eBayの競合分析と差別化|構造を読む手順と、丸写しが危ない理由
この記事の3行要約
- 需要確認と競合分析は別の作業。「売れているか」と「なぜそのセラーが売れているか」は違う問い
- フィードバック数から販売件数は推定できない。自動フィードバックと週単位の丸めがある
- 差別化の打ち手は3つの層に分かれ、層によって真似されるまでの時間が違う
目次
- 1.はじめに
- 2.eBayの競合分析は、需要確認とは別の作業
- 3.eBay競合分析で、どのライバルセラーを見るか
- 4.eBay競合分析で、外から見えるものと見えないもの
- 5.eBay競合の出品一覧から、構造を読む
- 5-1.フィードバックのコメントは、運用の記録
- 6.売れた商品の履歴から、3つの切り口で読む
- 7.eBayで競合の丸写しが危ない3つの理由
- 8.eBayの差別化は3つの層に分かれる
- 9.差別化の打ち手を、どこから試すか
- 10.見えているのに、競合が使っていない差別化の打ち手
- 11.自分の出品も、外から同じように読まれている
- 12.自分の写真や説明文が、eBayで丸写しされたとき
- 13.eBayで競合が増えたときに、何をやめるか
- 14.eBay競合分析にかける時間を決める
- 15.セラーリサーチと、商品リサーチの組み合わせ方
- 16.分析の結果を、記録の形で残す
- 17.読み取った型を、出品に固定する
- 18.まとめ
- 19.よくある質問
- 20.参照リンク
はじめに
売れているセラーを見つけた。出品一覧を開いてみた。それで、次に何をすればいいのか。
ここで多くの人が「売れている商品をメモする」に進みます。それも必要な作業ですが、それは需要確認であって、競合分析ではありません。
競合分析で読むのは、商品ではなくそのセラーがどういう構造で売っているかです。何を、どの価格帯で、どういう出品の作り方で、どのくらいの数を並べているのか。構造が分かると、真似できる部分とできない部分が分かれます。
この記事では、構造の読み方と、丸写しが危ない理由、そして差別化の打ち手の選び方を扱います。需要確認そのものの手順は、別の記事にまとめてあります。
あわせて読みたい
eBayの競合分析は、需要確認とは別の作業
2 つの作業は、答える問いが違います。
| 需要確認 | 競合分析 | |
|---|---|---|
| 問い | この商品は売れるか | このセラーは、なぜ売れているか |
| 見るもの | 商品ごとの販売実績と価格 | セラーの出品構成、価格帯、出品の作り方 |
| 結果として得るもの | 仕入れ候補 | 自分の設計を見直す材料 |
| 頻度 | 仕入れのたび | ときどきでよい |
需要確認は毎回やる作業、競合分析はときどきやる作業です。ここを混ぜると、リサーチのたびに他のセラーのページを何時間も見ることになり、出品の時間がなくなります。
eBay競合分析で、どのライバルセラーを見るか
見るのは、扱いたい商材が重なり、規模が離れすぎておらず、今も動いていて、発送元が同じ国で、自分が続けられるやり方をしているセラーです。この記事では、評価数や販売件数の数値基準を示しません。規模の線は、扱う商材と自分の段階で変わるためです。
代わりに、観点で選びます。
自分が扱いたい商材と重なっているか。 重なっていないセラーの構造を読んでも、自分の判断には使えません。
規模が離れすぎていないか。 極端に大きなセラーは、独自の仕入れルートや配送の契約を持っていることがあります。外から見えている部分だけを真似ても、前提が違うので同じ結果になりません。逆に、始めたばかりのセラーは運用が固まっていないので、読み取れるものが少なくなります。
現在も動いているか。 何か月も新しい販売がないセラーは、過去の市場を見ていることになります。相場も、売れ筋も、競合の顔ぶれも変わっています。
発送元が同じ国か。 日本から送っているセラーと、現地から送っているセラーでは、送料も納期も前提が違います。到着までの日数が短いセラーと同じ価格で並ぶと、こちらが不利になります。同じ価格でも、バイヤーから見た条件が同じとは限りません。参考にするなら、条件の近いセラーを選ぶほうが読み取ったことを使えます。
自分が真似したいと思える運用をしているか。 数字は良くても、説明が雑で写真も使い回しというセラーはいます。逆に言えば、そういうセラーが上位にいる市場は、丁寧にやるだけで差が付く市場でもあります。そういうセラーの構造を読んでも、参考にできるのは「それでも売れている」という事実だけです。自分が続けられるやり方をしているセラーを選ぶほうが、読み取った内容をそのまま使えます。
見るのは数人で足ります。同じ商材の複数のセラーを並べると、共通している部分と、そのセラー固有の部分が分かれます。1 人だけを見ると、どちらなのか判断できません。
多くの日本のセラーは、日本への発送を除外しています。そのため、送り先が日本のままだと、これらのセラーの出品が検索結果に出てきません。
競合を探すときは、送り先を実際に売る国(米国など)に変えてから検索してください。手順は eBay の画面で変わるので書きませんが、設定を変えるだけで見える範囲が変わるということは知っておいてください。
eBay競合分析で、外から見えるものと見えないもの
分析を始める前に、線を引いておきます。外から見えないものを推測で埋めると、その推測の上に判断を重ねることになります。
外から見えるもの
- 出品一覧とカテゴリの構成
- 売れた商品と、売れた日付
- 価格、出品形式、送料の設定
- タイトルと Item Specifics の埋め方
- フィードバックのコメント
外からは見えないもの
- 仕入れ値と仕入れ先
- 実際の利益
- 在庫を持っているかどうか
- 返品率、キャンセル率
- 販売件数の正確な数
最後の 1 つについて、補足します。フィードバックの数から販売件数を推定することはできません。
理由は 2 つあります。ひとつは、取引に問題がなく追跡どおりに配達されると、配達から 7 日で eBay が自動でポジティブ評価を付ける経路があること。もうひとつは、同じ出品者からの複数の販売は、同じ週にまとまると合計 1 点までしかスコアに加算されないことです。
「フィードバック数 × 数倍 = 月の販売個数」という推定式を見かけますが、この 2 つの仕様がある以上、掛け算では出せません。
あわせて読みたい

eBay競合の出品一覧から、構造を読む
見えるものだけで、読み取れることはかなりあります。
出品数そのもの。 まず全体の件数を見ます。数百なのか数千なのかで、そのセラーの運用の形が変わります。数千あるなら、1 件ずつ手で作ってはいないはずです。自分が同じ件数を扱えるかどうかを、先に考える材料になります。
カテゴリの構成。 出品一覧の絞り込みで、カテゴリごとの件数が分かります。1 つのカテゴリに集中しているか、広く並べているか。集中しているセラーは、そのカテゴリの中で深く在庫を持っています。広く並べているセラーは、当たりを広く探しています。どちらが正しいという話ではなく、自分がどちらの型なのかを決める材料になります。
価格帯の分布。 並べ替えを変えながら、最安値と最高値、そして多くが集まっている帯を見ます。自分が狙う帯と重なっているかどうかが、いちばん知りたいことです。
出品形式。 即決だけか、ベストオファーを受けているか、オークションを混ぜているか。オファーを受けているなら、表示価格は交渉の入口として置かれている可能性があります。
出品中の数と、売れた数の関係。 出品数に対して売れている数が少ないなら、量で当てにいく型です。少ない出品でよく売れているなら、選び方の精度が高い型です。
タイトルの作り方。 何を先頭に置いているか、末尾に何の語を足しているか。同じ商材の複数のセラーで共通している語があれば、それはその市場で使われている検索語です。検索で上に出るための打ち手全体の順番は、eBay SEOの記事にまとめています。
Item Specificsの埋め方。 どこまで細かく埋めているか。埋めていない項目が多いなら、そこは自分が差を付けられる場所です。
あわせて読みたい
フィードバックのコメントは、運用の記録
見落とされがちなのが、フィードバックのコメントです。バイヤーが何を褒め、何に不満を書いているか。ここには、そのセラーの運用の強みと弱みが出ます。
不満のコメントが集まっている部分は、自分が差を付けられる場所でもあります。発送が遅い、説明が不足している、梱包が雑。そのセラーが取りこぼしている需要が、そこにあります。
褒められている部分も同じくらい重要です。そこはその市場でバイヤーが価値を感じている点なので、自分の出品でも満たしておく必要があります。満たしたうえで、不満が出ている部分で差を付ける。この 2 段構えが、いちばん確実です。
コメントは英語なので読むのに時間がかかりますが、同じ語が繰り返し出てくるかどうかを見るだけでも傾向はつかめます。1 件だけの不満は個別の事情かもしれませんが、同じ内容が何度も出ているなら運用の問題です。
売れた商品の履歴から、3つの切り口で読む
出品一覧の次に見るのが、売れた商品の履歴です。ここは商品を拾う場所でもありますが、読み方を変えると構造が見えます。
直近で売れているもの。 売れた日付を見て、直近のものを拾います。今の市場で動いていることの確認になります。ただし、直近で売れたということは、他のセラーも同じ画面を見ているということでもあります。
繰り返し売れているもの。 同じセラーが同じ商品を何度も売っているなら、安定した需要があるか、そのセラーが継続して仕入れられるルートを持っているかのどちらかです。後者なら、自分は同じ条件で仕入れられません。ここを確かめずに追いかけると、価格で負けます。
最近になって出品されたもの。 まだ売れていないが、そのセラーが仕入れたということは、売れると判断したということです。判断の精度が高いセラーなら、この情報は早い段階の材料になります。ただしまだ結果が出ていないので、確認は自分でやることになります。
3 つとも、そのまま同じ商品を出す材料ではなく、そのセラーが何を売れると考えているかを読む材料として使うほうが、結果的に長く効きます。
eBayで競合の丸写しが危ない3つの理由
競合分析の結果を、そのまま出品に移すのは危険です。理由が 3 つあります。
1. 後発として不利になる。 同じ商品を同じ価格で出しても、販売履歴と評価が積み上がっているセラーが先にいます。価格で下回るしかなくなり、利益が削れます。
2. 権利侵害になりうる。 eBay の知的財産に関するポリシーは、第三者の写真・画像・動画を許可なく使うことと、ウェブサイトやカタログからコピーした文章を使うことを著作権侵害の例として挙げています。他のセラーの出品から画像や説明文を持ってくるのは、この型に当たります。
eBay 自身が「出品のコンテンツは自分自身で作成」するよう案内していて、自分で文章を書き、自分で写真を撮ることを確認事項の 1 つ目に置いています。
あわせて読みたい
3. 相手の前提を引き継げない。 仕入れ値も、在庫の持ち方も、対応にかけられる時間も違います。同じ価格で出しても、自分の利益は別の数字になります。
eBayの差別化は3つの層に分かれる
同じ商品を扱っていても、差を付けられる場所は商品・出品・取引の 3 つの層に分かれます。層によって、真似されるまでの時間が違います。
| 層 | 打ち手 | 真似されるまで |
|---|---|---|
| 商品で差を付ける | 扱う商材、仕入れルート、状態のグレード、セット構成 | 遅い。仕入れ側の話なので外からは見えにくい |
| 出品で差を付ける | タイトル、写真、説明、Item Specifics の埋め方 | 速い。全部見えている |
| 取引で差を付ける | 発送の速さ、梱包、返品の受け方、問い合わせの返信 | 中くらい。真似はできるが、続けるのが難しい |
いちばん真似されにくいのは、いちばん外から見えない層です。出品の作り方はすぐに真似されますが、仕入れルートは真似できません。
一方で、すぐに手を付けられるのは真似されやすい層でもあります。今日から変えられるのは出品の作り方で、仕入れルートは時間がかかります。

差別化の打ち手を、どこから試すか
試す順番の目安は、出品 → 取引 → 商品です。費用と時間のかからない層から始めます。
まず、出品の層。 費用がかからず、今日から変えられます。写真を撮り直す、説明を書き直す、Item Specifics を埋める。競合が埋めていない項目を埋めるだけで、絞り込みに引っかかる範囲が変わります。ここは効果が出るまでの時間も短く、変えた前後で比べやすい層です。
次に、取引の層。 発送を早くする、梱包を丁寧にする、返品を受ける。ここは費用と手間がかかりますが、フィードバックのコメントに残り、次のバイヤーの判断材料になります。
最後に、商品の層。 仕入れルートを開拓する、扱う商材の幅を変える、セットで売る。時間がかかりますが、いちばん長く効きます。
いちばん簡単なのは値下げですが、真似されるまでの時間がいちばん短い打ち手でもあります。相手も下げれば、両方の利益が減っただけで終わります。
高く売るための材料を先に作るほうが、長く効きます。
価格そのものの設計は、別の記事にまとめています。
このあと紹介している記事 (4 本)
見えているのに、競合が使っていない差別化の打ち手
競合を見ていると、多くのセラーが使っていない機能が見えてきます。使われていないということは、そこが空いているということです。
- バイヤーへのオファーを送っているか
- ベストオファーを受け付けているか
- まとめ買いの割引を設定しているか
- 商品説明に、質問への答えを先回りして書いているか
これらは設定や書き方の話で、費用がほとんどかかりません。競合が全員やっていないなら、やるだけで差になります。逆に、全員がやっているなら、それは差ではなく前提です。
自分の出品も、外から同じように読まれている
ここまでは見る側の話でした。同じことが、自分の出品にも起きています。
外から見えるものの一覧は、そのまま自分にも当てはまります。出品一覧とカテゴリの構成、売れた商品と売れた日付、価格と送料の設定、タイトルと Item Specifics の埋め方、フィードバックのコメント。読み取ろうと思えば、そのまま読み取れる情報です。
年に一度でよいので、送り先を売る国にしたうえで、自分のストアページを開いてみてください。そこに出ているのが、競合が見ている画面です。
確かめるのは 3 つです。
構成が読み取れる形になっているか。カテゴリがばらけていると、何を扱う店なのかが伝わりません。これは競合の前に、バイヤーに対しての話でもあります。
取りこぼしが、そのまま見えていないか。埋めていない Item Specifics、使い回している写真、同じ内容が繰り返し出ているフィードバックのコメント。自分が競合に対して探している場所と、同じ場所です。
真似されて困るものが、出品の層にあるか。あるなら、前の節のとおり、その層はいちばん速く真似されます。困るのであれば、商品か取引の層へ軸を移す時期に来ているということです。
見られること自体は止められません。読まれる前提で、読まれて困らない形にしておくというのが、現実的な向き合い方だと思います。
自分の写真や説明文が、eBayで丸写しされたとき
自分で撮った写真や自分で書いた説明文を、ほかのセラーがそのまま使っていたら、eBay に報告できます。権利を持つ人のための窓口として、公式は VeRO(知的財産保護プログラム)を案内しています。
丸写しが危ない理由のところで引いた知的財産に関するポリシーは、第三者の写真・画像・動画を許可なく使うことと、コピーしたクリエイティブテキストを使うことを、著作権侵害の例に挙げていました。同じ条文が、今度は自分を守る側で効きます。
同じポリシーのよくある質問は、著作権所有者が侵害している出品を報告する方法として、VeRO と一般的な報告機能の 2 つを挙げています。そのうえで、VeRO は著作権所有者専用のプログラムなので参加を勧める、と書いています。
報告する前に、手元で揃えておくものがあります。
- 自分が撮った写真だと示せるもの。撮影したときの元の画像を、出品用に加工する前の形で残しておきます
- 相手の出品の特定。どの出品の、どの写真や文なのか
- 自分の出品の特定。先に公開していたのはどちらか
報告の扱いについて、公式ヘルプが書いていることが 2 つあります。報告の内容や添付した情報は、報告された側のユーザーに転送されることがあること。そして、報告は誠意をもって、正確かつ完全な情報で送る必要があり、明らかに根拠のない報告を繰り返すと処理を止められることがあることです。
だから、線ははっきり引いておきます。ポリシーが例に挙げているのは、写真の無断使用とコピーした文章です。同じ商品を扱っていること、似た価格で出していること、説明の順番が似ていることは、その例に入っていません。気に入らない競合を下げる手段として報告を使うと、根拠のない報告の側に入ります。
そして、コピーされたからといって、相手の出品をこちらも写し返さないことです。報告すべき出品が、2 つに増えるだけです。
eBayで競合が増えたときに、何をやめるか
同じ商材に出品者が増えると、価格が下がります。ここで取れる動きは 3 つあります。
同じ土俵で戦う。 価格を合わせ、量で勝負します。資金と作業時間に余裕があるなら成立しますが、どちらの余裕も無限ではありません。
土俵をずらす。 同じカテゴリの中で、競合が扱っていない状態やグレード、周辺の商材に寄せます。売れる数は減るかもしれませんが、価格を守れます。
降りる。 その商材から抜けて、別の商材に資金を移します。感情的には難しい選択ですが、その商材に張り付けている資金が、別の場所ではもっと働くなら合理的です。時間をかけて覚えた商材ほど手放しにくくなりますが、覚えた知識は次の商材でも使えます。
判断の材料は、回転と利益率です。競合が増えて回転が落ち、値下げで利益率も落ちているなら、資金の効率は二重に悪化しています。片方だけを見ていると、この二重の悪化に気づけません。
eBay競合分析にかける時間を決める
最後に、時間の話をします。
競合分析は、やろうと思えばいくらでも時間を使えます。出品一覧を眺め、フィードバックを読み、価格を比べる。そして、その時間には出品が 1 件も増えません。
対策は 2 つです。
時間を区切る。 1 人あたり何分、と決めて始めます。区切らないと、読み終わる基準がありません。
頻度を決める。 毎日やる作業ではありません。月に一度、あるいは商材を変えるときに集中してやるほうが、比較もしやすくなります。
そして、分析の結果を、その場で 1 つの行動に変えることです。「タイトルの型を変える」「Item Specifics を埋め直す」でも構いません。行動に変わらない分析は、次の月にもう一度同じことをやることになります。
もうひとつ、見ているうちに手が止まるという副作用もあります。よくできたセラーの出品を並べて見ていると、自分の出品が見劣りして、直すべき箇所が無限にあるように感じます。全部直そうとすると、その日の出品が 1 件も進みません。1 回の分析で変えるのは 1 か所と決めておくと、この状態を避けられます。
セラーリサーチと、商品リサーチの組み合わせ方
セラーリサーチと商品リサーチは、往復で使うと効きます。
セラーから入る場合。 気になるセラーの出品一覧から、売れている商品を拾う。そこから、その商品の市場を商品リサーチで確かめる。セラーの判断を借りて、確認は自分でやるという形です。
商品から入る場合。 売れている商品を見つけたら、それを売っているセラーを見る。同じ商品を複数のセラーが扱っているなら、価格と出品の作り方の違いが、そのまま差別化の材料になります。
どちらから入っても、確認は自分の数字でやることだけは変わりません。相手が利益を出しているかどうかは、外からは分かりません。
分析の結果を、記録の形で残す
読み取ったことは、そのままだと数日で忘れます。残す形を決めておくと、次の分析が前回の続きから始められます。
残しておく価値があるのは、次のあたりです。
- 見たセラーと、見た日付。 同じセラーを 3 か月後に見ると、構成が変わっていることがあります。変化そのものが情報になります
- 共通していたこと。 複数のセラーで同じだった部分は、その市場の前提です
- 1 人だけがやっていたこと。 そのセラー固有の工夫か、あるいは失敗しているやり方かのどちらかです
- 自分がやっていなかったこと。 ここが行動に変わる部分です
書き方は表でもメモでも構いませんが、同じ項目で残すことだけ揃えてください。項目が毎回違うと、前回と比べられません。
記録は、自分の出品と並べて見られる形にしておくと使いやすくなります。「このカテゴリでは競合がこう書いている、自分はこう書いている」という形で並ぶと、差が具体的な文字列として見えます。
比較できる形で残っていると、たとえば前は集中型だったのに広く並べるようになった、のような変化に気づけます。相手が何かを変えたということは、その商材で何かが起きているということです。
読み取った型を、出品に固定する
競合分析でいちばん惜しいのは、読み取ったことが記憶にしか残らないことです。「このカテゴリはタイトルの先頭に型番を置く」と分かっても、次に出品するときには忘れています。
Trade Force は、eBay 輸出の商品・在庫・出品・注文・発送・売上をひとつの画面で管理する定額制の OMS です。出品文とコンディション説明をテンプレートとして持てるので、読み取った型を、そのまま出品の形として固定できます。カテゴリごとに書き方を決めておけば、毎回考え直す必要がありません。
売上は期間を指定して確認でき、販売数・注文数・売上金額・手数料・返金額・入金額が並びます。打ち手を変えた前後で比べる材料が、ここから取れます。
バイヤーは顧客として記録され、メッセージは画面からそのまま返信できます。取引の層で差を付けるときの土台になります。
Trade Force のサービス紹介からご覧ください。
まとめ
競合分析と需要確認は別の作業です。 「この商品は売れるか」と「このセラーはなぜ売れているか」は、違う問いです。
見えないものを推測で埋めないでください。 仕入れ値も利益も返品率も、外からは分かりません。フィードバック数から販売件数を推定することもできません。
丸写しには 3 つの危険があります。 後発として不利になること、画像や文章のコピーが権利侵害になりうること、相手の前提を引き継げないこと。
逆に丸写しされたときは、報告の窓口があります。 自分の写真や文章が使われていたら VeRO か報告機能から伝えられます。ただし、同じ商品を似た価格で出していることは、その対象ではありません。
差別化は 3 つの層に分かれます。 出品の層はすぐ変えられて真似されやすく、商品の層は時間がかかって真似されにくい。順番は、出品 → 取引 → 商品です。
時間を区切ってください。 分析には出品が 1 件も増えません。結果を 1 つの行動に変えてから終わります。
よくある質問
Q1.どのくらいの規模のセラーを参考にすればいいですか
数値の基準はこの記事では示しません。規模の線は、扱う商材と自分の段階で変わるためです。
観点としては、扱いたい商材が重なっていること、規模が離れすぎていないこと、現在も動いていることの 3 つで選んでください。
Q2.フィードバック数から、月の販売数は分かりますか
分かりません。取引に問題がなく追跡どおりに配達されると eBay が自動でポジティブ評価を付ける経路があり、同じ週の複数販売は合計 1 点までしか加算されないためです。
掛け算で推定する式を見かけますが、この 2 つの仕様がある以上は成り立ちません。
Q3.競合の画像や説明文を参考にするのはどこまで許されますか
コピーは避けてください。eBay の知的財産に関するポリシーは、第三者の写真・画像・動画を許可なく使うことと、ウェブサイトやカタログからコピーした文章を使うことを著作権侵害の例に挙げています。
eBay 自身が、自分で文章を書き、自分で写真を撮るよう案内しています。読み取るのは構成や順番であって、中身ではありません。
Q4.差別化は何から始めればいいですか
出品の層からです。写真、説明、Item Specifics。費用がかからず、今日から変えられます。
競合が埋めていない項目を埋めるだけでも、絞り込みに引っかかる範囲が変わります。
Q5.値下げは差別化になりますか
なりますが、真似されるまでの時間がいちばん短い打ち手です。相手も下げれば、両方の利益が減って終わります。
高く売るための材料を先に作るほうが、長く効きます。
Q6.競合が増えて売れなくなったら、どうすればいいですか
取れる動きは 3 つです。同じ土俵で価格と量で戦う、扱う状態や周辺の商材に土俵をずらす、その商材から降りて資金を別へ移す。
判断の材料は回転と利益率の両方です。回転が落ちて値下げで利益率も落ちているなら、資金の効率は二重に悪化しています。
Q7.自分の出品も、競合から読まれていますか
読まれます。外から見えるものの一覧は、そのまま自分にも当てはまります。出品一覧の構成、売れた日付、価格と送料、Item Specifics の埋め方、フィードバックのコメント。
年に一度でよいので、送り先を売る国にしたうえで自分のストアページを開いてみてください。自分が競合に対して探している場所と、同じ場所が見えます。
Q8.競合に自分の写真をコピーされたら、どうすればいいですか
eBay に報告できます。知的財産に関するポリシーは、第三者の写真を許可なく使うことを著作権侵害の例に挙げていて、著作権所有者の報告窓口として VeRO(知的財産保護プログラム)を案内しています。一般的な報告機能から報告することもできます。
報告の内容は相手に転送されることがあり、根拠のない報告を繰り返すと処理を止められることがあります。撮影したときの元の画像を残しておき、どの出品のどの写真かを特定してから送ってください。
Q9.競合分析はどのくらいの頻度でやればいいですか
毎日やる作業ではありません。月に一度、あるいは商材を変えるときに集中してやるほうが、比較もしやすくなります。
時間を区切り、結果を 1 つの行動に変えてから終わってください。
参照リンク
- 出品者へのフィードバックを投稿する(eBay 公式ヘルプ) — 自動フィードバックの条件、同じ週の複数販売がスコアに 1 点しか加算されないこと
- 出品者の評価(eBay 公式ヘルプ) — 出品ページに出る割合と括弧内の数字が何を指すか
- 知的財産に関するポリシー(eBay 公式ヘルプ) — 第三者の写真や文章のコピーが著作権侵害の例に挙がっていること、出品のコンテンツは自分で作成するという案内、著作権所有者の報告窓口が VeRO であること
- eBayのコンテンツを報告する(eBay 公式ヘルプ) — 報告の送り方、報告内容が相手に転送されうること、根拠のない報告の扱い
- Verified Rights Owner program(eBay 公式) — 権利所有者が侵害している出品を報告するためのプログラム





