eBay Sell Similarと再出品の使い分け|重複出品にならない線引き
この記事の3行要約
- 同一商品の固定価格出品は、同じ出品者が一度に出せるのは1つまでと定められている
- 同じ商品を増やすなら出品を増やさず、数量・バリエーション・在庫なしで1つを育てる
- 類似品を出品するは1件ずつの操作ではない。一括出品ツールからまとめて実行できる
目次
- 1.はじめに
- 2.Sell Similarと再出品は、何が違うのか
- 2-1.再出品は、売れなかった出品をもう一度出す
- 2-2.類似品を出品するは、既存の出品を型にする
- 3.類似品を出品するが効く3つの場面
- 4.重複出品のポリシーが引く線
- 4-1.固定価格は、同一商品につき1出品まで
- 4-2.オークションは複数出せるが、条件がある
- 4-3.例外として認められている形
- 5.同じ商品を増やすなら、出品を増やさない
- 5-1.数量を増やす
- 5-2.バリエーションにまとめる
- 5-3.在庫なしオプションで枠を保つ
- 6.引き継がれた値を、どこまで直すか
- 6-1.カテゴリを変えるなら、型を使い回さない
- 7.1件ずつではなく、まとめて実行する
- 8.型の置き場所を、出品の外に持つ
- 9.出品を増やすか、1つを育てるか
- 10.まとめ
- 11.よくある質問
- 12.参照リンク
はじめに
似た商品をまた出したい。前と同じ入力をもう一度するのは、さすがに時間の無駄です。
eBay には、既存の出品を型にして新しい出品を作る仕組みがあります。日本語の画面では「類似品を出品する」、英語では Sell Similar と表示されます。
便利な機能なのですが、使いどころを間違えると重複出品のポリシーに触れます。同じ商品をもう 1 つ出す目的で使うと、eBay が明示的に禁止している形になることがあります。
この記事では、類似品を出品する機能と再出品の違いを整理したうえで、公式のポリシーがどこに線を引いているのかを条文で確認します。そのうえで、同じ商品を増やしたいときに本来使うべき機能を紹介します。
なお、出品作業そのものをどう削るかという全体の話は、別の記事で扱っています。
Sell Similarと再出品は、何が違うのか
まず、名前が似ている 2 つの操作を分けます。
| 類似品を出品する(Sell Similar) | 再出品(Relist) | |
|---|---|---|
| 目的 | 既存の出品を型にして、別の商品を出す | 売れなかった商品をもう一度出す |
| 起点 | 販売中の出品 / 売れ残りの出品 / 注文 | 売れ残りの出品 / 注文 |
| 自動でできるか | 手動で起動する | 条件を満たせば自動再出品がある |
| 手数料 | 通常の出品として扱われる | 手動再出品は元の出品とあわせて基本出品料。売れれば返金を申請できる |
似ているが別の商品を出すなら類似品を出品する。同じ商品をもう一度出すなら再出品。まずはこの原則で分かれます。
再出品は、売れなかった出品をもう一度出す
出品した商品が売れなかったとき、eBay は自動で再出品することができます。必要なら手動で出し直すこともできます。
自動再出品には条件があります。
- 期間が 5 日以上のオークションは、最大 8 回まで自動的に再出品される
- 期間が 1 日または 3 日のオークションは、7 日間の出品として最大 8 回まで再出品される
- 自動再出品は無料。ただし車両カテゴリは対象外
ここで押さえておきたい制約があります。自動再出品のオプションは、新規出品者および不定期出品者が作成した出品でのみ利用できます。それ以外の出品者には、このオプション自体が表示されません。
つまり、販売を続けているセラーほど、再出品は自分の操作になります。「放っておいても出し直される」という前提で組むと、そこで止まります。
もうひとつ、意外と知られていない挙動があります。
返品またはキャンセルされた注文に対して購入者に返金を行うと、その商品は自動的に再出品されます。
返金すると、その商品は出品として戻ってきます。仕入れ先に在庫がないままキャンセルして返金した場合、そのまま出品が復活してしまうことになります。避けたい場合は、返金の操作をするときに「商品を再出品」のチェックを外してください。
なお、再出品されてから実際にサイトに表示されるまで、数時間かかることがあります。すぐ見えなくても操作は完了しています。
手数料の扱いも、自動と手動で違います。手動で再出品すると、eBay は元の出品と手動再出品の両方に基本出品料を請求します。ただし、再出品した商品が売れた場合は基本出品料の返金を申請できます。売れなかった分だけ費用が残る形です。
自動再出品を使えるカテゴリにも制限があります。販売事業、不動産、航空券、チケット、旅行、クーポンや商品券などは対象外です。車両カテゴリは最大 2 回までで、再出品ごとに元の出品手数料がかかります。
類似品を出品するは、既存の出品を型にする
一方の「類似品を出品する」は、既存の出品を下敷きにして新しい出品を作る操作です。タイトル、カテゴリ、Item Specifics、説明文、配送や返品の条件が入った状態から編集を始められます。
同じ商材を繰り返し扱っているなら、1 つよく作り込んだ出品が、そのままテンプレートになります。ゼロから作るより速いのは間違いありません。
類似品を出品する機能は、別の商品を出すためのものです。同じ商品をもう1つ出すために使うと、重複出品のポリシーに触れます。
類似品を出品するが効く3つの場面
原則を押さえたうえで、実際に効く場面を挙げます。どれも「別の商品を出す」という条件を満たしています。
同じシリーズの別の型番を出すとき。 ブランドもカテゴリも同じで、型番と仕様だけが違う商品です。カテゴリと配送条件と説明文の骨格がそのまま使えるので、直す欄が限られます。型として最も相性がいい場面です。直す欄が限られているぶん、どこを直すかを固定できるのも利点です。
個体差のある中古品を出すとき。 同じ型番でも、状態と付属品が個体ごとに違う商材があります。カメラ、楽器、時計のような分野です。共通の説明文と Item Specifics を型に持ち、写真と状態説明だけを個体ごとに差し替える運用ができます。
このケースは、重複出品との境界が微妙に見えるかもしれません。ただ、中古品は個体ごとに状態が違うので、それぞれが別の商品として扱われます。判断に迷うなら、「買い手にとって、この 2 つは選ぶ意味のある違いか」を考えてみてください。状態と価格が違えば、選ぶ意味があります。
一度売れた商品と同じ型で、別の商品を出すとき。 注文の一覧からも類似品を出品できます。売れた実績のある出品を型にすれば、少なくとも「売れる形になっていた出品」から始められます。売れなかった出品を型にし続けると、うまくいかなかった書き方をそのまま複製することになります。型の元は、意識して選んでください。
逆に、サイズ違い・色違いを増やす目的では使わないでください。これは次の次の節で扱うバリエーションの担当です。1 つの出品にまとめられるものを分けると、公式の推奨からも外れます。

重複出品のポリシーが引く線
ここが本記事の中心です。eBay は重複出品について、はっきりした条文を持っています。
固定価格は、同一商品につき1出品まで
購入者がさまざまな出品者からの商品を見ることができるよう、同一商品の固定価格出品については同じ出品者が一度に出品できるのは、1 出品のみです。
1 出品のみです。しかも、抜け道として思いつきそうなものは、そのまま名指しで禁止されています。
- 同一の商品を異なるカテゴリに出品すること
- 同一の商品を異なるユーザー名で出品すること
- 同一の商品にわずかなボーナス商品を追加するなどして、大差のない 2 つの出品をすること
3 つ目が効きます。「おまけを付けたから別商品」という理屈は通りません。単三電池のような汎用品を固定価格で複数出すことも、明示的に許されていないと書かれています。
ポリシーの理由も明記されています。購入者が幅広い出品者の商品を見られるようにし、1 人の出品者が検索結果を支配できないようにするためです。つまり、同じ商品を並べて露出を増やすという発想そのものが、このポリシーの狙う相手ということになります。
この理由が分かっていると、抜け道を探しても意味がないことが分かります。目的が「露出を増やす」である限り、形をどう変えても対象になる設計だからです。
措置の内容も書かれています。出品の削除、警告、アクティビティの制限、アカウント停止。出品が消えるだけでは済まない可能性があるということです。
コピー元の出品を残したまま、同じ商品を「類似品を出品する」で出すと、この条文に正面から当たります。タイトルを少し変えても、商品が同一である限り同じです。
オークションは複数出せるが、条件がある
オークション形式には別の扱いがあります。
以下の場合は同一のオークション型出品が可能です。スタート価格が同じであること。最低落札価格が同じであること。タイトルと説明が同じであること。「今すぐ買う」のオプションは使用しないでください。
条件は 4 つ。同じ条件で並べるなら可という設計です。価格や条件を変えて並べることは想定されていません。
さらに、表示のされ方にも制限があります。
入札のない重複したオークション型出品は、一度に 1 つしか購入者に表示されません。最初の出品に入札があるか終了すると、次の出品がサイトに表示されます。
同時に見せられるのは 1 つだけです。3 つ並べても、買い手の目に触れるのは順番に 1 つずつになります。露出を増やす目的で複数出す意味は、この時点でほぼありません。
意味があるとすれば、同じ商品を続けて売り切りたい場合です。1 つ目に入札が入れば次が出てくるので、終わるたびに出し直す手間は減ります。ただしこれは、固定価格で数量を持つほうが簡単です。オークションで並べる形が必要になるのは、1 点ずつ市場に値段を決めてもらいたい場合に限られます。
例外として認められている形
条文には例外も書かれています。
複数のデバイスに適合するように設計されている同一商品は、適合するブランドまたはモデルを明記して各出品を区別する場合に限り、最大 5 つの固定価格出品が許可されます。互換品を扱っている場合の規定です。
また、国際配送のオプションが個々のサイトの検索結果を乱さない場合に限り、同一の商品を異なる eBay サイトに別々に出品することはできます。

同じ商品を増やすなら、出品を増やさない
では、同じ商品が 2 個、10 個あるときはどうするのか。eBay は推奨する形をはっきり書いています。
eBay の一括出品を利用して、同一商品を同一の固定価格出品で出品する。サイズや色などのバリエーションがある商品を、同一の固定価格にバリエーションをつけて出品する。
出品の数ではなく、1 つの出品の中身を増やすというのが公式の方向です。出品を分ければ露出が増える、という発想とは逆向きになっています。
理由も別のページに書かれています。
出品の販売履歴は、ベストマッチ検索結果での位置を決定する要因の 1 つです。在庫が増えた場合は、高度な出品を作成するのではなく、既存の出品に追加してください。
ベストマッチで見られている材料が、その出品に積み上がっているということです。新しい出品を作れば、その積み上げはゼロから始まります。
数量を増やす
もっとも単純な形です。固定価格の出品には数量を指定でき、同じ出品で複数個を売れます。
数量を最新に保つ理由として、公式は 2 つ挙げています。1 つは前述の販売履歴。もう 1 つは売り過ぎを防ぐためです。在庫不足による注文のキャンセルは、出品者のレベルに影響を与えるおそれがあると明記されています。
バリエーションにまとめる
サイズ違い、色違いを扱うなら、バリエーションで 1 つの出品にまとめられます。
仕様はかなり余裕があります。
- 1 つの出品に最大 250 のバリエーション情報を、追加料金なしで含められる
- バリエーションの詳細は5 つまで(例: 色・サイズ・幅・素材・スタイル)、各詳細につき最大 50 の値
- 画像は各バリエーションにつき最大 24 枚
サイズ 5 種 × 色 5 種なら 25 通り。250 の枠には十分収まります。「類似品を出品する」でサイズ違いを 5 出品作るより、1 出品にまとめるほうが公式の推奨に沿っています。
ひとつ注意があります。再出品するとき、数量がゼロになっているバリエーション情報は、元の数量で再出品されます。売り切れた色が在庫ありの状態で戻ってくるということです。定期的に出し直すなら GTC を使うほうがいい、と公式も案内しています。
在庫なしオプションで枠を保つ
一時的に在庫が切れる商材では、在庫なしオプションが使えます。
数量がゼロになっても出品は進行中のまま維持され、検索結果には表示されなくなります。数量を戻すと、また表示されます。
これは「終了させて、入荷したら類似品を出品するで出し直す」の代わりになります。出品そのものが残るので、積み上がった販売履歴も残ります。公式も、在庫なしによる取引上の不具合を避けるのに役立つと案内しています。
覚えておく制約が 3 つあります。
- 設定は既存および今後のすべての一括出品に適用される(無効にするまで)
- 数量が 180 日間連続でゼロなら、eBay 側で出品を終了する
- 在庫なしを有効にして請求期間全体で数量ゼロなら、基本出品料などの返金対象になる場合がある
180 日は長いようで、季節商材だとあり得る長さです。永久に枠を確保できるわけではないことは押さえておいてください。
3 つの手段を、使い分けとして並べておきます。
| 状況 | 使うもの |
|---|---|
| 同じ商品が複数個ある | 数量を増やす |
| サイズ・色などの選択肢がある | バリエーションにまとめる |
| 一時的に在庫が切れた | 在庫なしオプション |
| 二度と扱わない | 出品を終了する |
この 4 つのどれにも当てはまらないときだけ、新しい出品を作ることを考えてください。 多くの場面は、上の 3 つで足ります。
判断の流れとして並べると、こうなります。
最初の分岐が、この記事でいちばん間違えられている場所です。「同じ商品かどうか」を、出品の見た目ではなく商品そのもので判断してください。 タイトルを変えても、写真を撮り直しても、商品が同じなら同じです。
引き継がれた値を、どこまで直すか
ここまでの条件をクリアして、別の商品を出すために類似品を出品するを使うとします。このとき最大の事故は、引き継がれた値を直し忘れることです。
型として優秀であることが、そのまま危険になります。前の商品の値が、それらしい顔をして全部入っているからです。空欄が並んでいれば埋めますが、何かが入っている欄は、確認された欄に見えます。
ゼロから作った出品なら、必須項目が空のままでは公開できません。型から作った出品は、全部埋まった状態で公開できてしまいます。安全に見えるほうが危ないという、少しややこしい構造になっています。
出品を送信する前に、少なくとも次の項目は新しい商品の値になっているかを見てください。
| 項目 | よくある取りこぼし |
|---|---|
| ブランド | 別ブランドの型を使い回したとき |
| 型番 | 型番違いは見た目で気づきにくい |
| モデル名 | 年式・世代が違うだけの商品 |
| 色 | 写真は差し替えたのに値が古いまま |
| サイズ | 数値だけが違うので見落としやすい |
| 素材 | 同じシリーズでも変わることがある |
| 製造年・製造国 | 中古品では個体ごとに違う |
これらは Item Specifics の項目です。埋まっていること自体は良いのですが、中身が違うまま埋まっているのは、空欄より悪いです。買い手はその値を見て買うからです。
空欄なら、買い手は「書かれていない」と分かります。間違った値が入っていると、書かれている情報として信じられます。絞り込み検索でも、その値を条件にした買い手のところへ表示されます。届いてから違うと気づく流れが、ここで作られます。
見直しの順番としては、写真より先に値をおすすめします。写真は違っていればすぐ気づきますが、値は最後まで気づかれません。
商品説明と違うものが届いたという申し立て(INAD)は、ここから生まれます。写真だけ差し替えて満足せず、値の側も見てください。
Item Specifics の入力品質そのものについては、別の記事にまとめてあります。
カテゴリを変えるなら、型を使い回さない
もうひとつ。カテゴリが違う商品に型を流用するのはおすすめしません。
カテゴリによって必須の Item Specifics が変わります。型に入っていた値がそのカテゴリでは使われず、逆に必須項目が空のまま残る、という状態になります。埋めるべき欄が変わるので、結局ほとんど作り直すことになります。
1件ずつではなく、まとめて実行する
「類似品を出品するは 1 件ずつの手作業だから、件数が増えると使えない」という説明を見かけます。これは実際の機能と違います。
eBay の一括出品ツールの説明には、こう書かれています。
一括出品ツールは、最大 2,000 件の出品を簡単かつ効率的に管理します。ツールを使用すると、出品者は商品を再出品したり、既存の出品を変更したり、類似商品を出品したり、複数の下書きを完了できます。
類似商品を出品することが、一括出品ツールの機能として明記されています。 2 つ以上の出品にチェックを入れて、まとめて実行できます。
一括出品の入口も、公式に列挙されています。
| セクション | 選べるアクション |
|---|---|
| 販売中の出品 | 編集 / 類似品を出品する / オークションに変更する / 複数の出品を作成する |
| 売れ残りの出品 | 再出品 / 固定価格として再出品 / 類似品を出品する |
| 在庫 | もう一度出品 / テンプレートを編集する |
| 下書き | 下書きを再開 |
| 注文 | 再出品 / 類似品を出品する |
注文からも類似品を出品できるのは、実務で効きます。売れた商品と同じものをまた仕入れたとき、注文の一覧からそのまま型を取り出せるということです。直近で売れた出品を型にすれば、実際に売れた実績のある内容を引き継げます。
ただし、ここでも原則は変わりません。同じ商品を仕入れ直したのなら、それは「別の商品」ではありません。在庫が戻ってきただけなら、在庫なしオプションで残していた出品の数量を戻すのが本来の形です。注文から類似品を出品するのが効くのは、売れた商品と同じ型で、違う商品を出すときです。
在庫の側と出品の側を、別々に考えないでください。「在庫が増えた」のか「新しい商品が増えた」のかで、使う機能が変わります。
一括編集では、出品カテゴリ・形式・状態で絞り込んでから操作できます。複数の出品の価格をまとめて増減させることも、開始時刻を日時指定することもできます。
もっとも、まとめて実行できることと、まとめて仕上げられることは別です。類似品を出品するで作られるのは編集前の状態なので、引き継がれた値を直す作業は残ります。件数分の下書きが一度にできるだけで、1 件ずつ中身を見る手間が消えるわけではありません。
それでも、入口を開く操作と、値を直す操作を分けられるのは大きい差です。まとめて下書きを作っておき、時間のあるときに中身を詰める、という進め方ができます。

型の置き場所を、出品の外に持つ
良い型を 1 つ作って正しく使い回す。この記事の内容は、運用としてはそこに落ちます。
私たちが開発している Trade Force は、商品・在庫・出品・注文・発送・売上をひとつの画面で管理する定額制の OMS(受注管理システム)です。
出品文とコンディション説明はテンプレートとして登録できます。同じ商材を繰り返し扱うなら、型を eBay の出品側ではなく手元に持っておく形になります。画面から eBay へ公開でき、修正もそのまま反映されます。すでに eBay 側にある出品を取り込むこともできます。
型を eBay の出品に置いておくと、その出品を終了したときに型も一緒に消えます。売れた出品を探しに戻る、という手順が要るのはそのためです。型を手元に持てば、出品の状態と切り離して使い回せます。
在庫の側では、在庫監視ツールが仕入れ先のサイトを定期的に巡回し、在庫と価格の変化を検知して取り込みます。在庫なしオプションを使うにしても、そもそも仕入れ先で切れたことに気づけていなければ動けません。気づくところを引き受ける部分です。
出品を一括で作る機能や、Item Specifics を自動で埋める機能はありません。型を作るのはセラーで、引き受けているのは、その型を保管して繰り返し使える状態にしておくことと、在庫の変化に気づけるようにしておくことです。
出品を増やすか、1つを育てるか
ここまでの内容は、突き詰めると 2 つの発想の違いです。どちらの発想で運用しているかで、使う機能も、当たるポリシーも変わります。
1つの出品を育てる
- 数量とバリエーションで選択肢を持つ
- 在庫が切れても在庫なしで枠を残す
- 販売履歴がその出品に積み上がる
- 公式が推奨している形
出品を増やして並べる
- 同一商品の固定価格は 1 出品までという条文に当たる
- カテゴリ違い・ユーザー名違いも禁止に含まれる
- オークションで並べても表示は 1 つずつ
- 措置には制限や停止が含まれる
「たくさん出したほうが売れる」という直感は、この市場では設計として否定されています。増やす方向に力を入れるより、1 つの出品の中身と履歴を厚くするほうが、公式の設計に沿っています。
類似品を出品する機能は、右側の発想で使うと危険で、左側の発想で使えば安全です。機能そのものに良し悪しがあるのではなく、何のために使うかで結果が変わります。
まとめ
似た商品を出すときの判断は、順番で整理できます。
同じ商品なら、出品を増やさない。 固定価格の同一商品は 1 出品まで。カテゴリを変えても、ユーザー名を変えても、おまけを足しても同じです。
同じ商品が複数あるなら、数量かバリエーションでまとめる。 販売履歴はその出品に積み上がるので、分けるほど不利になります。一時的に切れるなら、在庫なしオプションで枠を保てます。
別の商品を出すときだけ、型として使う。 ここが「類似品を出品する」の本来の用途です。
そして、引き継がれた値を必ず見直す。 ブランド、型番、モデル、色、サイズ、素材、製造年。型が優秀であるほど、直し忘れは気づきにくくなります。写真は違っていれば気づきますが、値は気づかれないまま公開されます。
カテゴリが違う商品には型を流用しない。 必須項目が変わるので、結局作り直しになります。
件数が増えても、1 件ずつやる必要はありません。 一括出品ツールから、複数選択してまとめて実行できます。ただし作られるのは編集前の下書きなので、値を直す作業は残ります。
最後に、この記事で扱わなかったことを書いておきます。「類似品を出品する」と再出品のどちらが検索に有利かという比較はしていません。公式に書かれているのは「販売履歴はベストマッチの要因の 1 つ」「在庫が増えたら既存の出品に追加する」までで、それ以上の断定はできないためです。
よくある質問
Q1.同じ商品を2つ出品したら、すぐに削除されますか
タイミングは分かりませんが、ポリシーとしては禁止されています。同一商品の固定価格出品を同じ出品者が同時に複数出すことは許可されていません。
措置には出品の削除、警告、アクティビティの制限、アカウント停止が含まれると書かれています。削除だけで済むとは限りません。
在庫が複数あるなら、出品を分けずに数量を増やしてください。
Q2.タイトルを変えれば別の出品として扱われますか
商品が同一であれば、タイトルを変えても同一商品の出品です。公式は、異なるカテゴリへの出品や異なるユーザー名での出品も禁止に含めています。
わずかなボーナス商品を追加して大差のない 2 つの出品にすることも、明示的に挙げられています。差をつける方向で回避しようとすると、この条文のどれかに当たります。
Q3.出品を作り直したほうがいい場合はありますか
あります。カテゴリを変える、商品の見せ方を根本から変えるといった場合です。中身を直しても動かない出品を、最後に作り直す判断はあり得ます。
ただし、その場合も前の出品を終了させてからにしてください。同一商品の固定価格出品を同時に 2 つ出すと、重複出品のポリシーに当たります。
そして、作り直すと積み上げはリセットされます。タイトルを少し変えただけで出し直すと、コストだけ払って結果は変わりません。
Q4.オークションなら同じ商品を複数出せますか
条件付きで可能です。スタート価格が同じ、最低落札価格が同じ、タイトルと説明が同じ、そして「今すぐ買う」を使わないこと。
ただし、入札のない重複したオークション型出品は一度に 1 つしか購入者に表示されません。最初の出品に入札があるか終了すると、次が表示されます。
露出を増やす目的で並べても、その効果は出ない設計になっています。
Q5.サイズ違いは別々に出品したほうがいいですか
バリエーションで 1 つの出品にまとめるほうが、公式の推奨に沿います。1 出品に最大 250 のバリエーション情報を、追加料金なしで含められます。
ただし、再出品するときに数量がゼロのバリエーションが元の数量で戻ってくる点には注意してください。定期的に出し直すなら GTC が推奨されています。
Q6.在庫が切れたら、いったん出品を終了させるべきですか
在庫なしオプションを使えば、終了させずに済みます。数量がゼロでも出品は進行中のまま維持され、検索結果からは外れます。数量を戻せば再表示されます。
終了させて出し直すと、その出品に積み上がっていた販売履歴は引き継がれません。入荷の見込みがあるなら、在庫なしのほうが有利です。
ただし数量が 180 日間連続でゼロなら、eBay 側で出品が終了されます。
Q7.仕入れ直した商品は、類似品を出品するで出せばいいですか
同じ商品を仕入れ直したのなら、それは「別の商品」ではありません。在庫が戻ってきただけです。
在庫なしオプションで出品を残していたなら、数量を戻せば検索結果に再表示されます。終了させてしまっていたなら再出品が該当します。
類似品を出品するを使うのは、その型で違う商品を出すときです。同じ商品で使うと、コピー元が残っている限り重複出品になります。
Q8.類似品を出品するで、どこまで自動で引き継がれますか
引き継がれる項目の一覧は公式ヘルプで確認できませんでした。実際にはタイトル・カテゴリ・Item Specifics・説明文・写真・各種ポリシーなど、多くが入った状態から始まります。
大事なのは、引き継がれる範囲を暗記することではなく、送信前に新しい商品の値になっているかを見ることです。特にブランド・型番・モデル・色・サイズ・素材・製造年は、違っていても画面上は自然に見えます。
参照リンク
本記事で参照した eBay 公式のページです。ポリシーや仕様は変更されることがあるため、実際の運用にあたっては最新の内容をご確認ください。
- eBay ポリシー 重複出品に関するポリシー — 固定価格は 1 出品まで、オークションの条件、互換品の例外、推奨される形
- eBay ヘルプ 商品の再出品 — 自動再出品の回数と対象者、返金時の自動再出品、手動再出品の手数料
- eBay ヘルプ 一括出品ツール — 最大 2,000 件、各セクションからの入口、まとめて実行できるアクション
- eBay ヘルプ マルチ数量出品とバリエーションのある出品 — 数量、バリエーションの上限、在庫なしオプション、販売履歴とベストマッチ
この記事を書いた人
Trade Force 運営チーム
越境EC向け販売管理ツール「Trade Force」の運営チーム。自らも eBay で日本のトレーディングカードを販売しており、現場の実体験に基づく情報を発信しています。
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