eBayで最初の1件を売る|販売実績がない時期の不利を埋める
この記事の3行要約
- 最初の1件が難しいのは、実績が評価に使われるから。売れていないから売れにくいという循環がある
- 循環の外側から入る手は3つ。取引条件で選ばれる、見ている人に声をかける、露出を買う
- 最初の数件で取りに行くのは利益ではなく情報。その情報が、次の判断の前提になる
目次
- 1.はじめに
- 2.eBayで最初の1件が難しいのは、循環があるから
- 3.販売実績と関係なく整えられるものを、先に埋める
- 3-1.検索語と一致させる
- 3-2.写真は、枚数より1枚目
- 3-3.取引条件を、選ばれる側に寄せる
- 4.評価がない状態で、信頼をどう示すか
- 5.見ている人に、こちらから声をかける
- 6.出品数を増やすことが効くのは、どういうときか
- 7.露出を買うという選択肢
- 8.価格で数を取りにいくときの、引いてはいけない線
- 9.売れない出品をどうするか
- 10.売れた直後にやること
- 11.最初の数件で、本当に取りに行くもの
- 12.数件売れたあとに、最初に変えるもの
- 13.1件あたりの手数が、出せる数の上限を決める
- 14.まとめ
- 15.よくある質問
はじめに
出品はした。写真も撮った。それでも通知が鳴らない日が続く。
「最初の 1 件が難しい」とはよく言われますが、なぜ難しいのかまで説明されることは多くありません。理由が分かると、やることも決まります。
この記事は、販売実績がない時期に何が不利になっているのかを分解します。eBay で最初の販売にたどり着くまでの話です。そのうえで、その不利を埋める手を並べます。件数の目標は置きません。必要な数は、扱う商材と使える時間で変わるからです。
なお、そもそも何を売るかを決めていない段階なら、先に読むべき記事があります。
eBayで最初の1件が難しいのは、循環があるから
eBay の検索結果の並び方(Best Match)について、公式はアルゴリズムの詳細を公開していません。ただ、公式に示されている考え方から、影響するとされる要素は分かっています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 検索語との関連性 | タイトルやItem Specificsが、検索語やフィルタと一致しているか |
| 出品の競争力 | 送料込みの総額・返品条件・出荷までの日数といった取引条件 |
| セラーの実績 | 販売実績・評価・アカウントの健全性 |
| 出品のパフォーマンス | 閲覧と成約の実績 |
下の 2 つを見てください。販売実績が評価に使われるということは、実績がない側は最初から不利だということです。
ここで大事なのは、上の 2 つは実績と関係なく整えられるという点です。検索語との一致も、取引条件も、今日決められます。循環の外側から入れる場所は、ここにあります。
販売実績と関係なく整えられるものを、先に埋める
循環の外にある部分から手をつけます。ここは実績がゼロでも、経験 10 年のセラーと同じ土俵に立てます。
検索語と一致させる
タイトルと Item Specifics です。検索されている語が入っていなければ、そもそも候補に入りません。
Item Specifics は、必須の項目を埋めるだけで終わらせないでください。絞り込み検索の条件として使われるので、埋めた項目が多いほど、買い手が絞り込んだあとの一覧に残ります。
タイトルのほうは、文字数を余らせないことと、詰め込みすぎないことの両方が要ります。線の引き方は別の記事にまとめてあります。
写真は、枚数より1枚目
eBay の出品には画像を 24 枚まで追加できます。ただし、埋めることが目的ではありません。
検索結果の一覧に出るのは 1 枚目だけです。ここで選ばれなければ、残りの 23 枚は見られません。まず 1 枚目を、並んだ他の出品と比べてみてください。
取引条件を、選ばれる側に寄せる
送料込みの総額、返品の条件、出荷までの日数。これらは実績と無関係に決められて、しかも検索の評価に影響するとされています。
「30 日以上の無料返品」は最高評価プラスの条件のひとつですが、その割引(落札手数料 10% 引き)は最高評価を受けた国に居住する出品者が対象です。eBay.com に出品する場合は米国居住が条件になるため、日本のセラーは条件を整えても割引を受けられない可能性が高い、というのが公式の記述です。条件を整えるのは検索での見え方とバイヤーの安心のためであって、手数料のためではない、と分けて考えてください。
出荷までの日数は、短ければ短いほどよいとは限りません。守れない日数を設定すると、遅延として記録されます。まだ発送の流れに慣れていないうちは、余裕を持たせた日数から始めて、実際に何日で出せるかを測ってから縮めてください。

評価がない状態で、信頼をどう示すか
買い手から見ると、評価の数は判断材料のひとつです。少ないこと自体は時間が解決しますが、その間、評価以外のもので不安を埋めることはできます。
埋める場所は、買い手が不安に思う順に決まっています。
本当に写真どおりのものが届くか。ここに効くのはコンディションの説明です。中古を扱うなら、良いところだけでなく、傷や使用感を先に書いてください。書いてある傷は不安になりませんが、書いていない傷は届いてから問題になります。
届かなかったらどうなるか。追跡番号が付く発送方法を選んでいるか、返品を受け付けるかどうかが、ここに答えます。金額が上がるほど気にされます。
連絡が取れる相手か。問い合わせへの返信が早いことは、評価の数を補う効果があります。時差があるので即答はできませんが、24 時間以内には返すというだけで印象は変わります。英文のテンプレートは別の記事にまとめてあります。
これらは、評価が増えたあとも効き続けます。最初のうちだけの応急処置ではありません。
見ている人に、こちらから声をかける
出品を見た人が買わずに離れているなら、待つ以外の手があります。
eBay には、興味を示したバイヤーにこちらからオファーを送る機能があります。公式ヘルプによれば、仕組みはこうなっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 送り先 | 直近で興味を示したバイヤー最大 30 人(ウォッチしている人・カートに入れた人) |
| 割引の下限 | 表示価格より 5% 以上安いこと |
| 有効期限 | 96 時間(eBay.com / eBay.co.uk。他の国際サイトでは 48 時間) |
| 30 人を超える場合 | まず 30 件送られ、48 時間ごとに最大 30 件ずつ送られ続ける |
| カウンターオファー | 買い手・売り手それぞれ最大 5 回まで |
| 対象 | 固定価格の出品のみ |
この機能が最初の時期に効くのは、相手がすでに興味を示しているからです。検索で上位に出る必要がありません。ウォッチが付いているのに売れていない出品があるなら、循環の外側から入る手として最も近いところにあります。
有効期限が 96 時間と決まっているので、返事が来ないうちに何度も送り直す必要はありません。待つ時間も仕組みの一部です。
値引き提案を受け付けるBest Offerを出品に付けておくのも、同じ方向の手です。こちらは買い手から声をかけてもらう形になります。
出品数を増やすことが効くのは、どういうときか
「売れないなら出品を増やせ」というのはよく言われますが、これはいつでも正しいわけではありません。
効くのは、表示回数が足りていないときです。並んでいる数が少なければ、検索結果に出る機会も少なくなります。ここが原因なら、増やすのは正しい手です。
効かないのは、表示はされているのに開かれていないときや、開かれているのに売れていないときです。この状態で数だけ増やしても、見られない出品が増えるだけになります。
どちらなのかは、数字を見れば分かります。切り分けの手順は別の記事にまとめてあります。
なお、出品数を増やすときは出品枠が上限になります。引き上げの申請は 30 日に 1 回までとされているので(eBay 公式ヘルプ)、枠が足りないと分かった時点で、必要な月数が決まります。
露出を買うという選択肢
実績がないうちは、広告が相対的に効きやすい場面があります。検索の評価で不利なぶんを、料率で埋める形です。
ただし、誰にでも勧められる手ではありません。広告費は売れた金額に対してかかるので、元の利益が薄い商品に乗せると、そのまま赤字になります。先に 1 件あたりで残る額を確かめてから決めてください。
価格で数を取りにいくときの、引いてはいけない線
最初は薄利でも数を売る、という考え方があります。実績を積むという目的からすれば筋は通っています。
ただ、赤字を勧める話にしてはいけません。引く前に、1 件あたりで何が引かれるかを確かめてください。
- 落札手数料と、注文ごとの手数料
- 国際出品手数料
- 実際にかかる国際送料と、梱包の資材費
- 円に替えるときのコスト
- 米国向けの関税。現在は多くの取引でセラー側の負担になっています
最後の項目は見落とされやすく、低単価の商品ほど比率で効いてきます。仕組みは別の記事にまとめてあります。
引いたあとに残る額がゼロを割るなら、それは「薄利」ではなく赤字です。数を売っても実績以外は何も残りません。価格の下限をどう決めるかは、別の記事で扱っています。
売れない出品をどうするか
しばらく動かない出品を、定期的に作り直すべきだという話を見かけます。「一定期間更新がないと順位が下がる」という説明とセットで語られることが多いものです。
この説には公式の裏付けがありません。eBay の公式ページを当たっても、出品期間や再出品と検索順位を結びつける規定は見つかりませんでした。詳しくは別の記事に書いてあります。
だからといって、放置がよいわけでもありません。中身を作り直す判断そのものはあり得ます。タイトルの語が検索とずれていた、写真の 1 枚目が弱かった、相場から価格が離れていた。直す理由があるから直すのであって、日数が来たから直すのではありません。
見分け方は、この記事の前半と同じです。表示されているか、開かれているか、開かれて売れていないか。落ちている場所に対応するものだけを直してください。
売れた直後にやること
最初の 1 件が売れた瞬間は嬉しいものですが、ここからが本番です。最初の取引の質が、そのあとの土台になります。
書いた日数の中で発送する。出荷までの日数は自分で設定した約束です。到着予定日はここから計算されて買い手に表示されているので、遅れるとそのまま体験の悪化になります。
追跡番号を登録する。発送したことを記録に残す行為でもあります。届かないという申し立てが来たときに、こちらが示せる材料になります。
発送前の状態を写真に残す。破損の連絡が来たときに、発送時点では無事だったことを自分で示せます。1 件目から習慣にしておくほうが楽です。
評価が付くのを待つ。評価を積むことは大事ですが、催促の仕方には注意が必要です。割引や特典と引き換えに良い評価を求めることは、eBay のポリシーで禁止されています。やれるのは、良い取引をして待つことだけです。
そして、この 1 件にかかった時間を測っておいてください。出品から梱包、発送手続きまでで何分だったか。次の節につながります。
最初の数件で、本当に取りに行くもの
ここまで技術的な話をしてきましたが、最後にひとつ、視点を変えたことを書きます。
最初の数件で取りに行くべきなのは、利益ではなく情報です。
- どの商材が実際に動いたか
- 出品から梱包・発送まで、1 件に何分かかったか
- 買い手からどんな問い合わせが来たか
- 発送してから到着まで、実際に何日かかったか
- 手数料と送料を引いて、いくら残ったか
これらは、売ってみるまで分かりません。そしてこの数字が、次に立てる計画の前提になります。他人の平均値ではなく自分の実測から計画を作れるようになる、という意味で、最初の数件には金額以上の価値があります。
もうひとつ、最初の時期だからこそ効くことがあります。取引の質を落とさないことです。
セラーレベルの評価は毎月 20 日に行われ、取引不良率は評価期間内の取引の 2% までが許容範囲とされています(eBay 公式ヘルプ)。取引数が少ないうちは、1 件のキャンセルや未着が比率に与える影響が大きくなります。在庫が確実にあるものを出す、書いた日数で発送する。この 2 つは、最初の数件でこそ効きます。

数件売れたあとに、最初に変えるもの
数件の実績ができると、判断の材料が変わります。ここで見直す順番も決まっています。
まず、実際に動いた商材を確かめる。出品したもののうち、どれが売れてどれが動かなかったか。動いたものと似たものを次に出す、というのがいちばん確実な広げ方です。勘で広げるより、実績から広げるほうが速く進みます。
次に、価格を戻せるか試す。実績を作るために薄くしていたなら、少し戻して反応を見ます。一度に大きく上げず、変えたら数日置いてください。同時に他を触ると、何が効いたか分からなくなります。
そのあと、出荷までの日数を縮められるか見る。実際に何日で出せたかが分かっているはずなので、その実績に合わせて縮めます。到着予定日が前に出るぶん、選ばれやすくなります。
最後に、出品数を増やす。ここまでの 3 つは 1 件あたりの質を上げる作業で、増やすのは量の作業です。質が固まる前に量を増やすと、質の低い出品が量産されます。
数件売れたあとに効くこと
- 動いた商材と似たものを出す
- 薄くしていた価格を戻して反応を見る
- 実績に合わせて出荷までの日数を縮める
- 1 件あたりの作業時間を測って短くする
まだ早いこと
- 実績のない商材へ一気に広げる
- 全出品を一度に値上げする
- 質が固まらないうちに量を増やす
- 他のセラーの品数に合わせようとする
順番を守る理由は単純で、同時に動かすと、何が効いたのか分からなくなるからです。最初の数件は、次に効く手を見つけるための材料集めでもあります。

1件あたりの手数が、出せる数の上限を決める
この記事で挙げた手は、どれも出品 1 件あたりに手をかけるものでした。だから、1 件あたりの手数が多いと、そもそも数が出せません。
私たちが開発している Trade Force は、商品・在庫・出品・注文・発送・売上をひとつの画面で管理する定額制の OMS(受注管理システム)です。
画面から eBay へ出品を公開でき、修正もそのまま反映されます。出品文とコンディション説明はテンプレートとして登録できるので、同じ言い回しを毎回打ち直す必要がありません。すでに eBay 側にある出品を取り込むこともできます。
売れたあとは注文が自動で取り込まれ、入荷と出荷のタスクが作られます。追跡番号を入れて出荷を確定すると、発送情報が eBay へ反映されます。最初の数件で「何分かかったか」を測るときに、測る対象そのものを短くできるという位置づけです。
まとめ
最初の 1 件が難しい理由は、能力ではなく仕組みの側にありました。
- 販売実績が評価に使われるので、実績がない側は最初から不利。循環がある
- 循環の外にあるのは、検索語との一致と、取引条件。ここは実績ゼロでも整えられる
- 写真は枚数より 1 枚目。一覧で見られるのはそこだけ
- 返品無料の割引は最高評価レベルが前提。最初の時期は検索での見え方のために設定する
- 出荷までの日数は、短くするより守れることが先
- 見ている人にはこちらから声をかけられる。オファーは 5% 以上、最大 30 人、96 時間
- 出品数を増やすのが効くのは、表示回数が足りていないときだけ
- 薄利は構わないが、関税と手数料を引いて残ることを先に確かめる
- 「一定期間で作り直すと順位が上がる」には公式の裏付けがない。直す理由があるときに直す
- 最初の数件で取りに行くのは情報。それが次の計画の前提になる
まずは、ウォッチが付いているのに売れていない出品があるかどうかを見てください。あるなら、そこが循環の外側からいちばん近い入口です。
よくある質問
Q1.何品出品すれば売れますか
商材と価格帯で変わるので、共通の数は出せません。他の人の品数をそのまま持ってきても、単価も回転も違うので当てになりません。
代わりに見るべきなのは、今の出品が表示されているかどうかです。表示回数が足りていないなら増やす意味があり、表示はされているのに開かれていないなら、増やしても同じ結果になります。
Q2.最初は赤字覚悟で安く売るべきですか
実績を積むために利益を薄くするのは、判断としてあり得ます。ただし、手数料・送料・資材・関税を引いた後で残るかどうかは先に確かめてください。
引いてマイナスになるなら、それは実績のために現金を払っている状態です。1 件や 2 件ならともかく、続けるやり方にはなりません。
Q3.ウォッチは付くのに売れません
そこがいちばん近い入口です。興味を示している人が実際にいるので、オファーを送る対象がすでにいます。
送るときの割引は表示価格より 5% 以上、有効期限は 96 時間です。返事が来なくても、その期間内に送り直す必要はありません。
Q4.評価が少ないと、やはり買われにくいですか
買い手が判断材料にするのは確かです。ただ、評価が少ないこと自体は時間が解決します。
その間に効くのは、評価以外で信頼を示すことです。状態の説明を細かく書く、写真を多めに載せる、返品の条件をはっきり書く。買い手が不安に思う場所を、先に埋めておくという考え方です。
Q5.売れない出品は、一度取り下げたほうがいいですか
日数を理由に取り下げる必要はありません。「一定期間で作り直すと順位が上がる」という説に、公式の裏付けは見つかりませんでした。
取り下げて出し直すのは、中身を直す理由があるときです。タイトルの語がずれている、写真が弱い、価格が相場から離れている。理由のほうを先に特定してください。
この記事を書いた人
Trade Force 運営チーム
越境EC向け販売管理ツール「Trade Force」の運営チーム。自らも eBay で日本のトレーディングカードを販売しており、現場の実体験に基づく情報を発信しています。
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