eBayで急に売れなくなったら|落ちた場所を数字で切り分ける4手順
この記事の3行要約
- 落ちたと決める前に比べる相手を決める。数日の静けさは、落ちたうちに入らない
- 表示が減ったのか、開かれないのか、開かれても売れないのか。直す場所はここで変わる
- 確認の順番は自分側から。手前ほど今日直せて、外側ほど自分の失敗ではない
目次
- 1.はじめに
- 2.eBayで急に売れなくなったと感じたら、比べる相手を先に決める
- 3.どの数字が落ちたかで、直す場所が変わる
- 3-1.「率」を見るときは、分母を確かめる
- 4.落ちたのは全体か、特定の出品か
- 5.開かれない、売れない。それぞれで見る場所
- 5-1.表示はされるのに開かれないとき
- 5-2.開かれているのに売れないとき
- 6.手順①自分側:出品の数と中身、そして最近の変更
- 6-1.公開中の出品数が、いつのまにか減っていないか
- 6-2.出している中身が、需要から外れていないか
- 6-3.ここ数週間で、自分が何を変えたか
- 7.手順②評価と順位:毎月20日に、eBayから見た自分が更新される
- 8.手順③市場側:季節・競合・制度は、自分の失敗ではない
- 9.手順④数字の見え方:落ちていないのに、落ちたように見える
- 10.やってはいけない3つ
- 11.直す場所が分かったあと、何日待つか
- 12.落ちる前に気づくために、月ごとの数字を残す
- 13.まとめ
- 14.よくある質問
はじめに
昨日まで届いていた注文の通知が、ぱたりと止まる。eBay で急に売れなくなったと感じる時期は、続けていれば誰にでも来ます。そして何日か続くと、出品を見返して「どこが悪かったのか」を探し始めます。
この探し方には問題があります。悪いところを探すのは、原因を特定する作業ではないからです。眺めていれば直したい箇所はいくらでも見つかりますし、そのほとんどは今回の原因ではありません。
急に売れなくなったときに必要なのは、直す場所を先に絞ることです。そして絞るための材料は、感覚ではなく数字のほうにあります。
この記事では、確認の順番を 4 つに分けます。手前ほど自分で今日直せて、外側ほど自分の失敗ではない、という並びです。
eBayで急に売れなくなったと感じたら、比べる相手を先に決める
最初にやるのは、本当に落ちているのかの確認です。
数日の静けさは、落ちたうちに入りません。週末に集中して売れる商材もあれば、月初と月末で動きが違う商材もあります。3 日注文がないだけで手を入れ始めると、変えた影響と自然な揺れが混ざって、何も分からなくなります。
比べる相手は 2 つ用意します。
- 先月の同じ期間。直近の変化を見るための比較です
- 前年の同じ月。季節の波を除くための比較です
前年と比べられるのは、1 年以上続けている場合に限られます。まだそこまで経っていないなら、月ごとの数字を残しておくところから始めてください。今回は判断できなくても、来年の同じ時期には使えます。
どの数字が落ちたかで、直す場所が変わる
比べる相手が決まったら、次はどの数字が落ちたかです。ここが切り分けの入口になります。
eBay の Seller Hub の Traffic レポートには、出品が検索結果に表示された回数(インプレッション)と、商品ページが開かれた回数(ページビュー)、そして売れた数の推移が出ます。この 3 つのうち、どこから落ちているかで直す場所がまったく違います。
インプレッションから落ちているなら、そもそも検索結果に出ていません。原因は露出の側で、公開中の出品数、検索順位、季節のどれかです。
表示はされているのに開かれないなら、検索結果の一覧で選ばれていません。並んだときに見えているのは、1 枚目の写真とタイトルと価格です。
開かれているのに売れないなら、ページの中身で迷わせています。説明、状態の書き方、送料、支払う総額。ここが疑わしい場所になります。
「率」を見るときは、分母を確かめる
指標の名前だけで判断すると間違えるので、定義を確認しておきます。eBay の開発者向けドキュメントには、こう書かれています。
| 指標 | 何を何で割ったものか |
|---|---|
| クリック率(CTR) | eBay からのページビュー ÷ インプレッション。外部からのページビューは含まない |
| 成約率 | 販売数量 ÷ 総ページビュー(eBay からのものと外部からのものの両方) |
同じ「率」でも、分母が違います。クリック率は eBay の中だけの話で、成約率は外部からの流入も混ざります。
もうひとつ、混同されやすいものがあります。ここでいう成約率の分母はページビューであって、出品数ではありません。「出品したうちの何%が売れたか」を計算したいなら、それは別の数字です。両者を取り違えると、必要な出品数の見積もりが大きくずれます。

落ちたのは全体か、特定の出品か
3 つの数字を見る前に、もうひとつ分けておくと早くなります。全体が落ちたのか、一部の出品だけが落ちたのかです。
| 全体が落ちている | 特定の出品だけ落ちている | |
|---|---|---|
| 疑うところ | アカウント側(セラーレベル・出品数)、季節、制度 | その出品の中身、競合の値付け、在庫の状態 |
| 確かめ方 | 月ごとの合計を前年と比べる | 落ちた出品と、落ちていない出品を並べて違いを探す |
| 動かす順番 | アカウント側から。個別を直しても戻らない | その出品だけ。全体をいじらない |
よく売れていた商品が 1 つ止まっただけなのに、全体の設定を見直し始めてしまうことがあります。逆に、アカウント全体の評価が落ちているのに、特定の出品の写真を撮り直していることもあります。
見分け方は単純で、落ちていない出品があるかどうかです。まだ普通に売れているものがあるなら、原因はアカウント全体ではなく、その出品の側にあります。
開かれない、売れない。それぞれで見る場所
3 つの数字のうち、どこで途切れたかが分かったとします。次は、その場所ごとの具体です。
表示はされるのに開かれないとき
検索結果に並んだ状態で見えているのは、多くありません。1 枚目の写真、タイトル、表示価格の 3 つです。開かれないなら、この 3 つのどれかで選ばれていません。
1 枚目の写真。一覧では小さく表示されるので、引きで撮った写真は何が写っているか分かりません。並んだ他の出品と自分の出品を、同じ画面で見比べてみてください。
タイトル。検索に引っかかるかどうかと、引っかかったあとに読まれるかどうかは別です。使える文字数を余らせていないか、逆に語を詰め込みすぎて読めなくなっていないかを確認します。
表示価格。送料込みで見せているか別建てか、というだけでも並んだときの印象は変わります。総額が同じでも、一覧に出る数字は違います。
開かれているのに売れないとき
ページを開いた人が買わなかったのなら、迷わせているものがページの中にあります。見る順番は、買い手が気にする順です。
支払う総額。商品価格に送料や関税の扱いが乗ったあとの金額です。ページを開いて総額を見た瞬間に離脱している可能性があります。
到着予定日。いつ届くかが分からない、あるいは遅すぎると、それだけで見送られます。
状態の説明。中古を扱っているなら、傷や使用感の書き方が足りているかどうかです。写真で分かることでも、文章で書いてあるほうが安心されます。
返品の条件。受け付けるかどうか、期間、送料の負担。ここが空欄に近いと、高額なものほど決め手を欠きます。
このうち総額と到着予定日は、出品を直さなくても発送方法の選択肢を足すだけで変えられることがあります。手を入れる順番としては先に来ます。
手順①自分側:出品の数と中身、そして最近の変更
数字を見たら、次は自分側です。外側から疑い始めると時間がかかるので、自分で今日直せるところから確かめます。
公開中の出品数が、いつのまにか減っていないか
まず数えるのは、公開中の出品の数です。
売れた商品は棚から消え、期間の切れた出品も消えます。新規出品の手が止まっていると、本人は「先月と同じくらい並べているつもり」でも、実際の出品数は減っています。そして表示される回数は、並んでいる数に引っ張られます。
ピーク時の出品数と今の出品数を比べて、いつから新規出品が止まっていたかを確かめてください。ここに原因があるなら、対策は値下げではなく出品を増やすことになります。
出している中身が、需要から外れていないか
数を保っていても、中身が変われば結果は変わります。
最近の出品は、売れた実績を確かめて選んだものだったでしょうか。それとも、手元にあるものをそのまま並べただけだったでしょうか。ここは正直に振り返る価値があります。セルスルーレートの高い商材が並んでいるかどうかで、同じ出品数でも結果は変わります。
ここ数週間で、自分が何を変えたか
意外と忘れられているのが、自分の変更です。
- 価格や送料を変えた
- 出荷までの日数や返品条件を変えた
- 広告を止めた、料率を下げた
- 出品のテンプレートを変えた
- 新規出品の手が止まっていた
どれも売上に直結する変更ですが、変えた本人ほど忘れています。いつ何を変えたかを記録しておくと、この切り分けは一気に速くなります。手帳でもメモアプリでも構いません。
手順②評価と順位:毎月20日に、eBayから見た自分が更新される
自分側に心当たりがなければ、次は eBay から見た評価です。
eBay の公式ポリシーには、こう書かれています。
eBayでは、最近の販売に基づいて毎月20日にパフォーマンスを評価し、次の出品者のレベルの1つを割り当てます。
「20 日を境に売れ方が変わった気がする」というときは、まずここを見てください。セラーレベルが下がっていれば、影響は 20 日から出ます。
判定の基準も公開されています。
| 項目 | 許容される範囲 |
|---|---|
| 取引不良率 | 評価期間内の取引の 2% まで。ただし異なる購入者 4 人以上に関連する場合にのみ標準以下と評価される |
| セラーが解決せずに終了したケース | 2 件まで、または取引の 0.3% まで(いずれか高い方) |
| 発送遅延率 | これが高いことだけを理由に標準以下と評価されることはない(最高評価の条件には含まれる) |
最後の行は誤解が多いところです。発送遅延率は大事な指標ですが、それ単体で標準以下になるわけではありません。混同したまま原因を探すと、見当違いのところを直すことになります。
標準以下と評価されたときに何が起きるか、どう戻すかは、別の記事にまとめてあります。
出品者ダッシュボードでは、現在のレベルに加えて「本日評価された場合のレベル」も確認できます。次の 20 日を待たずに、悪化しているかどうかが分かるということです。何も知らせが来ていないことは、確認したことにはなりません。
手順③市場側:季節・競合・制度は、自分の失敗ではない
ここまでで心当たりがなければ、原因はおそらく自分の外にあります。
季節。eBay の売れ行きには年間の波があります。特定の月を挙げることはしませんが、自分の商材で去年の同じ時期がどうだったかを見れば、波かどうかは判断できます。前年の数字を残しておく価値は、ここに出ます。
競合。同じ商品を出すセラーが増えた、値下げが始まった、というだけで自分の売上は動きます。売れている商品ほど競合を呼び込みます。今の相場と出品者の数は、販売実績から確かめられます。
制度と為替。買い手が最終的に払う総額が変わる出来事があると、買い控えや様子見が起きることがあります。関税の扱いが変わったときなどがこれに当たります。
市場側が原因のときにやることは、値下げで逆らうことより鈍い時期に出品を整え、リサーチを進めて、波が戻る時期に備えるほうです。売れない時期にやった手入れは、市場が戻ったときに返ってきます。
ここでひとつ書いておきたいことがあります。原因の場所と、責める場所を混ぜないでください。自分側の原因は直せばいいだけで、責める必要はありません。市場側の原因に至っては、そもそも自分のものですらない。どちらにしても、自分を責める場面はありません。

手順④数字の見え方:落ちていないのに、落ちたように見える
最後に、数字の見え方の話をしておきます。実際には落ちていないのに、落ちたように見えることがあります。
返金が売上から引かれている。先月の取引の返金が今月に立つと、今月の売上だけが低く出ます。件数は変わっていないのに金額だけ落ちている場合は、これを疑ってください。
単価の高いものが 1 件売れていただけだった。前の月にたまたま高額品が売れていると、翌月は同じ件数でも金額が落ちます。件数と金額は分けて見る必要があります。
通貨が違う。ドルの売上は変わっていないのに、円に替えた額が減っていることがあります。この場合、直すべきものは出品側にありません。
期間の区切りがずれている。30 日の月と 31 日の月、週末の数が違う月。細かい話に見えますが、比率で見れば数%の差になります。
売上金額だけを見て手を入れ始める前に、件数のほうも並べてみてください。金額と件数が違う動きをしているなら、原因は出品ではなく構成のほうにあります。
やってはいけない3つ
売れない時期にやりがちな対応を挙げておきます。どれも焦りが選ばせるものです。
値下げの連打。原因が露出の側にあるとき、値下げは売上を戻さずに利益だけを削ります。誰も見ていない場所で札を下げても、見る人は増えません。下げるなら「開かれているのに売れていない」ことを数字で確かめてから、相場に合わせて 1 回です。価格改定をずるずる繰り返すのが、いちばん悪い形になります。
焦りの大量出品。出品数が大事だとしても、確かめずに並べた出品は、見られない出品が増えるだけです。数は、質を保てるペースで積むものです。
全部同時に変える。写真もタイトルも価格も説明も一晩で変えると、何が効いたのか永遠に分かりません。変えるのは一度に 1 つ、変えたら数日待って数字を見る。地味ですが、原因と対策を結びつける方法はこれしかありません。

直す場所が分かったあと、何日待つか
変更の効果は、すぐには出ません。
出品を直しても、検索結果での見え方が変わり、それを見た人が開いて、迷って、買うまでには時間があります。変えた翌日に数字が動かないことは、効かなかったことの証明にはなりません。
目安としては、数日から 1 週間です。その間は他を触らない。これが守れないと、次に売上が落ちたときも同じ場所で立ち止まることになります。
そして、変えたことは記録に残してください。前の節で書いた「自分の変更を思い出せない」問題は、記録がないから起きます。
落ちる前に気づくために、月ごとの数字を残す
切り分けの手順は、比べる相手があることで初めて動きます。先月の数字、去年の同じ月の数字。これがないと、落ちたかどうかの判断からできません。
売上、注文数、手数料、返金額。これらが注文の画面と明細に散らばっていると、月ごとに並べるだけで時間がかかります。時間がかかる作業は、結局やらなくなります。
私たちが開発している Trade Force は、商品・在庫・出品・注文・発送・売上をひとつの画面で管理する定額制の OMS(受注管理システム)です。
期間を指定すると、販売数・注文数・売上金額・手数料・返金額・入金額を確認できます。先月と今月を同じ切り口で並べられるので、「落ちた気がする」を「落ちている」に変えるまでの時間が短くなります。
注文は自動で取り込まれ、出品は画面から公開と修正の反映ができます。直す場所が決まったあと、実際に直すまでの手数も減らせます。
まとめ
売れない静けさの中で最初に始まるのは、原因探しではなく自分責めです。手順を持っていると、そこを飛ばせます。
- 急に売れなくなったと感じても、数日の静けさは落ちたうちに入らない。先月と、去年の同じ月と比べる
- 表示・閲覧・購入のどこで途切れたかで、直す場所が変わる
- 率を見るときは分母を確かめる。クリック率と成約率では分母が違う
- 自分側から確かめる。公開中の出品数と、出している中身と、自分の変更
- セラーレベルの評価は毎月 20 日。通知を待たず、ダッシュボードを自分から見に行く
- 発送遅延率が高いことだけを理由に、標準以下と評価されることはない
- 市場側の原因は自分の失敗ではない。鈍い時期の手入れは、戻ったときに返ってくる
- 値下げの連打・焦りの大量出品・全部同時に変える。この 3 つを避ける
- 変えるのは一度に 1 つ。数日待って数字を見る
売上の波は、続けている限りまた来ます。波が引いているあいだに何をしていたかで、次の波の高さが変わります。
よくある質問
Q1.何日売れなかったら、手を入れるべきですか
日数より、比べた結果で決めてください。先月の同じ期間と比べて表示回数や閲覧数が落ちているなら、日数が短くても確かめる価値があります。逆に、数字が変わっていないのに注文だけが数日ないなら、それは揺れの範囲です。
Q2.表示回数が落ちているとき、何から直せばいいですか
公開中の出品数からです。いちばん確かめやすく、いちばん取り返しやすいからです。
出品数が落ちていないのに表示回数が落ちているなら、次はセラーレベルの確認、その次に季節と競合という順番になります。
Q3.20日を過ぎたら、次の評価まで何もできませんか
そんなことはありません。出品者ダッシュボードでは「本日評価された場合のレベル」も確認できるので、次の評価に向けて改善が効いているかを途中で見られます。
評価期間は最近の販売数に応じて調整されるとされているので、取引数が少ないほど、1 件の不良が比率に与える影響は大きくなります。件数を増やすこと自体が、比率を薄める方向に働きます。
Q4.値下げは絶対にしてはいけないのですか
そうではありません。避けたいのは、場所を確かめないままの値下げと、下げ続けることです。
「開かれているのに売れていない」ことが数字で分かっていて、相場から離れているなら、価格は正しい手です。下げたあとは数日そのままにして、数字を見てください。
Q5.季節の波なのかどうかは、どう見分ければいいですか
前年の同じ月と比べるのが唯一の方法です。去年の同じ時期にも同じように落ちていたなら、波である可能性が高くなります。
まだ 1 年経っていない場合は判断できません。そのときは、自分側の確認を先に全部終わらせてから、季節を疑ってください。順番を逆にすると、直せたはずのものを季節のせいにして放置することになります。
この記事を書いた人
Trade Force 運営チーム
越境EC向け販売管理ツール「Trade Force」の運営チーム。自らも eBay で日本のトレーディングカードを販売しており、現場の実体験に基づく情報を発信しています。
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