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eBay輸出の攻略は順番で決まる|7つの段階と、飛ばしたときに起きること

更新 公開約16分経営・運営

この記事の3行要約

  • 順番の原則は「後戻りの大きいものから決める」。7つの段階はこの基準で並んでいる
  • よく紹介される攻略法のうち、評価集めとアカウント購入は公式ポリシーの禁止行為に当たる
  • 詰まっている段階は、症状から逆引きできる
目次

はじめに

eBay 輸出について調べると、情報は山ほど出てきます。リサーチのやり方、タイトルの付け方、送料の下げ方、手数料の計算。どれも必要な話です。

ただ、集めるほど分からなくなるのが順番です。全部やるべきだとして、今日は何をやるのか。今つまずいているのは、どの部分なのか。

この記事は、全体像と順番だけを扱います。各論はすべて個別の記事にまとめてあるので、1 つずつ深く知りたくなったらそちらへ進んでください。ここでは、なぜこの順番なのかを書きます。

eBay輸出の攻略に、決まった順番はあるのか

結論から書くと、あります。ただし、それは「これをやれば売れる」という手順ではありません。

順番があるのは、後から変えるコストが違うからです。今日変えられるものと、変えるのに数か月かかるもの、そして一度決めたら戻れないものがある。この違いが、並びを決めます。

順番の原則はひとつだけです。後戻りの大きいものから決める。

たとえば、出品タイトルは今日書き換えられます。仕入れルートは数か月かかります。課税事業者になるかどうかは、2 年間戻れません。この 3 つを同じ優先度で扱うと、いちばん戻れないものを最後に決めることになります。

eBay輸出の戦略は、後戻りの大きいものから決める

7 つの段階に分けます。上ほど後戻りが大きく、下ほど今日から変えられます。

段階決めること後戻りのしやすさ
1. 始める前立場・届出・資金・撤退ライン戻りにくい
2. 出せる状態を作る登録・受け取り・出品枠手続きのやり直しが要る
3. 1 件目を売り切る何を、どう出すかやり直せる
4. 数を増やすリサーチと出品の型変えやすい
5. 利益を守る手数料・送料・為替・粗利変えやすい
6. 手を空ける効率化・外注・道具変えやすい
7. 止まらない体制トラブル対応・指標変えやすいが、放置は戻りにくい

7 だけが例外です。対応そのものは変えやすいのに、放置した結果は戻りにくい。指標が落ちてから直すのは、落とさないより何倍も時間がかかります。

この表の使い方

上から順にやり切る必要はありません。すでに始めている方は、下の段階からでも構いません。

大事なのは、下の段階で詰まったときに上へ戻れることです。「出品しても売れない」の原因が段階 1 の商材選びにあることも、「利益が残らない」の原因が段階 2 の設定にあることもあります。

後戻りの大きい順に並べた 7 段階 — 1. 始める前(立場・届出・資金・撤退ライン。いちばん戻りにくく、待ち時間も長い)、2. 出せる状態を作る(登録・本人確認・入金設定・出品枠。手続きのやり直しに日数がかかる)、3. 1 件目を売り切る(目標は利益ではなく、一連の流れを最後まで通すこと)、4. 数を増やす(リサーチと出品の型。同じことを繰り返せる形にする)、5. 利益を守る(手数料・送料・為替・粗利。売れているのに残らない状態はここ)、6. 手を空ける(効率化・外注・道具。時間が余っているうちは手を出さない)、7 段階目は「止まらない体制」。変えやすいのに、放置した結果は戻りにくい

段階1: eBay輸出を始める前に決めること

いちばん戻りにくい段階です。ここで決めるのは、売り方ではなく立場です。

勤務先の規程と、届出と、住民税。 会社に勤めながら始めるなら、まず勤務先の規程が何を認めているかです。開業届と青色申告承認申請には期限があり、住民税の徴収方法にも選択があります。

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古物商許可の要否。 国内で仕入れて売るなら、海外へ売る場合でも古物営業法が関わります。要否の分かれ目は、仕入れの形で決まります。

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目標と撤退ライン。 何を目標に置くかで、途中の判断が全部変わります。撤退ラインは、始める前に決めておくほうが決めやすいものです。

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段階2: 出せる状態を作る

手続きの段階です。やり直しは効きますが、時間がかかります。

セラー登録と、売上の受け取り。 アカウントを作り、本人確認を通し、入金先を設定します。Payoneerの設定は、売上が発生してから慌てると詰まります。

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出品枠。 新規アカウントにはセリングリミットがあり、1 か月に出品できる量に上限がかかります。eBay は毎月アカウントを見直し、売上高と購入者からの評価をもとに枠を自動で調整します。上限に近づくと届く案内から引き上げをリクエストすることもでき、その際は連絡先や事業の詳細を求められることがあります。

手順の全体像は、始め方の記事にまとめてあります。

段階3: 1件目を売り切る

ここでの目標は利益ではなく、一連の流れを最後まで通すことです。売れて、梱包して、送って、追跡が反映されて、入金される。この一周を経験すると、以降の判断の精度が変わります。

何を売るか。 最初の 1 品は、単価より扱いやすさで選ぶほうが通しやすくなります。

実績がない時期の不利。 販売実績がないこと自体が不利に働きます。その循環の外側から入る手があります。

段階4: 数を増やす

流れが通ったら、件数を増やす段階です。ここから先は、同じことを繰り返せる形にするのが主題になります。

リサーチ。 需要を確認してから仕入れる。ここが感覚のままだと、件数を増やすほど外れが増えます。

リサーチから出品までを 1 本にする。 工程が分断していると、どこで詰まっているか分かりません。

見つけてもらう。 タイトル、Item Specifics、カテゴリ。Best Matchで何が評価されるかの全体像は、SEO の記事にまとめてあります。

在庫をどう持つか。 在庫を持つか、注文が入ってから仕入れるか。この選択は、資金と時間のどちらが先に上限に当たるかで決まります。

段階5: eBay輸出の利益を守る

件数が増えると、売れているのに残らないという状態が出てきます。ここは数字の段階です。

手数料。 3 層に分かれていて、率と定額の両方があります。

送料と為替。 送料は発送方法で変わり、為替は自分が出金する日のレートで決まります。

粗利で判断する。 売上・粗利・限界利益・営業利益は、それぞれ別の判断に使います。

消費税還付。 輸出は免税なので、条件を満たせば仕入れで払った消費税が戻ります。ただし課税事業者であることが前提で、2 年間戻れない選択を伴います。段階 1 で決めておくほうが早いのは、この理由です。

段階6: 手を空ける

作業時間が上限になってきたら、この段階です。時間が余っているうちは、ここに手を出さないほうが安全です。

自動化をいつ入れるか。 道具は、回収できる件数になってから入れます。

外注。 渡す作業と、渡さない作業を分けます。アカウントのログイン情報を渡す形にはしないでください。

段階7: 止まらない体制

最後は、止まらないための段階です。変えやすいのに、放置した結果は戻りにくいという性質があります。

指標。 取引不良率や、出品者が解決せずに終了したケースが水準を超えると、セラーレベルが標準以下に落ちます。発送遅延率は、それだけで標準以下になることはありませんが、最高評価の条件には入ります。落ちてから戻すのは、落とさないより時間がかかります。

評価とトラブル。 返品、未払い、ネガティブ評価。どれも起きる前提で手順を決めておきます。

権利侵害。 正規品を扱っていても、出品の作り方で申し立てを受けることがあります。

売れなくなったとき。 落ちた場所を数字で切り分けます。

よく見かけるeBay輸出の攻略法のうち、この順番に乗らないもの

「攻略」と名の付く情報には、この 7 段階のどこにも入らないものが混ざっています。理由は単純で、公式のポリシーが禁止しているからです。

出品前に評価を集める。 安い商品を買い集めて評価を貯める、という進め方が広く紹介されています。ただ、eBay のフィードバックの改ざんに関するポリシーは、「フィードバックスコアを上げたり、最高評価出品者の状態やサイトの権限を取得したりする目的で取引を行うこと」を禁止行為に挙げています。工夫の余地がある話ではありません。

評価付きのアカウントを買う。 同じポリシーの禁止行為に、「eBay のユーザーアカウントを売買すること」という一文があります。

検出を避ける工夫。 IP や端末を固定する、購入する国を散らす、記載を不正確にする。いずれも、禁止されている行為を続けるための工夫です。目的が変わらない限り、位置づけも変わりません。

これらを外すと、残るのは地味な作業ばかりです。ただ、外さずに進むと、段階 7 の問題が段階 1 の時点で発生します。アカウントが止まれば、順番も何もありません。

この順番に乗らない「攻略法」 — 段階に入るもの: 出品の中身を良くする、発送を早くする、仕入れの基準を決める、指標を落とさない運用にする、公式ポリシーが禁じているもの: 評価を上げる目的で取引する、評価付きのアカウントを売買する、検出を避けるために記載を不正確にする、制限を避けるためにアカウントを増やす、外さずに進むと、段階 7 の問題が段階 1 の時点で発生する

戦略の段階と段階のあいだに、待ち時間がある

順番を守っていても、すぐには次へ進めない場所があります。自分の作業ではなく、待ち時間で決まる部分です。

  • 本人確認と入金設定。 書類の確認に日数がかかります。売れてから始めると、その間は入金が止まります
  • 出品枠。 自動の見直しは毎月です。引き上げのリクエストでは、連絡先や事業の詳細など追加の情報を求められることがあります
  • 新規セラーの入金保留。 始めたばかりの時期は、売上が手元に来るまで時間がかかることがあります
  • 消費税の届出。 原則として提出した課税期間の翌課税期間から効くので、実質 1 年待ちになります(事業を始めた課税期間などは、提出した期間から課税事業者になれる例外があります)
  • 指標の回復。 セラーの評価は月次で行われるので、直してもすぐには戻りません

待ち時間のあるものは、前倒しで着手するしかありません。急ぎたいときに急げない部分なので、手が空いている時期に済ませておくのが実際的です。

言い換えると、待ち時間のあるものは、必要になる前に始めるということです。売上が伸びてから入金設定を整えようとすると、その間の売上が動かせません。出品枠が足りなくなってからでは、次の毎月の見直しを待つか、追加の情報をそろえてリクエストすることになります。

段階 1 と 2 が上に来ているのは、後戻りの大きさだけでなく、この待ち時間の長さも理由になっています。

eBay輸出の攻略で、順番を飛ばすと何が起きるか

順番を飛ばすと、飛ばした段階の問題が、あとから症状として出ます。飛ばした段階ごとの症状は次のとおりです。

飛ばした段階起きること
1(始める前)申告の時期に慌てる。還付を取れる年を逃す。勤務先との関係が問題になる
2(出せる状態)売れてから入金設定で詰まる。出品枠が足りず、仕入れた在庫を出せない
3(1 件目)手順を知らないまま件数を増やし、発送や対応でまとめて事故が起きる
4(数を増やす)出品はしているのに売れない。何が悪いのか切り分けられない
5(利益を守る)売れているのに残らない。どこで消えているか分からない
6(手を空ける)作業時間が上限になり、それ以上伸びない
7(止まらない体制)指標が落ちて、手数料と露出の両方で不利になる

症状が出るまでの時間は、段階で違います。上の段階を飛ばすほど、出るのが遅くなります。段階 1 を飛ばした影響は、翌年の申告のときに出ます。段階 4 を飛ばした影響は、その週に出ます。

遅れて出る問題ほど、原因にたどり着きにくいので、上から順に固めるほうが結果的に速くなります。

もうひとつ、飛ばした段階はあとから戻るコストが上がります。件数が増えてから出品の型を作り直すと、既存の出品を全部直すことになります。1 件のときに決めておけば、その 1 件を直すだけです。同じ作業でも、いつやるかで量が変わります。

「早く売りたいから段階 1 と 2 は後回し」という判断は、気持ちとしては分かります。ただ、後回しにできる期間には限りがあります。売上が立てば申告の時期が来ますし、件数が増えれば出品枠に当たります。先送りしても、無くなるものではありません。

どこで詰まっているかを、症状から逆引きする

詰まっている段階は、いま出ている症状から逆引きできます。すでに始めている人は、ここから自分の段階を決めてください。

  • 出品しているのに、見られていない。 段階 4 です。見つけてもらう部分に問題があります
  • 見られているのに、売れない。 段階 4 と 5 の境目です。価格か、出品の中身です
  • 売れているのに、残らない。 段階 5 です。手数料・送料・為替・仕入れ値のどこかです
  • 売れているが、手が回らない。 段階 6 です。作業時間が上限になっています
  • 売れていたのに、急に落ちた。 段階 7 の可能性があります。指標が落ちていないか確認してください
  • 続ける気力が落ちている。 段階 1 に戻ります。目標と撤退ラインが、今の状況と合っていない可能性があります

逆引きで気をつけたいのは、複数の症状が同時に出ているときです。売れないし残らないし手も回らない、という状態はよくあります。この場合は、いちばん上の段階から手を付けてください。下の段階の問題は、上が直ると自然に軽くなることがあります。逆はほとんど起きません。

eBay輸出の攻略で、段階ごとに見る数字を1つに決める

段階が決まったら、その段階で見る数字を 1 つだけ決めます。段階ごとに、効いているかどうかが表に出る数字が違うからです。

段階見る数字
3. 1 件目を売り切る1 品を出すのにかかった時間と、閲覧・ウォッチ・問い合わせのどこで止まっているか
4. 数を増やす出してから一度も手を入れていない出品が、いくつ残っているか
5. 利益を守る出品前の見積もりと、取引後の実額の差がどちらを向いているか
6. 手を空ける1 週間の作業時間の実測と、そこから出る 1 人分の件数
7. 止まらない体制毎月の評価で割り当てられるセラーレベル

段階 1 と 2 が表に無いのは、数字ではなく決めごとの段階だからです。見直すときに使うのは、1 年分の月ごとの並びになります。

この数字の測り方は、始めてからの経過日数ごとの記事にまとめてあります。段階は順番で、経過日数は時点です。同じ人が、ある段階にいながら、ある時点を迎えます。どちらから読んでもかまいません。

見る数字を 1 つに絞るのは、複数の段階の数字を同時に追うと、どれが動いたのかが読めなくなるからです。順番を飛ばさないのと同じ理由です。

攻略情報の集め方にも、順番がある

もうひとつ、実務的な話をします。今の段階に関係のない情報を読むと、判断が濁ります。

段階 3 にいる人が、外注の記事や自動化の記事を読むと、やることが増えたように感じます。実際には、その段階では要らないものです。逆に、段階 5 で利益が残らずに困っている人が、リサーチの記事を読み続けても答えは出ません。

自分がどの段階にいるかを決めてから、その段階の記事を読む。この順番にすると、読む量が減って、行動に変わる割合が上がります。

情報が多すぎて動けないという状態は、たいてい複数の段階の情報を同時に読んでいることから来ています。前の節の逆引きで自分の段階を決めてから、そこだけを読んでください。

「攻略」という言葉に、近道の意味を持たせない

この記事のタイトルにも「攻略」という語を使っていますが、意味を限定しておきます。

ここで言う攻略は、やることの順番が分かっている状態のことです。裏技があるという意味ではありません。

順番が分かっていると、次の 3 つが変わります。今日やることが決まる。やらなくていいことが決まる。詰まったときに、どこへ戻ればいいかが分かる。この 3 つだけでも、迷っている時間はかなり減ります。

逆に、順番を無視して効きそうなものから試すと、効いたかどうかも分からなくなります。複数の段階を同時に動かすと、結果がどれによるものか切り分けられないからです。

戦略の段階ごとに、かける時間の割合が変わる

同じ 1 週間でも、段階によって何に時間を使うかが変わります。ここを意識していないと、前の段階のやり方のまま次へ進んでしまいます。

段階 3 のころは、1 件に時間をかけて構いません。むしろ、丁寧にやり切ることが目的です。写真を撮り直す、説明を書き直す、梱包を工夫する。この時期の 1 件は、以降のすべての基準になります。

段階 4 に入ったら、1 件あたりの時間を減らす方向へ動きます。同じ丁寧さを維持したまま件数を増やすには、型を作るしかありません。ここで「1 件ずつ丁寧に」を続けると、件数が伸びません。

段階 5 では、作業ではなく数字に時間を使います。出品を増やしても残らないなら、増やす作業を止めて計算に時間を使うほうが効きます。

段階 6 では、自分がやらない形を作る時間です。手順を書く、渡し方を決める、道具を選ぶ。この時間は直接の売上を生みませんが、ここを飛ばすと人を入れても回りません。

時間配分を切り替える合図は、同じやり方で成果が伸びなくなったときです。伸びなくなったのに同じことを続けているなら、段階が変わっているのに気づいていない可能性があります。

eBay輸出の攻略で、段階を上げる前に1つ前を固める

7 段階を順に進めるとき、ひとつだけ守ってほしいことがあります。次の段階へ進む前に、1 つ前が繰り返せる形になっているかを確認することです。

1 件目が売れたから件数を増やす、ではなく、同じことをもう一度できるか。件数が増えたから外注する、ではなく、渡せるだけ手順が決まっているか。

固まっていない段階の上に次を積むと、下の不安定さが上まで伝わります。出品の型が決まっていないまま外注すると、外注先ごとに違う出品ができあがるのが典型です。

とはいえ、完璧にしてから進む必要はありません。繰り返せるかどうかが基準で、完成度ではありません。

判断に迷ったら、同じことを 3 回やってみるのが分かりやすい目安です。3 回とも同じ手順で、同じくらいの時間でできたなら、それは繰り返せる形になっています。毎回やり方が変わっているなら、まだ固まっていません。

もうひとつの見方が、他人に説明できるかです。「なぜこの商品を仕入れたのか」「なぜこの価格にしたのか」を言葉にできるなら、その段階は繰り返せる形になっています。説明できないなら、たまたま上手くいっただけかもしれません。

この基準は、段階 6 で人手を増やすときにそのまま効きます。説明できないことは、渡せません。

eBay輸出の攻略では、段階を1つ下りることもある

ここまでは上がる話でした。下りる場面もあります。

段階は、一度上がったら固定されるものではありません。段階 6 まで進んで人に渡したのに、質が落ちて全部戻ってきた。段階 4 で件数を増やしたら、段階 3 で作った出品の質が保てなくなった。どちらも、上の段階が下の段階の前提を崩したという形です。

このとき起きているのは失敗ではなく、繰り返せる形が崩れたという合図です。前の節の基準がそのまま使えます。3 回やって同じにならない、他人に説明できない。どちらかに当てはまるなら、その段階はもう繰り返せる形ではありません。

下りるときの決まりは 1 つです。1 段だけ下りる。件数が原因なら段階 4 へ、出品の質が原因なら段階 3 へ。いきなり段階 1 まで戻ると、立場や資金の話から考え直すことになり、崩れた場所と関係のないところを触ります。

2 段以上下りる場面もありますが、それは上の段階の前提が全部崩れたときに限られます。扱う商材を丸ごと変えた、仕入れ先が無くなった、生活の側の条件が変わった。この 3 つは段階 1 の中身なので、そこまで戻る理由になります。

そして、下りているあいだも上の段階でできていたことは残しておいてください。外注を止めても手順書は残る、件数を戻しても出品の型は残る。残しておけば、もう一度上がるときは前より速く済みます。捨てるのは実行のほうで、形のほうではありません。

順番は決まっても、記録が無いと次に進めない

7 つの段階を通して効いてくるのが、記録が残っているかどうかです。どの段階でも、次に進む判断は前の段階の結果から出てきます。1 件目が何日で売れたか、粗利がいくら残ったか、どの商材が回ったか。これらが記憶にしかないと、段階 4 以降の判断が勘になります。

Trade Force は、eBay 輸出の商品・在庫・出品・注文・発送・売上をひとつの画面で管理する定額制の OMS です。eBay で売れると注文が自動で取り込まれ、入荷と出荷のタスクが自動で作られます。配送方法を選んで追跡番号を入れ、出荷を確定すると、追跡番号を含む発送情報が eBay へ反映されます。

売上は期間を指定して確認でき、販売数・注文数・売上金額・手数料・返金額・入金額が並びます。段階 5 で必要になる数字が、日々の業務の結果として溜まっていく形です。

処理の結果は Slack へ通知でき、メンバーを招待して権限を設定することもできます。段階 6 で人手を増やすときも、ログイン情報を配らずに分担できます。

何ができるかは、サービス紹介の記事にまとめてあります。

金額帯からも、詰まっている段階を逆引きできる

この記事では症状から段階を逆引きしましたが、目指している金額帯から逆引きすることもできます。金額帯ごとに、最初に当たる壁が違うためです。

1 件目の再現、出品数と時間、資金繰り、仕組み化、そして守り。それぞれ別の記事にまとめました。

まとめ

順番の原則はひとつです。 後戻りの大きいものから決める。7 つの段階は、この基準で並んでいます。

段階 1 がいちばん戻りにくい。 立場、届出、資金、撤退ライン。売り方より先に決まります。

段階 7 は、変えやすいのに放置が戻りにくい。 指標は落としてから戻すほうが、落とさないより時間がかかります。

順番に乗らない攻略法があります。 評価を集める目的の取引と、アカウントの売買は、公式ポリシーの禁止行為です。工夫の余地がある話ではありません。

詰まりは症状から逆引きできます。 見られていないのか、売れないのか、残らないのか、手が回らないのか。症状ごとに戻る段階が決まっています。

よくある質問

Q1.全部を順番どおりにやらないといけませんか
A1.

順番の意味は「後戻りの大きいものから決める」ことにあります。すでに始めている人が段階 1 に戻れないわけではありませんし、戻ったほうがいい場面もあります。

守ってほしいのは、次へ進む前に 1 つ前が繰り返せる形になっているかを確認することだけです。

Q2.出品前に評価を集めておいたほうがいいですか
A2.

評価を上げる目的で取引を行うことは、eBay のフィードバックの改ざんに関するポリシーが禁止行為として明記しています。件数の目標を置いて買い集める進め方は取れません。

実績がない時期の不利は、取引条件やプロフィール、最初の数件の質で埋めるほうが確実です。

Q3.どこから手を付ければいちばん早く売れますか
A3.

売れるまでの速さだけを見るなら段階 3 と 4 ですが、段階 1 と 2 を飛ばすと、後から出る問題が大きくなります。

とくに段階 1 の決めごとは、翌年の申告や勤務先との関係として遅れて出てきます。遅れて出る問題ほど、原因にたどり着きにくくなります。

Q4.売れているのにお金が残りません
A4.

段階 5 です。手数料、送料、為替、仕入れ値のどこかで消えています。

どの階層の話なのかを先に決めると、打ち手が絞れます。売上・粗利・限界利益・営業利益は、それぞれ別の判断に使う数字です。

Q5.一度進んだ段階から、後戻りすることはありますか
A5.

あります。人に渡したら質が落ちて戻ってきた、件数を増やしたら出品の質が保てなくなった。どちらも、上の段階が下の段階の前提を崩した形です。

下りるのは 1 段だけにしてください。件数が原因なら段階 4 へ、出品の質が原因なら段階 3 へ。2 段以上戻るのは、扱う商材や仕入れ先や生活の条件が変わったときに限られます。

そして、下りているあいだも手順書や出品の型は残しておいてください。捨てるのは実行のほうで、形のほうではありません。

Q6.eBay輸出の出品枠は、待っていれば広がりますか
A6.

eBay は毎月アカウントを見直し、売上高と購入者からの評価をもとに枠を自動で調整します。材料は売れた実績なので、出品しているだけでは広がりにくいと考えておくほうが安全です。

月の枠に近づくと案内が届き、そこから引き上げをリクエストすることもできます。連絡先や事業の詳細を求められることがあるので、枠が必要になる前に準備しておくと待たずに済みます。

Q7.自動化やツールは早めに入れたほうがいいですか
A7.

時間が余っているうちは、急ぐ必要はありません。道具は、月の件数で回収できるかどうかで判断してください。

作業時間が上限になって件数を増やせなくなったときが、段階 6 の入口です。

Q8.関税や配送のルールは、この記事で分かりますか
A8.

この記事では扱いません。改定が速いので、ハブに数値を置くと古くなるためです。

配送と関税の実務は、それぞれの記事にまとめてあります。

参照リンク

この記事は各論を送るハブなので、数値や制度の裏取りは送り先の記事にあります。この記事の中で直接引いているのは次の 4 つです。

  • eBay 公式「フィードバックの改ざんに関するポリシー」(「フィードバックスコアを上げたり、最高評価出品者の状態やサイトの権限を取得したりする目的で取引を行うこと」および「eBay のユーザーアカウントを売買すること」が禁止行為として挙げられていること)
  • eBay 公式「出品限度」(毎月の見直しと、売上高と購入者からの評価にもとづく自動の調整、上限に近づいたときの引き上げのリクエストと追加の情報)
  • eBay 公式「出品者の基準に関するポリシー」(毎月の評価でセラーレベルが割り当てられること、取引不良率と出品者が解決せずに終了したケースが標準以下の基準であること、発送遅延率は単独では標準以下の理由にならず最高評価の条件に入ること)
  • 国税庁「No.6501 納税義務の免除」(課税事業者選択届出書が原則として提出した課税期間の翌課税期間から効くこと、事業を始めた課税期間などの例外、課税事業者となった日から 2 年間は免税事業者に戻れないこと)

この記事を書いた人

Trade Force 運営チーム

Trade Force 運営チーム

越境 EC セラーのための、AI ネイティブな次世代 OS「Trade Force」の運営チーム。自らも eBay で販売しており、現場の実体験に基づく情報を発信しています。

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仕入れ、出品、値付け、注文、出荷、英語での返信。このブログを書いている私たちは、その仕事を届くところまで支える Trade Force を作っています。

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