなります。まとめて設定するなら、利幅が近いものをグループにするほうが安全です。

値付けそのものの考え方は、別の記事で書いています。

広告をかける前に整えること

冒頭に書いた「順番としては出品の改善が先」の理由を、ここで書きます。

広告が変えるのは、見られる回数だけです。 見られたあとに買うかどうかを決めるのは、出品そのものの中身です。

見られたあとに効くもの整っていないと起きること
メイン写真クリックされない。広告枠に出ても素通りされる
タイトル検索語と噛み合わず、関係のない人に見られる
商品の項目絞り込みで外れる。広告枠の外での露出が伸びない
価格と送料クリックされるが買われない。広告費だけが出る
状態の説明買われるが、あとで話が違うと言われる

とくに 4 つめが厄介です。優先キャンペーンでは、クリックされた時点で費用が出ます。 価格が競合と噛み合っていない状態で広告をかけると、比較して離脱されるたびに払うことになります。

出品の中身を整える話は、この 2 本にまとめてあります。

何を見て、どう調整するか

広告は設定して終わりではありません。ただ、毎日見る必要もありません。週に一度で足ります。

見るのは 4 つです。

見るもの読み取ること
表示回数伸びていないなら、率が競争に対して低いか、商品が広告枠に合っていない
クリック率表示はされているのに押されないなら、写真とタイトルの問題
広告経由の売上クリックはされているのに売れないなら、価格と説明の問題
広告費の合計利益を圧迫していないか。上限の計算と突き合わせる

症状ごとに、直す場所が違うということが分かると、率をむやみに上げ下げしなくて済みます。表示が出ないのに率だけ下げても、状況は動きません。

もう 1 つ、見る期間についてです。課金がクリックから 30 日以内の購入で起きる以上、1 週間の数字だけでは全体像が見えません。 週次で見るのは異常の検知で、良し悪しの判断は月単位です。始めて数日で「効かない」と判断して止めるのは早すぎます。

そして、広告経由の売上には直接販売とヘイロー販売の両方が含まれます。どの定義で計上されたのかは売上のレポートで確認できるので、数字が想定と合わないときはここを見てください。

広告費の詳細は、出品者ハブの支払い関連のページで、販売した商品ごとに確認できます。

週に一度見る 4 つと、読み取ること — 表示回数(伸びていないなら、率が競争に対して低いか、商品が広告枠に合っていない)、クリック率(表示はされているのに押されないなら、写真とタイトルの問題)、広告経由の売上(クリックはされているのに売れないなら、価格と説明の問題)、広告費の合計(利益を圧迫していないか。上限の計算と突き合わせる)、症状ごとに直す場所が違う。良し悪しの判断は月単位で見る

画面のどこに何があるかは、別の記事にまとめてあります。

広告で解決しないこと

正直に書いておきます。広告が効かない場面もあります。

そもそも需要がない商品。 表示回数を増やしても、探している人がいなければ売れません。広告は需要を作る機能ではありません。

価格が競合と噛み合っていない商品。 見られる回数が増えるほど、比較される回数が増えます。

評価や発送の運用に問題があるアカウント。 そもそも利用条件にセラーレベルが入っている以上、ここは広告以前の話です。

もうひとつ、在庫のない商品があります。売れてから在庫がないと気づく状態で広告をかけると、露出が増えたぶんだけ取引の不良が増えます。広告は、運用の穴を拡大する装置でもあります。

Trade Force 運営チーム

Trade Force 運営チーム編集部

私たちはツールを作って売っている側なので、「まず整えてから」と言うのは自分たちに都合がよく聞こえるかもしれません。ただ、広告費は毎月出ていくものです。出品の質は一度直せば効き続けますが、広告は払い続けている間だけ効きます。順番を逆にすると、直せば済んだことに毎月お金を払うことになります。

なお、eBay 外への配信を扱う Offsite Ads という仕組みもあります。こちらは一定の条件を満たしたセラーが対象になるもので、まずは eBay 内の広告を理解してからで十分です。

広告で変わること、変わらないこと — 広告が変えること: 広告枠に表示される回数、見込みのある人に届く量、実績が少ない出品の初速、広告が変えないこと: そもそもの需要の有無、写真とタイトルの説得力、競合と比べたときの価格、在庫と発送の運用の穴、広告は運用の穴を拡大する装置でもある。整えてからかける

広告費を、価格の前提に組み込む

広告料率は「あとから決める数字」ではありません。価格を決める時点で織り込んでおく数字です。

とはいえ、商品ごとに上限を計算し直すのは手間です。手数料率と為替と送料を毎回どこかから拾ってきて、電卓に入れて、という作業は続きません。

私たちが開発している Trade Force は、商品・在庫・出品・注文・発送・売上をひとつの画面で管理する定額制の OMS(受注管理システム)です。

為替・手数料率・関税率を設定として持てるので、広告料率を上乗せした率で計算しておけば、広告費を含んだうえでの最低価格を出せます。 目標の利益額や利益率を決めれば、それを下回らない価格を逆算できます。

売上の画面では、期間を指定して売上金額・手数料・返金額・入金額を確認できます。広告費を含めた実際の残りを、月ごとに突き合わせてください。

まとめ

広告は、正しい順番で使えば効く道具です。

  • 呼び名は一般キャンペーン戦略と優先キャンペーン戦略。Standard / Advanced は旧称
  • 一般は売れたときだけ課金、優先はクリックのたびに課金
  • 課金の対象は販売価格ではなく、送料や税を含む売上金額
  • クリックから 30 日以内、クリックした人と買った人が違ってもよい
  • 使うにはセラーレベルの条件がある。対象外のカテゴリもある
  • 率は自分の上限から決める。推奨率はカテゴリと時期で動く
  • 見るのは週に一度。症状ごとに直す場所が違う

そして、広告をかける前に出品を整える。 これだけは順番を守ってください。

よくある質問

Q1.

広告を出すと検索順位が上がりますか

A1.

広告そのものが自然検索の順位を上げるとは、公式には書かれていません。広告は広告枠への表示であって、通常の並べ替えとは別のものです。

ただし間接的な効果はありえます。露出が増えて売れれば販売実績が積み上がり、その実績は通常の並べ替えでも評価に使われるからです。「広告 → 実績 → 通常の露出」という遠回りの経路と考えてください。すぐに順位が動くという期待は持たないほうがいいです。

Q2.

広告費率を下げたのに、高い率で請求されました

A2.

クリックした時点の率が適用されることがあります。公式ヘルプには、ベストオファーの例として、率を下げる前にクリックされていた場合、変更前の率が表示される旨の説明があります。

課金は「クリックから 30 日以内の購入」に対して起きるので、率を変えても、変更前のクリックは変更前の条件で残っています。 率を下げた直後に請求が想定と合わないのは、多くの場合これが理由です。

Q3.

全部の出品に広告を付けてもいいですか

A3.

まとめて設定できるので楽ではありますが、上限は商品ごとに違うので、利幅の薄い商品まで同じ率にすると赤字が出ます。

現実的なのは、利幅が近いものをグループにして、グループごとに率を決めるやり方です。まずは需要が確認できていて利幅のある商品から始めて、効き方を見てから広げてください。売れる見込みのない商品を広告で押し出しても、表示回数が増えるだけで終わります。

Q4.

広告のボタンが画面に見当たりません

A4.

利用条件を満たしていない可能性があります。一般キャンペーンには、セラーレベルが Above Standard か Top Rated であることと、取引の実績があることという条件があります。

条件を満たしていない場合、キャンペーンを作るボタン自体が表示されません。この状態でやることは広告ではなく、発送の期限を守り、取引の不良を減らして、レベルを戻すことです。扱っている商品が対象外のカテゴリでないかも確認してください。

Q5.

一般と優先は、どちらから始めるべきですか

A5.

一般から始めるほうが安全です。売れたときにだけ費用が出るので、想定外の出費になりにくいからです。

優先は、クリックのたびに費用が発生します。クリックが購入につながる状態を作れているかどうかが前提になるので、一般で成果が出て、どの商品が売れるかが読めるようになってから移るほうが無理がありません。両方を同じ出品に使うこともできますが、費用の出方が二重になることは意識しておいてください。

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この記事を書いた人

Trade Force 運営チーム

Trade Force 運営チーム

越境EC向け販売管理ツール「Trade Force」の運営チーム。自らも eBay で日本のトレーディングカードを販売しており、現場の実体験に基づく情報を発信しています。

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